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山名書店 〜 老舗の町の書店が生き残るため連携し企画と提案を

山名書店 〜 老舗の町の書店が生き残るため連携し企画と提案を

知っとこ / 2020.07.01

小学校・中学校・高校……、学校で勉強するときに絶対に必要なものが教科書ですよね。
また学校には図書室もあります。

学校の教科書や図書室の本は、地元の小さな書店が支えているって知っていますか?

山名書店は、明治時代初期から連島(つらじま)地区を中心に学校を支え続けてきた老舗です。

現代でも倉敷市内の数校をサポートしています。

しかし、現代はインターネットの普及や電子書籍化などの影響で、出版業界は冬の時代といえるかもしれません。

この厳しい時代に山名書店は積極的に新しい活動をして、「町の小さな書店」が生き残る道を模索しているのです。

140年以上にわたり地元を支えてきた老舗・山名書店について紹介します。

道順を確認

山名書店は明治7年に連島で創業

山名書店:外観

山名書店は、倉敷市南部の水島エリアにあります。

所在地は水島エリア西部、連島西之浦(にしのうら)という地区です。

西之浦は江戸時代に港町として栄えた町で、今も港町時代の遺構や古い建物、神社仏閣などがあります。

さらに一帯は「都羅の小径(つらのこみち)」という歴史散策エリアです。

そんな歴史ある西之浦の一角に山名書店はあります。

山名書店の創業は、なんと明治7年(1874年)。
商売をしていたのが明確にわかる時期が明治7年とのことで、実際はそれより古い可能性があるそうです。

創業初期は本だけでなく文房具など、さまざまなものを扱っていました。

山名書店:外観

また山名書店の店舗は、とても歴史がある建物です。

現在の建物は、大正7年(1918年)に建築された二代目の店舗。

周囲は西之浦の中枢だったところなので、山名書店のほかにも趣のある建物をした店などが多くあり、印象的でした。

山名書店では、公式インスタグラムを開設し、情報を発信しています。
ぜひ、のぞいてみてください。

学校への本のサポートにくわえ、近隣住民向けの書店としても営業

山名書店:店内

山名書店は現在、西之浦にある本店1店のみで営業しています。

おもな事業は、連島地区を中心とした市内の市立小中学校・県立高等学校へ教科書類・図書室向けの本などを納品する事業です。

地域に密着し、学校を陰から支えるパートナーとして活躍してます。

いっぽう、昔からの書店営業も継続。

山名書店では、地元の住民に向けた「昔ながらの小さな町の書店」として、西之浦の子供から年配者にまで愛されています。

特に子供に本を手に取ってほしいという思いから、絵本をはじめとした児童書に力を入れているのが特徴です。

そのほか、各種書籍の予約や取り寄せにも対応しています。

本棚はムクと日本の伝統色にこだわる

地元向けに書店営業している山名書店ですが、店内にはこだわりがあります。

まず、本棚の木材はムクを使用。

山名書店:本棚

さらに、使っている色は日本の伝統色が中心です。

山名書店:本棚

おもに使われている色は、鴇色(ときいろ)・萌葱色(もえぎいろ)・木肌色(こはだいろ)など。

自然を連想させるような落ち着いた雰囲気の色を大事にしています。

市内の書店有志で「倉敷市書店事業協同組合」を起ち上げ

山名書店をふくむ、倉敷市内の老舗書店の有志は「倉敷市書店事業協同組合」を起ち上げました。

同じ倉敷市で長年学校をサポートしてきた書店が協力し、「今後も子供たちに良い本を届け続ける」という使命のもと、さまざまな企画をおこなったり連携をしたりしています。

倉敷市書店事業協同組合で「倉敷ブックマルシェ」を開催

山名書店:外観

倉敷市書店事業協同組合の代表的な活動が「倉敷ブックマルシェ」です。

倉敷ブックマルシェは2011年(平成23年)に第1回が開催され、毎年一度開催されています(2020年(令和2年)は中止)。

出版社と学校の図書室の先生とのコミュニケーションをはかる場として開催されていて、会場では優良図書を展示しています。

倉敷ブックマルシェは、教育行政と書店、学校の教員と出版社の連携がはかれるとして、全国的にも注目されているんです。

「小学校1年生読書推進事業」のきっかけに

山名書店:本棚

倉敷ブックマルシェを開催したことによって生まれたものもあります。

それは倉敷市が2017年(平成29年)からおこなった「小学校1年生読書推進事業」です。

これは、小学校の図書室に1年生専用のスペースを設け、市がセレクトしたおすすめの本を購入して陳列するもの。

倉敷ブックマルシェを通じて広がった、書店と行政の連携の成果ではないでしょうか。

御朱印の書店版「御書印」

御書印(ごしょいん)」というものを知っていますか?

神社や仏閣に参拝すると、その証としていただける「御朱印」は知っているかと思います。

御朱印の書店版が御書印です。

御書印は、小学館パブリッシング・サービス社が、インターネット通販による書籍の購入や電子書籍の普及などを理由に、書店に行く機会が減少したことをきっかけに始まりました。

書店を巡るきっかけをつくることが目的で、2020年3月から始まったものです。

▼以下が、山名書店でもらえる御書印。

山名書店:御書印

山名書店の御書印は、「読書一生、出会いはすべての始まり」という一文とともに、近くの厄神社(やくじんじゃ)秋祭り「厄神社秋季例大祭 千歳楽(4町内のひとつ四丁内がモチーフ)」のようすが描かれています。

2020年6月現在、岡山県内では山名書店をふくめて倉敷市2書店、津山市1書店が御書印プロジェクトに参画しています。

各書店ごとに特色ある御書印ですので、御書印をもらいに書店へ行ってみてはどうでしょうか。

御書印についての詳細は、御書印プロジェクトの公式サイトを見てください。

歴史ある書店で、長年にわたり地域の学校を支えてきた山名書店。

そんな山名書店の専務取締役・山名 史晃(やまな ふみあき)さんにインタビューをしました。

インタビューを読む

有限会社 山名書店のデータ

山名書店:外観
会社名有限会社 山名書店
業種小売業(書店)
代表取締役山名 康弘
設立年設立:昭和28年(1953年)、創業:明治7年(1874年)
住所岡山県倉敷市連島町西之浦33
電話番号086-445-1111
営業時間午前9時〜午後7時
休業日日、不定休
ホームページ外商特化型書店 山名書店
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アサノ ・ヨウスケ

アサノ ・ヨウスケ

地域の文化・地理・歴史・食べ物などに精通するフォトライター・コンテンツ制作者。カメラ片手に街を散策。倉敷観光に深みとコクをあたえます!岡山県から広島県東部までの"吉備エリア"の情報サイト『きびナビ』を運営。

山名書店:外観

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