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認定NPO法人 ペアレント・サポートすてっぷ ~ 障がい児の親のことを伝えるのは私たちの役割。障がい児・障がい者の親で構成された団体

認定NPO法人 ペアレント・サポートすてっぷ ~ 障がい児の親のことを伝えるのは私たちの役割。障がい児・障がい者の親で構成された団体

知っとこ / 2023.07.21

理事長の安藤希代子さんへインタビュー

すてっぷ:安藤希代子さん
理事長の安藤希代子さん

ペアレント・サポートすてっぷを設立した、理事長の安藤希代子あんどう きよこ)さんにインタビューしました。

インタビューは2021年5月の初回取材時におこなった内容を掲載しています。

発足のキッカケ

すてっぷ発足のキッカケを教えてください

安藤(敬称略)

障がいのある子の「親の会」の役員をやっていた者同士、3人で始めました。

この「親の会」は規模が大きすぎて、一人ひとりの親の声を聞くことができない状態になっていたんです。

規模が大きいと行政に何かと伝えることはできますが、個々に困っていることに耳を傾けることができません。

「親の会」ではできなかった、一人ひとりの声を聞く活動を始めようと思ったのがキッカケです。

基本的には、自分たちが子育てをしていたときに「あったら良かった」というものを、これからの若い子育て世代に伝えるスタンスです。

障がい児の親って?

障がい者の親たちには、どんな人がいる?

安藤

「うさぎカフェに来る親」と「私たちが出張した先で出会う親」では、それぞれタイプが違います。

わざわざ「うさぎカフェに来る親」は、思いつめやすく真面目な人が多いです。

子どものことについての相談先が見つからず困り果て、すっごいドキドキしながらも、藁にもすがる思いで来られます。

でも逆に言えば、うさぎカフェまで来られるだけのエネルギーを持っているとも言えます。

自分から動ける人たちは、そんなに心配がありません。苦しい時期があっても適切なサポートさえあれば、自分の力で乗り越えていかれます。

いっぽうで「私たちが出張した先で出会う親」は、困っているんだけど、うさぎカフェまで来るエネルギーがありません。

この人たちのほうが、困り度が高めです。

問題がこじれやすかったり、場合によっては人の助言を受け入れにくかったりすることもあります。

だから、私たちはうさぎカフェで待っているだけではダメだと思っているんです。

いろいろなところに出かけて行ったり、いろいろな切り口を持っていたりと、困っている人たちとの接点を持てるようにしなくてはいけない。

うさぎカフェに来る人たちだけを「障がい児の親」だと認識してはダメだと思っています。

うさぎカフェでの相談

すてっぷ:うさぎカフェ

相談を受けたとき、つられて気持ちが落ち込むことはある?

安藤

私は、落ち込むことはありません。
でもなかには落ち込む人もいます。

相談を受ける人は、向き不向きもあるかもしれません…。

お子さんがまだ小さいうちは、私たちと同じような取り組みをして他の親の相談に乗ることはおすすめしません。

自分の子どもが相当大きくなってからじゃないと、やれないと思っています。

なぜなら、自分がいっぱいいっぱいのときに人の相談を受けるのは負担が大きいし、まだ自分自身でもわからない部分が多すぎるはずだと思うからです。

いろいろなことを消化したうえで、「やるならやってください」と声をかけています。

でも、私たちみたいな取り組みをやってほしいというよりは、障がい児のお母さんお父さんたちには、障がい児の親としての個人的な背景を持ちながら社会のいろいろな場所で、いろいろな立場で仕事をしていてほしいです。

そのほうが、障がい者の人たちが社会に出たときに、いろいろなところに理解者がいることになる。

町のパン屋さんが障がい児の親でした。
勤めている会社の部長が障がい児の親でした。

っていうほうが、良いと思っています。

うさぎカフェに、男性(お父さん)も相談に来ることはある?

安藤

全体の2~3%くらいかなぁ、と思います。

奥さんと一緒にくるとか、連れてこられた体(てい)が多いです。

お父さんが一人で相談にくるパターンだと、1%かな。

一人ではなかなか来ませんね。うさぎカフェのなかは女性ばかりなので、来にくいってのもあるかと思います。

だからこそ、お父さんのための「ウサギ食堂」があるんです。
スタッフも男性で固めました。

そのおかげか、うさぎカフェではあまりしゃべらない印象のお父さんたちですが、ウサギ食堂のときはめちゃくちゃしゃべるんです

きっと奥さんと一緒にいるときじゃ、しゃべりにくいんでしょうね(笑)

「handmadeウサギ」ができた経緯

すてっぷ:安藤希代子さん

「handmadeウサギ」は、どのような経緯でできたのか?

