手厚いサポートは障がい児だけのもの、つまりは「当事者」だけのものなのでしょうか。
いいや、障がい児を育てている保護者たちにも必要だ。
このような考えを持った人たちが、2012年12月にピアサポートの団体を立ち上げました。
それが認定NPO法人 ペアレント・サポートすてっぷです。
運営メンバーは障がい児・障がい者の親で構成されています。
倉敷市新田にて「保護者の居場所 うさぎカフェ」を開き、同じような境遇の仲間が集まり、運営メンバーも含め気軽に相談できる場所があるのです。
筆者自身も発達障がい児の親であり、雰囲気を体験してみたいと思い「うさぎカフェ」へ行ったことがあります。
そして、ペアレント・サポートすてっぷの想いや理念などに共感し、もっと知りたい!と思いました。
各種障がいの認知度が上がりつつある世の中で、ペアレント・サポートすてっぷはどのような役目を担っていくのでしょうか。
当事者、非当事者の枠組みではなく社会の一員として知ってほしいことを紹介します。
記載されている内容は、2023年7月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
目次
認定NPO法人 ペアレント・サポートすてっぷのデータ
名前 | 認定NPO法人 ペアレント・サポートすてっぷ |
---|---|
所在地 | 岡山県倉敷市新田2463-6 |
電話番号 | 086-431-1651 |
駐車場 | なし 駐車場については来所前に問い合わせてください |
営業時間 | 電話の受付時間:午前10時~午後6時 うさぎカフェ:午前10時~午後3時(火曜日・木曜日のみ) 個別相談:毎週火曜日・木曜日の午後(午後1時と午後2時から1時間) |
定休日 | 土、日、祝日 都合による休みもあり |
利用料(税込) | うさぎカフェ:飲食した代金 個別相談:無料 |
支払い方法 |
|
予約の可否 | うさぎカフェ:コロナ禍にて人数制限があるため、なるべく事前連絡を。 個別相談:要予約 |
トイレ | 洋式トイレ |
子育て | オムツ替えスペースあり |
バリアフリー | |
ホームページ | 認定NPO法人 ペアレント・サポートすてっぷ |
ペアレント・サポートすてっぷとは
ペアレント・サポートすてっぷ(以下:すてっぷ)は、障がい児の保護者をサポートする団体です。
中心の運営メンバーは障がい児・障がい者の親で、障がい児の保護者をもっとも理解できる構成となっています。
各メンバーが経験してきた事柄から「保護者の支援こそが重要だ」と考えた結果、団体名に「ペアレント(親)サポート(支援)」の言葉が入りました。
ただし、ペアレントサポートをするだけが目的ではありません。
障がい児の保護者へ「ピアサポート(相談支援事業)」などをおこなった結果、間接的に障がい児の健全な育成に貢献できることを目的としています。
障がい児の保護者が運や不運、住んでいる場所に左右されることなく支援者とつながる仕組みを作り、支えを感じながら安心し子育てができる社会の実現を目指しているのです。
すてっぷのおもな活動は、大きく分けて以下の3つあります。
- 保護者の居場所 うさぎカフェ
- 倉敷子育てハンドブック ひとりじゃないよ
- その他活動(講演会・茶話会・イベント・オンライン講座・支援者養成講座)
保護者の居場所 うさぎカフェ
保護者の居場所 うさぎカフェ(以下:うさぎカフェ)は、名前のとおり保護者同士の交流、癒しを目的とした“居場所”として2016年4月から運営されています。
うさぎカフェのスタッフへ気軽に相談をすることも可能です。
日々の生活のなかで「これは困った、よし、相談をするぞ」と力んでしまうと、なかなか場に出かけられないし、場に行ったとしても相談しにくいもの。
相談者のハードルを下げてくれるうさぎカフェのポイントは、ただの“相談所”とはせず、カフェとして飲食代を利用者が支払うことにより、スタッフとの立場が対等に近くなります。
これで気軽に相談しやすくなる。
筆者は「おいしい食事をしているときに話をすると、緊張もほぐれるよなあ」と、ふと思いました。
そんな効果もあるのかもしれません。
2021年4月下旬、実際に筆者・妻・子どもの3人でうさぎカフェを利用してみました。
スタッフのかた、理事長の安藤希代子(あんどう きよこ)さんから声をかけてもらい、「気にかけてもらえているんだな」と安心感が増したものです。
同じ日に利用していた人は、親子や1人、2人連れとさまざま。
子どもを連れていたこともあってか、お互い初対面であっても「何歳ですか?」「かわいいですね」など気軽に話もできます。
