floatのスタッフさんにインタビュー
デニム兄弟の兄・山脇耀平さんと、弟・島田舜介さん、地域おこし協力隊でfloatスタッフの池上慶行さんに話を聞きました。
インタビューは2019年10月の初回取材時におこなった内容を掲載しています。
なぜこの場所に拠点を作ったのでしょうか?
島田(敬称略)
2017年から47都道府県をめぐって、産地のなかでものを作ったり商売していたりする人たちと出会ってきました。
本当は産地のなかより、外で売ったほうが目立てるんですよね。
地元のかたがたには馴染みがありすぎて「児島のジーンズだよね、知ってるよ」って見られちゃうので、興味関心が逆に薄いこともあるんです。
でも僕らが旅先で出会った人たちは、自分たちがどういう思いでやっていて、どういうところが他と違うのかを発信しながら、地元の人たちが集まってくる場を作っていて。
それがすごくかっこよく見えたんです。
僕たちも「作っている人の思いを届けたい」と思っているので、産地のなかに場所を構えたいという思いが芽生えてきて。
それで、児島に拠点を持つことを決めました。
池上(敬称略)
僕は、児島のなかに若い人が集まれる場所があまりなかったので、地域おこし協力隊として活動するなかで、そういう場所を作りたいと思っていました。
島田
児島のなかでもこの場所に決めたのは、この景色です。
全国を旅してきたなかでも、とてもいいなと。
とても穏やかで、瀬戸大橋の全貌が見えて、島が浮かんでいて、人の暮らしも見えて。
せっかくなら、わざわざ来てもらえる場所にしたいと思いました。
僕は大学から岡山に来たんですが、同世代の人に「岡山には何もないよ」って言われていました。
でも、いいところがいっぱいあるなと思って。
そのひとつとして、こんないい景色があると、岡山の人に岡山の魅力を知ってもらえたらうれしいなと思います。
なぜ、カフェ・ホステル・デニムショップをオープンさせたのでしょうか?
山脇(敬称略)
飲食でも宿泊でもデニムの販売も、思いは共通しているんです。
floatでは、携わっている人や生産背景、そのもの自体をちゃんと知ったものを提供しています。
思いがあって生まれた製品を、ゆっくり時間をかけて味わう――飲食や宿泊を通じてその体験を楽しいと感じていただければと。
また、旅でいろいろな人たちに迎え入れてもらって、味わわせてもらいました。
その体験を持ってもらいたいというのもあります。
カフェメニューについて教えてください。岩城島レモネードはどんなものですか?
島田
瀬戸内海に浮かぶ愛媛県の岩城島は、「青いレモンの島」と呼ばれていて、レモン農家さんがたくさんいらっしゃいます。
ただ、消費者に届くまで間に多くの人が入っていて、農家さんのこと・レモンのことが消費者に直接伝わりません。
「国産レモン」としてまとめられてしまうことも多いんです。
そこに問題意識を持ちながら、レモンの仕入れ・販売をしている岡さんというかたに出会いました。
僕たちも「作っている人の思いを直接伝えたい」という気持ちが強いので、スタンスが似ているなと。
岡さんから買うからこその特徴はありますか?
島田
レモン自体もいいですが、岡さんが、レモンのことをめちゃくちゃ教えてくれるのが大きいですね。
今出しているレモレードで使っているのは、昨年の冬の完熟期を超えたレモンです。
まだ出していないんですが、今年(2019年)の早摘みのグリーンレモンも購入しています。
ふだんなんとなく、同じお店のレモネードは同じレモンを使っているようなイメージがありませんか?
お店を始めて、年中同じものは出せないんだなと感じました。
収穫期を考え、季節ごとに違うレモンを使って、そのときどきに適したレモネードを提供したいなと思っています。
たとえばワインでは、僕らがワインのつくり手さん一人ひとりに会いに行くのは、いきなりできることではありません。
信頼できるかた、思いを届けようとされているかたから買わせてもらう、というスタンスを取っています。
アメニティも、こだわりのものがそろっていますよね。
島田
一つひとつ、製造現場を見に行って、「この人たちのものを届けたい」と思ったものを使っています。
たとえばタオルは今治(いまばり)で作られているんですけど、「今治タオルですよ」という言いかたはしたくなくて。
産地で良いイメージはあるなかでも、「IKEUCHI ORGANICさんのタオルで、こういう作られかたをしている」というところまで、僕らがしっかり知っていて納得いっているものを出したいなと思っています。
山脇さんは普段東京にいらっしゃいますが、倉敷に戻ってきたときに感じることはありますか
山脇
落ち着きが半端じゃないですよ!本当に、海の落ち着きがすごくいいですね。毎回思います。
floatで過ごす時間をゆったりと想像の時間にしてもらえたらうれしいなと思っているんですが、僕自身が体験していますね。
ふだん情報量が多いなかで生活していて、ここにくると落ち着いてものごとを考えられます。
都市部から来たお客様にも、同じように感じてもらえるんじゃないでしょうか。
DENIM HOSTEL floatで、良いものに触れよう
floatの心地よさは、携わっているかたがたの、人とものへの真摯(しんし)な姿勢からきているのだなあと感じました。
アクセスが良い場所ではありませんが、彼らに共鳴した人たちが、全国から次々とfloatを訪れています。
かかわる人や自然環境を考えながら、信念を持ってものを作ったり届けたりしている人たちは、かっこいい。
そして、心から「いいね」と思えるものを使うのは、とても気持ちいい。そう思います。
著者はfloatやその近所を何度も訪れていますが、美しい景色は見飽きることがありません。
穏やかな海を眺めて良いものに触れながら、floatでゆっくり考える時間を過ごしませんか。
DENIM HOSTEL floatのデータ
名前 | DENIM HOSTEL float |
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住所 | 岡山県倉敷市児島唐琴町1421-26 |
電話番号 | 086-477-7620 |
駐車場 | あり 坂の下に40台ほど停められる無料市営駐車場あり |
営業時間 | レストラン:午前11時30分〜午後9時(ラストオーダー午後8時30分) ホステル: チェックイン 午後4時~午後9時 チェックアウト 午前10時 |
定休日 | なし レストランの定休日は水曜・木曜 |
支払い方法 |
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予約の可否 | 可 |
座席 | テーブル席:12 |
タバコ | 完全禁煙 |
トイレ | 洋式トイレ |
子育て | 授乳室はないが、空いているスペースが使える。スタッフに声かけが必要 |
バリアフリー | |
ホームページ | DENIM HOSTEL float Instgaram |