安藤

うさぎカフェを利用するお母さんたちのなかに、とても器用な人が多くいたんです。

この人たちを集めて、「うさぎカフェでマーケットを開催してみるのがいいかも」と思いつきました。

お母さんたちは、うさぎカフェには相談にくる体(てい)なので、みんな若干申し訳なさそうにしていたり遠慮していたりするんです。

飲食の代金を払ってもらうことで、私たちとなるべくフラットな関係に近づけるといっても、やっぱりフラットじゃない部分もあります。

相談に来るときの彼女たちではなく、自分の好きなことや好きなものを他の人にアピールする姿、つまりはいつもと違う姿を見たいなぁという意味もあって、まずはリアルでマーケットを開催しました。

そうしたら想像以上に本当に彼女らの顔が良くて、生き生きとしていて。

コロナ禍ではあったけど、たくさんの人が来てくれて、やりとりのようすもすごく良かったんです。

うさぎカフェはクローズドな場所ですが、マーケットを開いたときはオープンにしました。

以前から、うさぎカフェを「どうやってオープンにするか」と考えていましたが、キッカケがなかなかなかったんです。

写真提供:すてっぷ
写真提供:すてっぷ

場を守ることも大事だけど、オープンにすることも大事

両方必要かなと思っています。

お母さんたちを傷つけたり、見世物にしたりすることは絶対にできないけど、お母さんたちを守りながらでもオープンにする方法があるんじゃないかと思っていたんです。

オープンにすることによって、近所のかたたちにも「ここはこんなことをやっている人たちがいるんだな」と知ることができます。

同時に、障がい児の保護者のサポートがいかに大事かも、社会に伝えていかなければなりません。

伝える方法として文章や写真だけではなく、リアルな場で伝える機会があればいいなと思っていたんです。

この経験があったので、オンラインショップをひらくことにもなりました。

オンラインショップでは、外の人から見たわかりやすい接点でもあります。

作品ページに、作家さんのSTORYをつけることによって、障がい児の親の子育てがどんなものかを知ってもらうことに、重きを置きました

障がい児のことは、他の人・団体が伝えてくれますが、障がい児の親のことを伝えるのは、私たちの役割です。

ひとりで抱え込まないで

最後にメッセージを

安藤

一番大事なことは「ひとりで抱え込まない」こと。
これに尽きます。

自分のなかだけで考えると、ぐるぐるして何も解決しません。

今はネット社会なので、インターネットのなかで質問してつながりを作るケースがけっこうあると思います。

でもそれは、自分の子どものまわり、自分自身のまわりにいる人ではありません。

また自分のほしい情報に特化されてしまいます。

この先、難しい子育てをしていくなかで、リアルな助けがどうしても必要になってくると思います。

私もインターネットが好きなので否定するわけじゃないですけど、インターネットだけで相談していると、結果的に「ひとりでの抱え込み」になります。

実際に助けてくれる人、相談に乗ってくれる人とつながっていることが大切です。

自分の子どものまわり、自分自身のまわりにいる人であれば、客観視をしてくれます。

すると、自分でも「客観的」な目で見られるようになり、子育てがいい方向へいくと思うんです。

なるべく子育ての初期から、いろいろな人に関わってもらうことも大切。

うさぎカフェに来ても、「ああしろ、こうしろ」と指示をするわけではありません。

どうしてよいかわからなくなったときに、私たちと対話することで、結果的に自分のなかに落とし込んで折り合いをつける場なんです。

話すことによって「自分が心に引っかかっていたのは、こんなことだったんだ」「自分のことばかり考えていた…」など、気づけます。

うさぎカフェだけではなく、誰かしら相談する相手が持てるといいなと思います。

おわりに

「困っている人を助けたい」というシンプルですがとても強い想いが、ペアレント・サポートすてっぷを作り上げました。

2012年12月に発足してから以降、揺るぎがないように感じます。

常に障がい児の親のサポートを考えており、親たちの居場所、つまりは親たちを守る場を提供しているのです。

現状、幼児期の障がいのある子たちの親に軸足を置いていますが、だんだんとサポートの枠を広げているところとのこと。

すてっぷは、ニーズにあわせて細かい企画を作り、変化もしています。

この変化こそ、より良い集団を作っていくのだろうなと感じました。

認定NPO法人 ペアレント・サポートすてっぷのデータ

すてっぷ:外観
名前認定NPO法人 ペアレント・サポートすてっぷ
所在地岡山県倉敷市新田2463-6
電話番号086-431-1651
駐車場なし
駐車場については来所前に問い合わせてください
営業時間電話の受付時間:午前10時~午後6時
うさぎカフェ:午前10時~午後3時(火曜日・木曜日のみ)
個別相談:毎週火曜日・木曜日の午後(午後1時と午後2時から1時間)
定休日土、日、祝日
都合による休みもあり
利用料(税込)うさぎカフェ:飲食した代金
個別相談:無料
支払い方法
  • 現金
予約の可否
うさぎカフェ:コロナ禍にて人数制限があるため、なるべく事前連絡を。
個別相談:要予約
トイレ
子育てオムツ替えスペースあり
バリアフリー
ホームページ認定NPO法人 ペアレント・サポートすてっぷ
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パパンダ(岡本康史)

パパンダ(岡本康史)

岡山市在住で、3人兄妹を育てているパパWebライター兼編集者です。倉敷とことこの編集長をやっています。倉敷美観地区を中心とした情報を、パパ目線・主夫目線・福祉目線などなど、いろいろな角度から紹介します!

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