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平喜酒造 〜 食事とともにおいしく飲める酒「喜平」。喜平を日本酒が好きになるきっかけに

平喜酒造 〜 食事とともにおいしく飲める酒「喜平」。喜平を日本酒が好きになるきっかけに

買っとこ / 2020.03.12

JR倉敷駅の南口を出ると、目の前に「喜平」と大きく書かれた屋上看板があるのを見たことがありませんか?

喜平(きへい)とは、日本酒の銘柄です。
喜平を製造・販売しているのは、倉敷市の西隣・浅口市の鴨方町にある平喜酒造(ひらき しゅぞう)。

浅口市をふくむ一帯は、古くは「備中杜氏(びっちゅう とうじ)」という酒造りの技術者集団が活躍していた、歴史的に酒造りが盛んな地域です。

また、酒造りは昔ながらの製法による手作業のイメージがありませんか。

実は平喜酒造では、最新のテクノロジーを用いながら、歴史ある酒造りの知識や技術を生かし、食事に合う酒をコンセプトに酒造りをおこなっているのです。

倉敷中心部でもよく見かける酒・喜平の製造元、平喜酒造を紹介します。

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記載されている内容は、2020年3月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。

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平喜酒造への行き方

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平喜酒造は「喜平」「新婚」「将軍」などの日本酒銘柄で知られる酒蔵

平喜酒造:外観(黎明蔵)

平喜酒造は、浅口市鴨方町にある酒蔵です。
「喜平」「新婚」「将軍」といった銘柄の日本酒を製造しています。

喜平は、浅口市はもちろん、倉敷周辺でもよく飲まれているお酒。
倉敷の飲食店でも、置いてあることが多いです。

岡山県内や広島県備後地方の酒屋や、スーパーの酒売場にも置いてあることが多く、私も見かけて購入したことがありました。

JR倉敷駅南口を出たところに見える、大きな屋上3面広告も有名です。

平喜酒造:JR倉敷駅南側にある喜平の看板

JR倉敷駅南側のビルに設置された喜平の屋上3面看板

倉敷市の西部(西阿知地区・連島地区以西)から、浅口市を経て笠岡市の東部(大島地区以東)にかけてのエリアは、かつて浅口郡(あさくちぐん)と呼ばれていました。

浅口郡は、古くから酒造が盛んな地域で、「備中杜氏(びっちゅう とうじ)」と呼ばれる酒造りのプロ集団が活躍していました。

現在も備中杜氏がいます。

浅口の地は、北に遙照山(ようしょうざん)などの山がそびえており、きれいな水が流れ、天文台が設置されるほど天候も良く、米作りも盛んです。

まさに、酒造りに最適な土地柄。

平喜酒造は、古い酒造りの歴史がある地域にあるのです。

遠江で生まれ備中で酒造りを

平喜酒造:外観(黎明蔵)

実は、平喜酒造の起源となる酒造りの始まりは岡山県ではありません。
遠江国(とおとうみのくに=現在の静岡県西部)の、掛川(かけがわ=現在の掛川市)が発祥地なんです。

平島村(現在の掛川市平島地区)出身だった戸塚 喜平(とづか きへい)は、米問屋・穀物問屋を始めます。
屋号は出身地から取って「平島屋」としました。

戸塚 喜平の子・戸塚 藤平は、米問屋であったことを生かして、現在の掛川市仁藤町(にとうまち)で酒造業を開始。
「白藤」などの銘柄の酒をつくっていました。

平喜酒造:外観(黎明蔵のタンク)

