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SETO INLAND LINK ~ デニムの価値を見つめ直し産業をさらに活性化させたい。ひととデニム、未来がつながる展覧会

SETO INLAND LINK ~ デニムの価値を見つめ直し産業をさらに活性化させたい。ひととデニム、未来がつながる展覧会

知っとこ / 2023.09.30

「“デニム”が紡ぐ多様な個性」をコンセプトに掲げるSETO INLAND LINK。

主催の癒toRi18株式会社の代表取締役 畝尾賢一(うねお けんいち)さんに話を聞きました。

デニムの価値を発信

SETO INLAND LINK 開催の経緯を教えてください。

畝尾(敬称略)

地元の若者は就職をきっかけに他県に出てしまいがち。

働くうえでさまざまな選択肢がある世の中において、興味がないとこの地に留まらないですよね。

一方、児島のデニムに憧れて若者が職を求めやって来ても、現実と理想のギャップを感じることがあります。

そのため雇用につながりにくいのが現状です。

デニム産業の多様な魅力を、どれだけリアルに発信するかが重要です。

SETO INLAND LINKはデニムの良さをまだ知らない人にも届けたいと思い、企画しました。

畝尾賢一さん
畝尾賢一さん

未来につなげるためにデニムの価値を知ってもらう必要があります。

イベントをきっかけに、多方面からアプローチをして、今までデニムに興味がなかった若者にも価値を伝えたいですね。

またデニムがきっかけで、さまざまな可能性があることも同時に伝えていきたいです。

デニムをツールとしてつながる

畝尾さんにとってデニムの魅力とは?

畝尾

自分の個性が表現できる点だと思います。

なぜならばそれぞれのライフスタイルが、デニムの表情にも反映されますし、着用しているデニムの加工をとっても趣味がわかれたりもすると思います。

OEM製品に関してはお客様の依頼どおりに作りますが、できあがるまでの過程には職人のアーティスティックな技術が必要です。

ほとんどが手作業で行われるので、その日その時のコンディションが影響します。

いかに自分のモチベーションを上げて、毎日取り組むかが大事で、それがやりがいにもなります。

従業員は自分の持ち場を好きなようにアレンジして、働いています。

内観_癒toRi18

分業でパンツを作り上げるのですが、一見どの工程も単純作業のようです。

でもこの作業のなかに、技術が詰まっていて、手の感覚によって仕上がりが変わってきます。

パンツの右足と左足を別々のひとが同時に加工するときは、二人で息を合わせないといけません。

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変化をしながら産業を支える

SETO INLAND LINKはデニム産業とどのように歩んでいきたいですか?

畝尾

産業はひとと同じで、成長して、変わっていくと思っています。

土と植物に例えると、今回の1回目のSETO INLAND LINKはデニムの価値を上げていくための、土を耕している段階と考えています。

この土に可能性を感じてくれる、様々な人達が種を植えてくれるように、選ばれる土となるように耕し続けていかなければいけない。

1回目で土をしっかりとPRして、2回目には種を植え、3回目には花を咲かせていけるよう繋いできたいです。

ひとに出会ったり、成長したりして、きっと2回目3回目は中身も変わって来るでしょう。

花を咲かせるまでのストーリーを大切にしたいですね。

畝尾さん_癒toRi18

守ることも大事ですが、変わることも同じくらい産業には必要だと思っています。

ずっと同じではだめで、変化をしないといけないんです。

わたしひとりだと発想に限界があるので、出会いのなかで誰かがわたしの想いを拾ってくれたり、変えてくれたりして構築できたらいいですね。

何かを継続するために必要なものっていうのは、目に見えるものじゃなくて、これから待っているものだと思います。

産業もひともイベントも、この先に出会いが待っていて、そこに未来を選べる選択肢と仲間と場所があって、変わっていくことが大切ですね。

おわりに

デニムの加工のアルバイトがきっかけで、デニム産業に携わることとなった畝尾賢一さん。

自身が経営する会社、癒toRi18株式会社では30代をメインに、10代の若者から60代の熟練した職人まで多様な人材が働いています。

デニム産業において働き手が高齢化するなか、30代が多いのは珍しいのではとふと思いました。

恐らく「価値」や「商品を作るのは単純作業ではなく、クリエイティブな仕事だ」と畝尾さんから伝えられているのでしょう。

SETO INLAND LINKでは、地域やひとを巻き込み、新たなつながりが生まれます。

さらにデニムの魅力や付加価値を知り、興味をもつひとが増えるかもしれません。

世界が認める産業を未来に紡ぐために生まれたこの企画。

どのように化学反応を起こして次につながるか、今後の動きにも目が離せません。

SETO INLAND LINKのデータ

アイキャッチ_癒toRi18
名前SETO INLAND LINK
期日2023年10月7日(土)~9日(月祝)
午前9時30分~午後8時(9日は午後7時まで)
※旅館くらしきの展示は全日程午後7時まで
場所児島虎次郎記念館、旅館くらしき、倉敷物語館
参加費用(税込)入場料:無料
ホームページSETO INLAND LINK
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倉敷そだち

倉敷そだち

倉敷市在住。倉敷市でのびのびそだちました。食べることが大好き食いしん坊。家ではじっとしていられず、美味しいものを探しにふらっと出かけています。
「倉敷が好き」「倉敷に行こうかな」と思うひとを増やすことが自分の使命と思っています。

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アイキャッチ_癒toRi18

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