倉敷とことこ 「倉敷の今」を伝えるWEBメディア
住吉町の家 分福 〜 大正15年建築の古民家 旧浅野邸を使った高梁川流域のテレワーク拠点

住吉町の家 分福 〜 大正15年建築の古民家 旧浅野邸を使った高梁川流域のテレワーク拠点

観とこ / 2019.06.08

高梁川プレゼンターレ 坂ノ上 博史さんへインタビュー

住吉町の家 分福 高梁川流域プレゼンターレ 代表 坂ノ上博史さん

住吉町の家 分福を運営する一般社団法人 高梁川プレゼンターレ代表の坂ノ上 博史(さかのうえ ひろし)さんに、住吉町の家 分福を設立した経緯や平成30年7月豪雨の影響などのお聞きしました。

住吉町の家 分福は総務省のテレワーク推進事業に提案して設立された

住吉町の家 分福 高梁川流域プレゼンターレ 代表 坂ノ上博史さん

住吉町の家 分福を設立した経緯について教えてください。

坂ノ上
平成28年(2016年)から、倉敷市の事業の一環として高梁川流域の自治体を対象としたテレワークの勉強会が始まりました。

何度か勉強会を開催したころ、テレワークを推進していた総務省が、テレワーク拠点の募集をしていたことを知ったんです。

それは、都市部の仕事を地方でおこなったり、地方に観光に来ている都市部の人が空き時間に作業をしたりするための場所をつくるためのものでした。

そこで、私が代表を務める一般社団法人 高梁川プレゼンターレと倉敷市・倉敷芸術科学大学・一般社団法人 日本テレワーク協会の4者が手を組み、倉敷らしい古民家を使ったテレワーク拠点を総務省に提案したのです。

その結果、私たちの提案が採択され、テレワーク拠点の設立が動き出しました。

住吉町の家 分福の外観

ちょうどそのころ、倉敷で町家を管理している人から、現在の分福の建物である旧 浅野邸を紹介されました。

浅野邸は、紹介される2〜3年前まで女性が独り暮らしをしていたので、状態が良好だったんです。

住んでいた女性が亡くなり、ご家族は別の場所に住んでおられたので空き家になっていました。

立地や建物の状態から、浅野邸をテレワーク拠点にしていくことが決まったんです。
そして、平成30年(2018年)3月に「住吉町の家 分福」としてオープンしました。

ちなみに、総務省の採択を受けて設立されたコワーキングスペースは、中国地方で最初だったんですよ。

一番たいへんだったのは空き家の清掃でした

住吉町の家 分福 高梁川流域プレゼンターレ 代表 坂ノ上博史さん

分福を運営してきてたいへんだったことや、苦労したことはありますか?

坂ノ上
やはり一番印象に残っているのは、分福の設立前にやった古民家の清掃作業です。

清掃はすべて自分たちでやったんですよ。

住んでいた女性の死後、必要なものは引き取られていましたが、それ以外の不用品はすべて置かれたままでした。

家財道具やゴミなどもすべて私たちが片付けたのですが、数が多くて苦労したのをよく覚えています。

また、数年間空き家状態だったので、ホコリがすごかったです。
作業中、咳が止まらなくなるほどでしたよ。

分福の利用者や利用方法はいろいろ

普段はどのようなかたが分福を利用されますか?

坂ノ上
現在、倉敷界隈のテレワークで働くかたが作業場所として利用されています。

ほかにも、フリーランスで働いている人も作業のために利用することが多いですね。

営業マンが外回り中の空き時間を利用するために、分福で仕事をすることもありますよ。

それ以外では、貸会議室としての利用も多いです。

また、分福が主催するセミナーも開催していますよ。
セミナーについては、分福のFacebookページで紹介しています。

オープンして数ヶ月で平成30年7月豪雨が発生

住吉町の家 分福 高梁川流域プレゼンターレ 代表 坂ノ上博史さん

ほかに苦労したことはありましたか?