とてもあたたかい雰囲気を感じました。
なかには、「さっき少し話が聞こえたんだけど」と利用者同士で、先輩お母さんからの助言的会話もうまれるそうです。
項目 | 詳細 |
---|---|
場所 | 岡山県倉敷市新田2463-6 |
営業時間 | 午前10時~午後3時(火曜・木曜のみ) |
倉敷子育てハンドブック ひとりじゃないよ
「倉敷子育てハンドブック ひとりじゃないよ」には、2種類あります。
- 倉敷子育てハンドブック ひとりじゃないよシリーズ
- ひとりじゃないよ 倉敷発・居場所づくりから始まる障がい児の保護者支援
倉敷子育てハンドブック ひとりじゃないよシリーズ
2023年6月現在、シリーズが3冊発刊されている「倉敷子育てハンドブック ひとりじゃないよ」は、障がい児を育てている保護者たにちよって作られた本です。
子育てをしていくなかで、「こんな情報があったら良かったのに」や「こういうことがわからなかった…」と思ったことを盛り込んでいます。
Vol. | 内容 |
---|---|
1(改訂版) | ・未就学時期~小学校までの流れ ・さまざまな福祉サービスについて |
2 | ・中学校~高校までの流れ ・障がいの受容と告知について ・施設ランキング |
3 | ・成人期について ・施設ランキング |
内容を見てわかるとおり、子どもの成長の流れにあわせたものです。
今、自分が欲しい内容の本だけ購入してみたり、将来のことを見据えて先の話題を読んだりできます。
また、「倉敷子育て」と名前がついていますが、他の市区町村のかたが読んでも、参考になる内容。
岡山市在住の筆者も実際に読んでみたのですが、後半部分にあるコラムが印象深かったです。
同じ「障がい児を育てている保護者」だからこそ、共感する部分もあります。
なお「倉敷子育てハンドブック ひとりじゃないよシリーズ」は1冊500円(税込)で、以下の場所で購入可能です。
「愛文社書店」「宮脇書店総社店」では、ひとりじゃないよシリーズは税込550円
場所 | 住所 | 連絡先 |
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保護者の居場所 うさぎカフェ | 倉敷市新田2463-6 | 086-431-1651 |
福祉の店 あゆみ | 倉敷市水江1番地 (イオンモール倉敷2階) | 086-426-8668 |
愛文社書店 | 倉敷市阿知2丁目21-11 | 086-422-0126 |
くらしき健康福祉プラザ1階管理事務所 | 倉敷市笹沖180 | 086-434-9850 |
宮脇書店 総社店 | 総社市井手1049-1 | 0866-92-9229 |
また、オンラインショップ「handmadeウサギ」、公式ホームページの問い合わせフォームなどからも購入可能です。
ひとりじゃないよ 倉敷発・居場所づくりから始まる障がい児の保護者支援
もう1種類の「ひとりじゃないよ 倉敷発・居場所づくりから始まる障がい児の保護者支援」は、すてっぷ代表の安藤さんがつづった、保護者支援のリアルな日々(活動記録)が書かれている本。
すてっぷの設立について、居場所の作り方や保護者支援、平成30年7月豪雨発災後の復興支援についてなど、もりだくさんの内容です。
筆者は、冒頭の以下の文章を読んで共感しました。
「みんな、努力が足りないと思うんですよ!」
P16から引用
今思えばずいぶんと傲慢な物言いで、ちょっと笑えるくらいだ。しかし当時の私は「自分はがんばっている」という自負があり、それ故に自分から見て「がんばっていない」「不熱心な」人に対するいら立ちがあった。
恥ずかしながら、筆者もときどき同じようなことを思うことがあります。
しかし、安藤さんが感じたこの想いは一種の原動力となるので、すてっぷの現在までの運営にも何かしら役に立ったのでは…、と思ったものです。
「倉敷子育てハンドブック ひとりじゃないよシリーズ」と同じく、オンラインショップ「handmadeウサギ」、公式ホームページの問い合わせフォームなどからも購入可能です。価格は1,650円(税込)。
Amazonや書店でも購入できます。
その他活動(講演会・茶話会・イベント・オンライン講座・支援者養成講座)
すてっぷでは、その他の活動として「講演会」「茶話会」「イベント」もおこなっています。
講演会は、ニーズに応じての勉強会や研修会の企画やコーディネート、講師の派遣もおこなうそう。
大きなものでは、毎年3月に「障がい児保護者支援啓発フォーラム」もあります。
