平成30年7月豪雨より1年半以上経った、令和2年1月26日。
災害の復興支援イベントとして、「福幸祭in真備」が開催されました!
この福幸祭は、小さな子供たちや、パパ・ママ、おじいちゃん・おばあちゃんまで、三世代みんなが一緒に楽しめる内容です。
美味しいグルメ、ハートフルなパフォーマンス、体験コーナーでの交流が、来たひとたちを笑顔にしていました。
当日のパフォーマンスのようすを中心に、くらとこレポーターの「みにこ」が、紹介します!
記載されている内容は、2020年2月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
目次
福幸祭in真備のデータ
名前 | 福幸祭in真備 |
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期日 | 令和2年1月26日 午前10時~午後2時 |
場所 | 岡山県倉敷市真備町箭田 |
参加費用(税込) | 無料(飲食代は別途必要) |
ホームページ | 岡山県老人クラブ連合会 晴ればれシニア岡山 |
「福幸祭in真備」について
「福幸祭in真備」は、被災した真備町の復興を支援するお祭りで、イベント自体の入場料は無料です。
会場の数か所で災害支援募金をしており、募金に応じると帽子のマグネットがもらえました!
福幸祭には、共同主催である岡山県老人クラブ連合会、倉敷市老人クラブ連合会などのほか、共催に災害支援団体や地域の企業、後援として倉敷市なども関わっています。
福幸祭に参加した被災地支援の団体同士が、以下のように親しげに声を掛け合う場面も。
「おお!元気にしとった?この前はお世話になりました~!」
「うん、そっちは最近どうなん?」
災害後にうまれた、真備の地域の新たなつながりが垣間見えました。
令和2年1月26日開催「福幸祭in真備」のようす
場所は、吉備真備駅前ロータリーです。
駐車場は「ライフタウンまび」の西側駐車場と、真備支所の駐車場の2か所にありました。
吉備真備駅からでも徒歩約1分で、鉄道でもアクセスしやすい場所です。
雨が予想されていましたが、当日はきれいな青空に!
お天気に恵まれて、無事開催されました。
日中は、コートを羽織っているのが暑くなるくらいの気温です。
▼会場を歩いていると、真備町のご当地キャラクターの「マービーちゃん」が!
さすが、子供に大人気ですね!
飲食店・物販ブースのようす
岡山でお店を出す飲食店、災害支援をする団体、鉄道会社など合わせて10団体が参加。
▼こちらは「災害支援団Gorilla(ゴリラ)」さんによる、カフェです。
来たひとたちは最初に、「福幸餅」と「ポトフ」のふるまいチケットをもらいに、本部へ向かっていました。
福幸餅は、地域のみなさんによって餅つきをされたばかりのもの。
餅つきを生で見ていると新春らしかったです。
まずは力のある男性3人がしっかりとつきます。息がぴったり!
その後は、「ぼくもやりたい!」と子供たちが参加していました。
重たい杵(きね)をしっかり持って頑張っている姿が、かわいかったです。
福幸餅は、きなこ、あんこ、さとう醤油の3種類から選べました。
無料でいただけるなんてありがたいです。
ポトフは野菜がゴロゴロしていて、食べ応えがありました。
身体もポッカポカ。
他にもたこやき、わたがし、いか焼きといったお祭りの定番メニューから、オムレツホットサンドのようにオシャレなものまで、屋台が並んでいました。
あっという間にあちらこちらで行列ができるくらい、どの屋台も人気でしたよ。
ハンドメイドアクセサリーや、手編みのアクリルたわしなどの物販もありました。
▼長持ちする手編みのアクリルたわしが、なんと3つで100円!
会場内には、健康相談コーナーも。
その一角で、韓国料理店の舎廊房(サランバン)さんが、キムチを販売していました。
閉店しているのですが、今はキムチだけを作っていることをお話してくださいました。
趣のあるお庭がみられる内観や、料理の評判は、筆者でも知っているほどの舎廊房さん。
手作りキムチの味は、やっぱり美味しかったです!
また、お店に食べに行きたいと心待ちにしているのは、筆者だけではないはず。
井原鉄道のブースでは、井原鉄道で来たひとたちに、数量限定の記念缶バッジをプレゼントしていました。
▼この乗車証明書を駅でもらってくると、缶バッジと引き換えてもらえます。
大きな切符のように見えませんか?
これは、昔の「車内乗車券」を再現したものだと教えてくれました。
ICOCAのような交通系ICカードが普及する前に、よく使われていた切符だそうです。
鉄道マニアにはたまらないかも!
缶バッジには、井原線マスコットの「いっちゃん」と「はっちゃん」が描かれています。
手作り感があって、ほっこりしますね。
マグネットの販売や、しおり作り体験もあったので、井原鉄道以外の交通手段で祭りに来たひとも楽しんでいました。
▼しおりにデザインされていた「夢やすらぎ号」。
祭りの最中も何回か線路を通っていて、会場から見かけることができました!
パフォーマンスのようす
福幸祭で観られたパフォーマンスのようすを、それぞれ紹介します。
吉備真備太鼓による演奏
吉備真備太鼓による演奏で祭りがスタート!
太鼓の調べに誘われて、たくさんのひとたちが集まります。
平成30年7月豪雨のときは練習場が浸水し、太鼓や衣装が泥水に浸かってしまうという被害があったそうです。
みなさん太鼓が叩けるよろこびを、体全体で表現しているよう。
構える姿もかっこいい!