藤平の子・戸塚 重一郎は、岡山大学(当時は第六高等学校)に進学。
そのため岡山県に友人・知人が多くいました。

その後、家業を継いだ重一郎は岡山の大学時代の友人から、経営不振だった岡山県の酒造会社を引き受けないかと相談を受けます。

そこで、いくつかの酒蔵を引き受け、それらを統合する形で、1928年(昭和3年)に鴨方の地で「平喜酒造」として酒造を開始することになりました。

平喜酒造の名前は、起源である戸塚喜平が平島村出身であることに由来しています。
「平喜=島の戸塚平」という意味です。

なお、1967年(昭和42年)に、酒造業は鴨方の平喜酒造に集約しました。

そして2012年(平成24年)、静岡市内に「静岡平喜酒造 株式会社」が設立され、静岡に”里帰り”し、静岡での酒造りも復活しています。

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平喜酒造の酒蔵

平喜酒造:トラックの喜平印

酒蔵・酒造会社といったら、木樽などの道具を使って手作業でつくっているイメージがありませんか?

実は現在の酒造りは、一部を除き、多くの作業は機械の力を使って製造しているんです!

平喜酒造は、酒造りに最新の設備・テクノロジーを導入。

これにより季節を問わず、年間を通しての酒造りを実現し、安定した品質の日本酒を提供しています。

今現在、平喜酒造では夏季の醸造はおこなっていません。
醸造していない期間は、蔵のメンテナンスをしています。

▼メインとなる酒蔵「黎明蔵」は、とても大きな建物。

平喜酒造:外観(黎明蔵)

▼建物の横には、巨大なタンクが並びます。

平喜酒造:外観(黎明蔵のタンク)

この中で、酵母という微生物が元気に発酵をしているのです。

▼こちらは、酒を貯蔵しているタンク。

平喜酒造:外観(黎明蔵のタンク)

このタンクには、1,800ミリリットル瓶で約30,000本のお酒が入りますよ!!

▼黎明蔵の内部にある連続蒸米機(れんぞく むしまいき)と放冷機

平喜酒造:黎明蔵 自動蒸米機

米を蒸して、蒸米(むしまい)をつくる機械です。

米を蒸す工程は、酒の良し悪しが決まるといっていいほどの重要な工程といわれています!

▼ここは、製麹室(せいきくしつ)です。

平喜酒造:黎明蔵 製麹室

▼中には自動製麹装置があります。

平喜酒造:黎明蔵 自動製麹機

この大きな装置で、酒造りに必要な(こうじ)を製造するんです。

製麹装置の導入で、高品質な麹の安定供給が可能になりました。

仕込みタンクです。

平喜酒造:黎明蔵 仕込みタンク上部

さきほど紹介した、建物の横にならんだタンクの上部です。
取材時は、中に酒が入ってなかったので、フタを開けて中を見学させてもらえました。

▼中には、大型の攪拌機(かくはんき)が見えます。

平喜酒造:黎明蔵 仕込みタンク内部

このタンクの中に、約45,000リットルもの酒が入るんですよ!

平喜酒造:外観(酒蔵)

最新設備を備えた酒蔵を持つ平喜酒造。
そんな平喜酒造ですが、なんと一部の酒は昔ながらの技法で製造しているんです。

昔ながらの蔵(くら)も一部見学ができました。

▼大きな(こしき)で、酒米を蒸します。

平喜酒造:蒸し米所

蒸気がモクモクと上がっていました。

▼この大きな木桶(きおけ)で酒をつくります。

平喜酒造:蒸し米の樽

昔の酒造りは、このような木製の道具をたくさん使用していました。
木製ならではの良さもあるのですよ!

▼蒸し上がった米を広げて冷ますスペースです。

平喜酒造:蒸し米を広げるところ

奥に見える扉の中は(むろ)。
温度調整をした米を室に入れて、麹づくりをおこないます。

▼夏場でも0度で貯蔵ができるタンクです。

平喜酒造:貯蔵タンク

酒造りの工程は同じですが、最新設備の酒蔵と昔ながらの酒蔵を比べてみるとおもしろいです。

昔の酒造りのたいへんさ、それを克服した現代の酒造りの工夫などがよくわかりました。

酒蔵見学も可能

平喜酒造:看板

平喜酒造では、随時酒蔵見学を受け付けています。
人数は一人から可能です。

状況によって、試飲もできます。

必ず、事前に平喜酒造へ電話して予約してください。
受付可能時間は、平日の午前8時〜午後5時です。

なお、酒蔵の状況により見学ができないときもあります

若い女性一人で見学に来られることもあります。
どうぞ、お気軽にお問い合わせください!

