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業務執行役員の後藤 大夢さんへインタビュー
さまざまな形で総社市のまちづくりに尽力する、合同会社 縁社屋(えんじゃや)。
業務執行役員の後藤大夢(ごとう ひろむ)さんへインタビューをしました。
「小さな縁で、大きなまちづくり」を合言葉に起業
縁社屋を起業した経緯を知りたい。
後藤(敬称略)
縁社屋の設立は、2020年です。
地方創生の仕事をしている私や、観光にかかわる仕事をしている「心温」の佐野、空き家事業をやっていた安達、農泊事業をやっている前田の4人で起ち上げました。
基本的にみんな兼業です。
縁社屋は、遊休不動産の活用やイベント企画など、ハード面・ソフト面の両面でまちづくりにかかわる事業をしています。
活動コンセプトは「小さな縁で、大きなまちづくり」。
「こんな場所があるけど、なにかできないか」「こんなことをやりたい」といったような地域の小さな部分から、あまりお金をかけずに始め、それをたくさん増やすことで大きなまちづくりをしていこうと考えています。
設立時、総社駅前のビルの2階部分がずっと空き物件になっていました。
総社の駅前は昔に比べると店も減り、活気がなくなっています。
ですから、この駅前の2階部分を活用し、総社駅前に活気を取り戻すきっかけにしようというのを最初のテーマにしました。
人が集まり、対流していくという人の流れを生みだすことが目的です。
こうして生まれたのが、鉄道ギャラリーの総社クロスポイントでした。
総社駅前の活性化と鉄道写真家との縁がクロスポイントの生まれたきっかけ
なぜ駅前にクロスポイントができたのか?
後藤
岡山市出身で、著名な鉄道写真家の藤山侃司(ふじやま かんじ)さんというかたがおられました。
鉄道グッズもたくさん収集していたのですが、藤山さんは他界されてしまいます。
その後、ご遺族から弊社の安達へ鉄道グッズをどうしようか悩んでいると相談がありました。
縁社屋の代表をつとめる安達は、アンティークショップの運営もしていたためです。
そこで藤山さんの鉄道遺品を活用し、総社駅前のビル2階の空き物件を、鉄道をテーマにした場所にしようというアイデアが生まれました。
調べてみると、岡山エリアは現役で走る国鉄時代の車両が他エリアより多い「国鉄車両の聖地」のような場所だとわかりました。
駅前という立地、国鉄の聖地・岡山、そして藤山さんのすばらしい多数の鉄道遺品がある。
まさに、鉄道をテーマにした場所にふさわしいですよね。
また鉄道は小さなお子様は大好きですし、大人でも鉄道ファンのかたは多いです。
ですから、世代を超えた交流があると思います。
さらに地域外からのお客様も訪問されるだろうと予測し、地域の内と外の交流も図れると考えました。
こうして2020年7月、鉄道をテーマとした交流施設として総社クロスポイントが生まれたのです。
ハード面からソフト面まで総社のまちづくり事業に携わる
その他の活動についても知りたい。
後藤
縁社屋ではハード面だけでなく、ソフト面でもまちづくり事業をおこなっています。
たとえばイベントの企画・運営です。
代表的なものが古墳の多い総社の特徴を生かした「ぐるぐる古墳部」「古墳ミステリーツアー」。
ほかには、雪舟生誕地公園で不定期に開催しているマルシェや夜ピクニックといったイベントなどです。
またハード面では、2022年9月に総社駅構内にオープンしたレンタルスペース「ADORIBA(アドリバ)」があります。
総社駅の井原鉄道の駅長室は、ずっと空いていました。
コロナ禍まではJR西日本さんが借りて使っていたのですが、コロナ禍を機に利用をやめ、ふたたび空いた状態になったんです。
そんなときに縁社屋のほうへ、井原鉄道の駅長室の良い活用法はないかと相談を受けました。
もともと縁社屋は、遊休不動産の活用などのまちづくりが本来の仕事。
そこで、駅長室をレンタルスペースとして使うアイデアを思いつきました。
総社駅構内という場所で、さまざまな用途で使ってもらうことで、駅前ににぎわいを生むきっかけになるのではないかと考えたのです。
また駅長室を再活用するにあたり、岡山県立大学の学生さんとコラボレーションし、木のベンチなどのデザインをお願いしました。
いままでの総社駅にはなかった、いままでと少し異なるような雰囲気を出したかったためです。
なおADORIBAは物販のほか、Wi-Fiや電源もありますので小会議やセミナー、勉強会、打合などにも利用できます。
ちなみに2023年12月現在は改装中。
前は調理はできませんでしたが、今後は喫茶営業の許可をとり、コーヒースタンド等もできるようしたいですね。
総社はなにかをやろうとしたら、自然と人が集まって連携が生まれる土地
今後の課題ややってみたいことを教えてほしい。
後藤
運営面で課題なのは、やはり資金面ですね。
クロスポイント設立時は、クラウドファンディングで資金調達しています。
おかげさまで、予定の倍以上の資金が集まりました。
また総社市は「市民提案型事業」というのをやっていまして、そこに応募することもしています。
提案が採択されると補助が受けられるためです。
このように、いかに資金をうまく節約するかは常に考えていますね。
あとは、人手の問題もあります。
ただ総社って、けっこうおもしろい人たちが多いんです。
だからなにかをやろうとしたら、自然と人が集まって連携が生まれたりします。
これはとてもありがたいです。
あとは岡山県立大学の学生さんに、イベントのお手伝いをしていただいたりしますね。
また別の問題として、さきほどのとおり縁社屋のメンバーはみんな本業をもっているので、やりたいことは多くても時間が足りないという悩みがあります。
なので時間と人手、資金をうまく活用し、やりたいことをどんどんやっていける体制をつくっていきたいですね。
鉄道車両の聖地にある鉄道ギャラリー・総社クロスポイントと、総社のまちづくり会社 縁社屋
国鉄車両の聖地と呼ばれる岡山の総社駅前にある、総社クロスポイント。
小さな子から大人まで、少しでも鉄道に興味があれば楽しめる場所です。
ぜひ足を運んでみてください。
また、総社のまちづくりに尽力する縁社屋が開催するさまざまなイベントも楽しいものばかり。
縁社屋のイベントに訪れてみてはいかがでしょう。
合同会社 縁社屋(総社 クロスポイント)のデータ
名前 | 合同会社 縁社屋(総社 クロスポイント) |
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所在地 | 岡山県総社市駅前一丁目2-1・2階 |
電話番号 | 090-6419-1402 |
駐車場 | なし 総社駅構内のコインパーキングなどを利用のこと |
開館時間 | 午前11時〜午後5時 ※土・日曜、祝日のみの営業 |
休館日 | 月、火、水、木、金 |
入館料(税込) | 【入場】 無料 【鉄道模型走行】 800円 ※利用時間は1時間 ※要予約 |
支払い方法 |
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予約について | 可 鉄道模型走行は、団体で利用の場合は要予約 |
タバコ | 完全禁煙 |
トイレ | 洋式トイレ |
子育て | |
バリアフリー | |
ホームページ | 総社 クロスポイント |