一つ一つの音に魂をこめて演奏しているような迫力で、目が離せませんでした。
とちもちさんによる大道芸
次は、とちもちさんによる大道芸です。
普段は倉敷市役所職員という一面を持つ、とちもちさん。
平成30年7月豪雨の被災者を元気にしたいと結成した演芸サークル、「天領座」の座長さんでもいらっしゃいます。
難易度の高いジャグリングが成功すると、大きな拍手が!
スリルのある大道芸と、軽妙なトークで盛り上がりました。
林幸生さんによるギター弾き語り
素敵な歌声を披露してくれたのは、兵庫県からのアーティスト、林幸生(はやし ゆきお)さんです。
ちあきなおみの「喝采」や、尾崎紀世彦の「また逢う日まで」といった懐かしい歌謡曲に、みなさん聴き入っていました。
最後は、「真備のみなさんの幸せが100年続きますように」という想いを込めて、一青窈の「ハナミズキ」を歌ってくれました。
「日本一の駄菓子売り場の社長さん」によるチンドン&紙芝居
チャカチャンチャン…という鐘の音に、高下駄とカラフルな着物。
チンドン屋のおじさんが現れました。
「駄菓子がとびだす紙芝居がはじまるよー!」というおじさんの後ろには、あっという間に大勢の子供たちが続きます。
少しあやしいこのおじさん、実は駄菓子屋さんの社長さんらしいですよ!
紙芝居が始まりました。
それまで元気に遊んでいた子も、お話に夢中になっています。
最後には、「笑顔の子にはプレゼント!」と駄菓子が配られ、子供たちの素直な笑顔が周りを明るくしていました。
芳友会による備中神楽
次は、芳友会による備中神楽です。
二つの演目を披露してくれました。
一つは真備の幸せを願って、「事代主命(ことしろぬし の みこと)の舞」。
もう一つは、「素戔嗚尊(すさのお の みこと)の大蛇(おろち)退治」です。
この演目の中で退治される八岐大蛇(やまたのおろち)は、水害を表しているのだそうです。
まさに水害に負けない真備にリンクするお話でした。
神楽は伝統文化で、ハードルが高いと思っていた筆者。
ステージもなく仕切りの幕一つだけでできることに、びっくりです。
客席との近さも格別でした。
大蛇退治の演目は迫力があり、本物かのような大蛇の動きをしていました。
大人はもちろん、子供たちもヒーローショーを見るかのように見入っていましたよ。
大蛇の首を討ち取った場面では、「わっ」と歓声と拍手が起こりました。
初めて神楽を観た筆者もおもわず鳥肌が!
真備少年少女合唱団による合唱
続いては、真備少年少女合唱団。
小学生から高校生までの、真備に住んでいる女の子5人で結成されています。
特に印象に残ったのは、「しあわせ運べるように」という歌。
この歌は、阪神・淡路大震災のときに、神戸で被災した音楽の先生がつくったものだそうです。
それ以降、復興の歌として各地で歌い継がれてきました。
水害のあった真備町。
歌詞に出てくる「ふるさと」という言葉に、聴いている人は真備の風景や人を思い浮かべているようでした。
歌詞をかみしめて、うなずく人も多かったです。
歌が終わると、あふれんばかりの大きな拍手が沸き起こっていました。
少人数だけれど、全員がまっすぐな歌声を届け、振り付けがあったり、体を左右に揺らしたりするリズミカルな歌は、元気いっぱいに!
パワーがもらえる合唱でした。
クイズ・体験型スタンプラリー
子供たちが飽きないよう、さまざまな工夫がされている福幸祭。
▼ふわふわ遊具に、たくさんの子供たちが並んでいました。
真備クイズと、スタンプラリーの企画もあり、会場にある4つの体験ブースを全てまわると完成する仕組みです。
▼真備クイズは、もちろんスラスラと解けましたよ!
▼このように、まわったブースごとにスタンプを押してもらいます。
午前11時ごろには、体験ブースに親子連れの大行列ができていました。
工作コーナーは1番人気!
スタッフのかたが、ゴム鉄砲・コマ・折り紙を教えていました。
10分ほどで完成です。
輪投げは、一人3回まで投げられます。
意外に難しいと盛り上がっていました。
グラウンドゴルフという面白い体験も。
子供たちには、老人クラブのおじいさんがマンツーマンで指導していました。
お手玉などの昔遊びを通じて、地域のかたと子供たちがあっという間に仲良くなっているところが、微笑ましかったです。
4つの体験ブースのスタンプを用紙に押し、本部に持っていくと、プレゼントがもらえました!
お菓子の詰め合わせと、こすると消えるスタンプです。
おわりに
グルメもパフォーマンスも充実していて、想像以上に楽しく、あっという間に時間が過ぎた福幸祭。
被災地支援団体や真備の住民のみなさんによって、地域の絆がグッと強まった真備町を、感じた一日でもありました。
真備町全体に大きな爪痕を残した、平成30年7月豪雨災害。
あれから一年半以上が経っても、多くのかたが仮設住宅を利用しています。
長年親しくしていたひとと離れ、不安な気持ちで暮らす状態がまだ続いているそうです。
そんなとき、地域のつながりや三世代のひとびととの交流は、孤立を防ぐ支えになるはず。
大変なときに団結し、支え合える真備のひとびとは魅力的だと思いました。
福幸祭in真備のデータ
名前 | 福幸祭in真備 |
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期日 | 令和2年1月26日 午前10時~午後2時 |
場所 | 岡山県倉敷市真備町箭田 |
参加費用(税込) | 無料(飲食代は別途必要) |
ホームページ | 岡山県老人クラブ連合会 晴ればれシニア岡山 |