毎年3月に新酒祭り「喜平酒蔵参観日」を開催(令和2年は中止)

平喜酒造では、敷地内で毎年3月に新酒祭りを開催しています。
なお、2020年(令和2年)は中止となりました。

喜平酒蔵参観日」という名前がユニークです。

喜平酒蔵参観日は、おもに以下のような内容。

  • 酒蔵見学
  • 試飲
  • 喜平酒蔵参観日の限定酒の販売
  • 一般商品の販売
  • 大吟醸酒粕の販売
  • 喜平グッズの販売
  • 甘酒
  • 浅口市内の店の屋台

大人から子供まで幅広く楽しめる内容です。

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平喜酒造のおすすめの銘柄・種類

平喜酒造:事務所に展示された商品

平喜酒造の営業・本荘 正(ほんじょう ただし)さんに、おすすめ・人気の銘柄や種類を紹介してもらいました。

2020年(令和2年)時点の情報。価格は消費税込

なお、日本酒に関する用語については、日本酒メディアの説明を参考にしてください。

「喜平」本醸造

平喜酒造:喜平 本醸造

喜平」は、平喜酒造の代名詞といえる銘柄です。
喜平にはたくさんの種類があります。

そのなかで、もっともスタンダードなのが、喜平 本醸造
倉敷駅南の屋上広告の右側に写っている酒です。

酒屋などでよく見かけ、私も飲んだことがあります。

軽くてコンパクトな紙パック入りがあるのも、ポイント。

喜平 本醸造はやや辛口で、スッキリとした飲みやすい味わいです。
冷やでも燗(かん)でもどうぞ!
容量 価格(税込)
1,800ml 1,991円
720ml 800円
300ml 418円
1,800ml(紙パック) 1,991円
900ml(紙パック) 1,001円

「喜平」大吟醸(超特撰)

喜平 大吟醸(超特撰)は、喜平のなかでも上級の位置付けとなる種類。

原料となる米は、酒米の最高峰とされる山田錦を使用
それを35%まで精米し、山田錦の中心のいい部分だけを使っています。

喜平の最高傑作といえるお酒です!
容量 価格(税込)
1,800ml 11,000円
720ml 5,500円

「喜平」純米大吟醸(超特撰)

平喜酒造:喜平 純米大吟醸 超特撰

喜平 純米大吟醸(超特撰)は、酒造りに「五百万石(ごひゃくまんごく)」という品種の米を使って醸造。
倉敷駅南の屋上広告の左側に写っている酒です。

五百万石は北陸地方で栽培が盛んな米ですが、喜平 純米大吟醸(超特撰)では新潟県産の五百万石を使っています。
それを米の中心のいいところだけを使うように精米。

さらに、米と水と麹だけでつくった純米大吟醸酒です。

平喜酒造にはかつて、新潟県出身の越後杜氏(えちご とうじ)が酒造りをおこなっていました。
越後杜氏が、出身地を代表する品種の米を使った酒を考案して生まれたのが、喜平 純米大吟醸(超特撰)なんです。

喜平 純米大吟醸(超特撰)は、やや辛口のキリリとした味わいと、フルーティーな香りが特徴の淡麗な酒。
女性からの人気も高いんですよ。
容量 価格(税込)
1,800ml 5,500円
720ml 3,300円