茶話会は、学校や幼稚園・保育園・こども園、公民館、福祉サービス事業所などへ行き、「家から遠いところまでは行きにくい」と感じる障がい児保護者の交流の場を提供しているのです。
イベントには、たとえば以下のようなものがあります。
イベント名 | 内容 |
---|---|
コンセプト・カフェ 支援との出会いの場 | 18歳以上の成人障がい者の親のためのカフェ |
ウサギ食堂 | 障がいのある子・発達に不安のある子の父親の場 |
難病の子の親のためのカフェ | 難病を持つ子の保護者のためのカフェ |
たとえば、ウサギ食堂は夜の時間帯でおこなわれており、しかもお父さんが対象です。
理事長の安藤さんもその場に参加していますが、その他のスタッフも男性ばかり。
するとどうでしょう、普段は口下手なお父さんたちでも、話が弾むそうです。
思わずスタッフからは「この光景は、すごく貴重ですねえ」との声があるとか。
筆者も一度は参加してみたいと思っています。
オンライン講座・支援者養成講座には、地域を良くする市民活動をおこなう人を応援するための居場所づくり・まちづくり・地域づくり講座「USAGI-LABO(うさぎラボ)」を開催中です。
2021年4月30日から2022年3月25日までの12か月間の連続講座。
途中から興味を持ったけど大丈夫かな…と思っても安心です。
前回分までの動画を視聴できる「追っかけ通期受講」や「中途からの通期受講」もあります。
詳しい情報は、すてっぷの該当ページを見てください。
障がい児保護者のリアルを伝える「handmadeウサギ」
さまざまな支援、企画などで障がい児保護者を支えている すてっぷ。
2021年4月には、障がい児保護者によるハンドメイド作品の販売をオンラインショップ「handmadeウサギ」で始めました。
当初はオンラインショップ・うさぎカフェでの展示販売が中心でしたが、「障がい児の親の活動発表の場」として活動が広がっています。
2023年5月14日に開催された「ハンドメイドマーケットat水島愛あいサロン」には300名ほどの来場者があり、赤ちゃんからおじいちゃんまで、障がいのある人もない人も、さまざまな人が集まったそうです。
理事長の安藤希代子さんは、以下のように語っていました。
「ハンドメイド作家の人たちの姿は、障がい児の保護者が自分の好きなことを手放さずに、自分を主役にして、自分の人生を生きてもらうためのモデルになり得ると思ったので、NPO法人の事業としました。
生き生きとものを売る作家さんたちの姿が、同じ立場のお母さんたちを力づけるといいなと思います」
福祉プラットフォーム「くらしき支援LABO」
「くらしき支援LABO」は、公益財団法人 トヨタ財団の助成を受けて、倉敷市の地域福祉を前にすすめるプラットフォームを作るために立ち上げた、所属や分野の垣根を越えたプロジェクトです。
すてっぷは事務局を務めています。
とくに力を入れているのは「成人障がい者の暮らし」。自宅と就労支援施設などの職場を往復するだけで、大人らしい楽しみがないまま日々を生活しているひとが多いそうです。
このため、ライブ・演劇など障がいのあるなし関係なく、ともに楽しむイベントなどを企画しながらを活動を継続しています。
2012年12月以来「障がい児の親」のサポートを続けて来たステップ。
仲間たちとペアレント・サポートすてっぷを設立した、理事長の安藤希代子さんに話を聞きました。
認定NPO法人 ペアレント・サポートすてっぷのデータ
名前 | 認定NPO法人 ペアレント・サポートすてっぷ |
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所在地 | 岡山県倉敷市新田2463-6 |
電話番号 | 086-431-1651 |
駐車場 | なし 駐車場については来所前に問い合わせてください |
営業時間 | 電話の受付時間:午前10時~午後6時 うさぎカフェ:午前10時~午後3時(火曜日・木曜日のみ) 個別相談:毎週火曜日・木曜日の午後(午後1時と午後2時から1時間) |
定休日 | 土、日、祝日 都合による休みもあり |
利用料(税込) | うさぎカフェ:飲食した代金 個別相談:無料 |
支払い方法 |
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予約の可否 | うさぎカフェ:コロナ禍にて人数制限があるため、なるべく事前連絡を。 個別相談:要予約 |
トイレ | 洋式トイレ |
子育て | オムツ替えスペースあり |
バリアフリー | |
ホームページ | 認定NPO法人 ペアレント・サポートすてっぷ |