坂ノ上
平成30年(2018年)3月のオープンからわずか4ヶ月ほどで、「平成30年7月豪雨」が発生しました。

幸い、分福の建物やスタッフは無事でした。
しかし建物が古いため、雨もりがひどかったんですよ。

また、災害のあとは真備町など被災地のボランティア・工事業者の拠点・会議場所として、分福を利用するかたが増えました。

ボランティアや工事業者は遠方から来た人が多く、倉敷中心部界隈のホテルに泊まっていました。
そのため、分福が拠点や会議場所として役立ったんです

被災地の復興に関する分福の利用は、無償で提供させていただきました。

分福は場所の提供だけでなくコミュニケーションや新たな取り組みが生まれる施設を目指す

住吉町の家 分福 高梁川流域プレゼンターレ 代表 坂ノ上博史さん

今後の展望ややってみたいことなどはありますか?

坂ノ上
分福を運営する前、私たちは「持たない経営」のスタイルで仕事をしてきました。

しかし、分福というテレワーク拠点施設を持ち、「持つ経営」に変わっています。
持つことによって自由度が増すことができるのではないかと思うんです。

分福という施設を活用して、利用者のやりたいことを実現するお手伝いをすることで、利用者の自由度が広がっていくと考えています。

また、分福を利用する人たち同士で、いろいろな話をして盛り上がったりして、新たな取り組みが生まれる環境ができればいいなと思います。

作業自体は、自宅やカフェなどでもできるわけです。

あえて分福という場所に来て作業をするということは、作業だけでなく、利用者同士のつながりなどが生まれる環境を求めて、分福へ来ているのではないかと思います。

分福は、単に場所を提供するだけにとどまりません。

利用者が成長し、利用者同士のコミュニケーションが生まれ、そしてそこから新しい取り組みや発想が生まれるような施設を目指していきたいです。

おわりに

住吉町の家 分福 スタッフのみなさま

現在、国をあげてテレワークが推進されています。
総務省は、7月14日の前後2週間は「テレワークデイズ」と定めました。

そこで、分福では7月17〜31日のあいだを分福のテレワークデイズにしています。

分福のテレワークデイズのあいだは、お試しコワーキングスペースとして、初回利用者は無料で利用可能です。

  • フリーランスで仕事をしている
  • テレワークで仕事をしている
  • 集中できる勉強場所が欲しい
  • 外出の合間を利用して作業や打ち合わせがしたい
  • セミナーを開催してみたい

そんな場合は、ぜひ住吉町の家 分福を利用してみてはいかがでしょうか。

新たな可能性が見つかるかもしれません。

住吉町の家 分福のデータ

住吉町の家 分福 外観
名前住吉町の家 分福
所在地倉敷市中央2丁目13-3
電話番号086-527-6248
駐車場なし
営業時間午前10時〜午後5時
定休日日、祝日
休業日でも、予約やイベント開催がある場合は開業
利用料(税込)一時利用:午前/午後で1回500円
終日利用:1日1,000円
支払い方法
  • 現金
  • クレジットカード
  • Suicaなど交通系ICカード・iD・QUICPay
予約の可否
オンライン予約可能(予約受付フォーム)
予約は利用日の前日までにおこなう
原則として1ヶ月前から予約可能(イベント等での利用の場合は1ヶ月以前でも相談可能)
Wi-Fiあり
追加料金なしで利用可能
電源あり
追加料金なしで利用可能
利用可能備品Web会議システム
プロジェクター
100インチ スクリーン
65型4K液晶モニター
レンタルPC
コピー機
タバコ
トイレ
子育てイベント時などに託児サービスの相談可能(有料。余裕を持って相談のこと)
バリアフリー建物内に階段や段差あり
ホームページ分福 | 倉敷の新しいサテライトオフィス&コワーキングスペース
Ads by Google
アサノ

アサノ

フリーランスとして活動するプロの取材・インタビューライター、フォトライター。地域の文化・地理・歴史・食べ物などに精通。企業の社員インタビューや事例紹介、採用コンテンツも。

カメラ片手に街を散策。倉敷観光に深みとコクをあたえます!

はれとこからのお知らせ

一般社団法人はれとこは「とことこシリーズ」を中心に、地域の情報発信を担う「市民ライター」育成などの活動をおこなっています。

  • 倉敷市民レポーター教室
  • 高梁川流域ライター塾
  • FMくらしき「倉敷とことこ」
  • 寄付募集
住吉町の家 分福 外観

この記事が気に入ったら

最新情報をお届けします。

  • ホーム
  • 観とこ
  • 住吉町の家 分福 〜 大正15年建築の古民家 旧浅野邸を使った高梁川流域のテレワーク拠点