「喜平」純米吟醸 木桶仕込

平喜酒造:喜平 木桶仕込 純米吟醸

喜平 純米吟醸 木桶仕込(きおけじこみ) は、昔ながらの製法でつくられた酒です。

あえて木桶を使い昔の製法でつくっているのは、木桶でしか出せないまろやかな味わいや、木桶の木の香りがかすかにするなど、木桶ならではの良さを生かすため。

使っている米にもこだわっていて、岡山原産の酒米・雄町(おまち)を使用。

何も手を加えていないそのままの酒なので、個性ある風味が楽しめます。

これぞ平喜酒造が醸したこだわりの逸品です!
容量 価格(税込)
1,800ml 3,575円
720ml 1,815円

「喜平」純米酒 七段仕込

平喜酒造:喜平 純米七段仕込み

喜平 純米酒 七段仕込(ななだんしこみ)は、手間と時間をかけてつくられた酒です。

通常、日本酒の仕込みは三段階でおこないます。
いっぽう喜平 純米酒 七段仕込は、名前のとおり七段階で仕込みをした酒なんです。

ゆっくりと時間をかけて、米のうまみをじっくり・しっかり出しています。

飲むとまろやかで、深みのある米の味わいや芳醇(ほうじゅん)さを楽しめるんです。

喜平 純米酒 七段仕込は、(かん)に最適なお酒なんですよ!
容量 価格(税込)
1,800ml 2,365円
720ml 1,089円

「喜平」特別本醸造 生原酒

平喜酒造:喜平 特別本醸造 生原酒

喜平 特別本醸造 生原酒は、しぼりたての生の原酒を低温熟成させ、タンクより直接瓶詰したもの。

また、生なので加熱処理しておらず、原酒なので水で割っていません。

そのため、フレッシュな香りと味わいが楽しめます。

日本酒のイメージが変わるような、フレッシュでキレが良いお酒ですので、とくにおすすめです!

平喜酒造:喜平 特別本醸造 生原酒

飲むと生原酒ならではの力強い味わいと、芳醇な味わいが口の中に広がっていきます。
冷やして飲むとキリッとしておいしいです。

オン・ザ・ロック(酒に氷を浮かべて飲む)でも、サラリとしておいしく飲めます!
容量 価格(税込)
720ml 1,155円
300ml 528円

「新婚」上撰 本醸造

平喜酒造:新婚 上撰

実は「喜平」よりも長い歴史のある「新婚」の銘柄。
縁起のいい名前なのでハレの日のとき、特に結婚披露宴などでよく出されるそうです。

新婚は、やや甘口の味わいが特徴の銘柄。

新婚 上撰 本醸造は、淡麗でありながらふくよかな味わいもある、バランスのいいやや甘口の酒です。

容量 価格(税込)
1,800ml 2,057円

「将軍」秀作

平喜酒造:将軍 秀作

将軍」の銘柄も喜平よりも古い歴史があります。

新婚が甘口なのに対し、将軍は辛口の酒。

辛口の酒ならではのキリッとした風味で、口あたりのよい酒です。

容量 価格(税込)
1,800ml 1,799円
1,800ml(紙パック) 1,740円

岡山県でおなじみの酒のひとつ「喜平」。
最新の設備を生かしながら、魅力的な酒をつくる平喜酒造の営業課長・本荘 正さんにインタビューをしました。

インタビューを読む

平喜酒造 株式会社のデータ

平喜酒造:外観
団体名平喜酒造 株式会社
業種食料品製造業・販売業(酒類)
代表者名戸塚 敦雄
設立年創業・設立:1928年(昭和3年)、発祥:明治時代初期
住所岡山県浅口市鴨方町鴨方1283
電話番号0865-44-2122
営業時間午前8時〜午後5時
休業日土、日、祝日
ホームページ 喜平 平喜酒造株式会社 岡山の酒
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フリーランスの取材・インタビューライター、フォトライター。地域の文化・地理・歴史・食べ物などに精通。企業の社員インタビューや事例紹介、採用コンテンツも。

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平喜酒造:喜平 純米大吟醸 超特選

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