平成30年7月豪雨による被害のため、平成30年度は中止された「真備・船穂総おどり」。
「真備・船穂総おどり」は、真備支所前の「まきび通り」が歩行者天国となり、地元住民や企業の団体が踊りながら歩くイベントです。
真備町と船穂(ふなお)町は、平成17年8月1日より倉敷市に合併編入しました。これを機に、「真備・船穂総おどり」は、平成19年7月より毎年夏に行われてきました。
令和元年7月13日に開催された「第13回 真備・船穂総おどり」、悪天候の雨にも負けず踊る活気溢れるようすを紹介します!
記載されている内容は、2019年7月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
目次
第13回 真備・船穂総おどりのデータ
名前 | 第13回 真備・船穂総おどり |
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期日 | 令和元年7月13日 午後3時~午後8時30分 |
場所 | 倉敷市真備支所前 |
参加費用(税込) |
第13回 真備・船穂総おどりについて
第13回真備・船穂総おどり当日は、倉敷市真備支所の敷地内に、屋台やステージのブースが設置され、イベント開始の午後3時過ぎにはたくさんのひとが集まり賑わいました。
▲令和元年7月6日に真備支所敷地内に設置された、「平成30年豪雨災害の碑」。
災害の碑の前には、通りかかるひとが立ち止まって、記載された文字を読んでいました。
屋台のようす
屋台のあたりで、素隠居(すいんきょ)が逃げ回る子供たちの頭をうちわで叩いたり光景が、倉敷らしかったです。
屋台は、「たこ焼き」「かき氷」「フライドポテト」「からあげ」「焼きそば」などが並びました。
倉敷市船穂町は、マスカットの産地として知られています。
マスカット栽培の歴史やワイン造りが見学できたり、ワインを試飲できる「ふなおワイナリー」。
「ふなおワイナリー」のブースでは、白ワインの試飲やワインの販売などが行われていました。
スッキリと飲みやすく、女性にもお薦めのワインです。
香ばしい匂いがただよう「焼きもろこし」のブースなどに、たくさんの子供たちが並んでいました。
ステージのようす
ステージでは、「真備竹のオーケストラ」による、竹楽器の優しく聴き心地のよい演奏。
そして、「まきび少年少女合唱団」による、童謡「ふるさと」のハーモニーが会場を優しく包みます。
歌や太鼓などの演奏が繰り広げられたあと、平成30年7月豪雨で犠牲にあわれたかたへ1分間の黙祷を捧げました。
平成30年7月豪雨により、「真備・船尾総おどり」の衣装は半数以上が被害にあったそうです。
平成30年7月豪雨から1年経った今も、真備町を離れて仮設住宅で暮らすひとも多く、令和元年の「真備・船尾総おどり」の開催も危ぶまれていました。
寄付を募ったところ、「倉敷青年会議所」や「ピースボート災害ボランティアセンター」、真備町内外から多くのかたから義援金をいただき、新しい衣装をそろえてお祭り当日を迎えられたそうです。
『我々ひとりひとりの力は微力ですが、多くのかたの協力をいただき復興が進んでいます。
全国からボランティアで駆けつけてくれたひとに、元気いっぱい自分たちが踊る姿を見てもらい恩返しをしたい。
笑顔で楽しくみんなで踊りましょう!』
第13回真備・船穂総おどりの実行委員長・倉敷市議会委員の守屋博(もりや ひろし)氏による挨拶を聞き、涙ぐむ参加者のかたもいました。
総おどりのようす
少しうす暗くなってきた午後6時30分過ぎ。
「まきび通り」沿道に飾られた提灯にあかりが灯されました。
「雨天決行」の予定どおり、メインイベントの「総おどり」がスタート。
真備支所前の「まきび通り」は午後5時より車両通行止めとなり、沿道には傘を持ち並んだたくさんの人が並びます。
吉備真備駅方面から真備支所前へ、およそ200メートルを踊りながら各団体が歩き始めました。
出場団体は以下のとおり。
出場順 | 団体名 |
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1 | 真備フォークダンスうぐいす会 |
2 | 薗地区まちづくり推進協議会 |
3 | 真備地区交通安全母の会 |
4 | 川辺地区まちづくり推進協議会 |
5 | 二万地区まちづくり推進協議会 |
6 | 服部地区まちづくり推進協議会 |
7 | 岡田地区まちづくり推進協議会 |
8 | 箭田地区まちづくり推進協議会 |
9 | つくし会 |
10 | 呉妹地区まちづくり推進協議会 |
11 | 真備婦人協議会 |
12 | 真備船穂商工会女性部 |
13 | 吉備信用金庫真備支店・川辺支店 |
14 | 中国銀行真備支店 |
15 | 高梁川・小田川緊急治水対策河川事務所 |
16 | 真備・船穂支所役員 |
17 | 一般自由参加(申し込み不要) |
団体名の記載されたプラカードを持ったひとを先頭に、さまざまな衣装に身を包んだ地元参加者が登場です!
オリジナルソング「真備と船穂でひと踊り」に合わせた振り付けで、各団体が順番に踊り始めました。
総勢約1,000人による踊りの行列は、絶えることなく続きます。
真備町を離れ仮設住宅に住んでるかたも多く、あまり練習できなかったという声もありました。
▲吉備真備(きびの まきび)のコスチュームに身を包んだ「箭田(やた)地区」。
▲復興への願いを書いた約300本のうちわを掲げながら踊る「岡田地区」。
沿道からは、踊り手の家族や友人たちが名前を呼び、笑顔で手を振る場面も多くみられました。
雨はどんどん強くなりますが、一生懸命に踊る参加者への沿道からの声援はやみません。
年配のかたも多く参加されており、みんな笑顔で元気よく踊られていました。
息の合った踊りに、この日を楽しみにしていた各団体の思いがうかがえます。
▲どんどん激しくなる雨にも負けず子供たちが元気よく唄いながら踊る「呉妹(くれせ)地区」。
子供たちの勢いに負けないと、大人も「どっこいしょ~!」と歌に合わせて踊ります!
倉敷市長・伊東香織(いとう かおり)氏も一緒に踊る姿もみられました。激しい雨にも関わらず、思わず笑顔になる場面も。
土砂降りのなかでも、明るい表情で踊る参加者たち。
雨は時間と共に激しくなりましたが、開始から1時間以上歩みを止めることなく、踊りの列は続きました。
おわりに
平成30年7月豪雨より1年が経ち、さまざまな思い・場所で暮らす真備町のひとたち。
真備町にとって苦労と苦難の1年でしたが、それでも「負けない」という思いが踊りからひしひしと伝わり、筆者はカメラを構えながら何度も目頭が熱くなりました。
地元の住民の底力を感じた、復興への希望をこめた歌。
この1年、支えて応援してくれたかたたちへの感謝の気持ちがこもった恩返しの踊り。
団結して笑顔で一歩一歩進む真備町の「今」、たくさんのひとに知ってもらえればと思います。
来年の開催も今から非常に楽しみです。
第13回 真備・船穂総おどりのデータ
名前 | 第13回 真備・船穂総おどり |
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期日 | 令和元年7月13日 午後3時~午後8時30分 |
場所 | 倉敷市真備支所前 |
参加費用(税込) |