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本栄寺 〜 鶴形山のふもとの古い寺院。ジャズストリートや屏風祭の会場にも

本栄寺 〜 鶴形山のふもとの古い寺院。ジャズストリートや屏風祭の会場にも

観とこ / 2020.01.27

鶴形山の南に「本栄寺(ほんえいじ)」という寺があるのを知っていますか?

本栄寺は、国指定重要文化財の井上家住宅のすぐ裏にあります。

本栄寺の本堂は、江戸時代の半ばに建てられたという歴史ある建物。

また本堂は、なんと「倉敷ジャズストリート」や「倉敷屏風祭」などの会場にもなっているんです。

そんな歴史ある寺でありながら、イベントも開催される本栄寺を紹介します。

記載されている内容は、2020年1月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。

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本栄寺のデータ

本栄寺:本堂
名称本栄寺
別名長興山
宗派日蓮宗
所在地岡山県倉敷市本町1-41
電話番号086-422-2844
駐車場なし
御本尊大曼荼羅
御利益現世安穏・後生善処
御朱印(納経料)あり(納経料の金額に規定なし)
※ 住職不在時は対応不可
拝観時間日中のみ
休観日なし
拝観料なし
拝観料・納経料の納め方
  • 現金
トイレ
ホームページ長興山 本栄寺|日蓮宗 寺院

本栄寺への行き方

道順を確認

本栄寺は鶴形山の南麓にある日蓮宗の古い寺

本栄寺:本堂

本栄寺は、鶴形山のすぐ南のふもとにある寺です。
ちょうど、国指定重要文化財である井上家住宅の真裏にあたります。

山号(さんごう)は「長興山(ちょうこうざん)」です。

近くの観龍寺や阿智神社などに比べると、観光情報に載ることも少ない寺。
しかし、本栄寺は江戸時代初期から続く由緒ある日蓮宗(にちれんしゅう)の寺です。

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本栄寺の見どころ

ここからは、本栄寺の境内の見どころを紹介していきます。

本栄寺にお参りした際に参考にしてください。

山門

本栄寺:山門

井上家住宅の真裏、石垣で少し高くなったところに大きな「山門(さんもん)」がそびえています。

江戸時代中期に建立された本堂

本栄寺:本堂

山門をくぐると目の前に見えるのは、「本堂」です。

大きく立派な本堂で、外観は改修された新しい印象。
しかし、実はこの本堂、江戸時代中期の宝暦14年(1764年)建てられた、とても古いものなんです。

▼本堂の向かって右には、水子観音(みずこ かんのん)像。

本栄寺:水子観音像

▼向かって左には、鳥獣供養塔がありました。

本栄寺:鳥獣供養塔

妙見堂

▼本堂の向かって左側にある建物は「妙見堂(みょうけんどう)」です。

本栄寺:妙見堂

妙見堂で祭られているのは、妙見菩薩(みょうけん ぼさつ)。
妙見菩薩とは、北極星北斗七星を仏としたものといわれています。

▼鳥居があるのは、江戸時代まで仏教と神道が混じり合っていた神仏習合(しんぶつ しゅうごう)の名残でしょう。

本栄寺:妙見堂

加藤清正を祭る清正堂

▼本堂の向かって右に寺務所があります。

本栄寺:事務所と鐘楼

▼寺務所のさらに右手に進むと石段があり、少し高いところに出ます。

本栄寺:事務所横の石段

▼ここにあるのが「清正堂(せいしょうどう)」です。

本栄寺:清正堂

清正堂は、名前のとおり大名・加藤 清正(かとう きよまさ)を祭っています。
教科書でも出てくる、有名な人物です。

本栄寺:清正堂

加藤 清正は、熱心な日蓮宗の信者でした。
その縁で、日蓮宗寺院である本栄寺でも、加藤 清正を祭っているのです。

清正堂の向かって右にはカリンの木も。

▼取材時、ちょうどカリンの実がなっていました。

本栄寺:カリン

▼かなりたくさん実がなるようです。

本栄寺:カリン

▼また、清正堂の向かって右側には「風来坊雲水碑」がありました。

本栄寺:風来坊雲水碑

鐘楼

▼清正堂の向かって左側にあるのが「鐘楼(しょうろう)」です。

本栄寺:鐘楼

鐘楼は、梵鐘(ぼんしょう)をおさめている建物。

▼本栄寺の鐘楼はとても高さがあり、高い位置に梵鐘があるのが特徴的です。

本栄寺:鐘楼

▼鐘楼の横には、小さな祠(ほこら)もありました。

本栄寺:鐘楼横の祠

清正堂・鐘楼の前からの眺め

本栄寺:境内からの眺望

まわりより少し小高いところにある本栄寺ですが、清正堂・鐘楼があるところは、さらに高くなっていて、美観地区のようすを眺められます。

▼また、北側を向くと阿智神社の随神門・絵馬殿・高灯籠などが見えました。

本栄寺:境内から見える阿智神社

本栄寺はジャズストリートや屏風祭の会場になっている

江戸時代のはじめごろから続く歴史ある本栄寺。

そのいっぽう「倉敷ジャズストリート」や「倉敷屏風祭」などのイベントの会場の一部にもなっているんです。

倉敷屏風祭(令和元年10月19日・20日開催) 〜 1日で美観地区や周辺を歩きまわれる、楽しみ方自由なイベント

どちらも本堂が会場となっています。

江戸時代中期に建てられた歴史ある本堂の中を見学できる、貴重な機会です。
ジャズストリートや屏風祭の際には、ぜひ本栄寺にも寄ってみてください。

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本栄寺の御首題

日蓮宗寺院では、御朱印ではなく「御首題(ごしゅだい)」がいただけます。

▼以下が、本栄寺の御首題です。

本栄寺:御首題(御朱印)

本栄寺で御首題をいただくとき、納経料(のうきょうりょう)を納める必要があります。
ただし、本栄寺では納経料の額は定めていません。

また、住職が不在だったり、法要などがおこなわれたりしているときは、御首題の対応ができません。

なお、日蓮宗寺院で御首題をいただくときは、ほかの宗派の御朱印とは別の日蓮宗用の御首題長(御朱印帳)を準備するのが無難です。

本栄寺の御本尊や御利益は?

本栄寺はどんな御本尊を祭り、どんな御利益があるのでしょうか。

本栄寺は日蓮宗の寺。
日蓮宗の多くの寺では「大曼荼羅(だいまんだら)」を御本尊としています。

大曼荼羅は、中央に題目の「南無妙法蓮華経(なむ みょうほうれんげきょう)」の文字が書かれ、周囲に法華経本に記されている諸仏の名を書いたものです。

また御利益は、「現世安穏(げんぜ あんのん)」や「後生善処(ごしょう ぜんしょ)」とされています。

現世では穏やかに人生を過ごせ、来世では良いところに生まれるという意味です。

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本栄寺の歴史

本栄寺:山門の寺号標

ここからは、本栄寺の歴史について紹介していきます。

本栄寺は、最初から現在の場所にあったわけではありません。

本栄寺がもともとあったのは、美観地区から南西へ約2.5キロメートルのところにある足高山(あしたかやま)の南のふもと。

このころは、蓮華寺(れんげじ)という名で、山号は妙法山(みょうほうざん)と称していました。

江戸時代初期の寛永(かんえい)12年(1635年)に、現在地となる倉敷村に移されたのです。

このとき、鎌倉・比企谷(ひきがやつ)にあった長興山 妙本寺(みょうほんじ)の僧を呼び、寺の名を本栄寺、山号を長興山に改称しました。

以来、倉敷の地で信仰を集めています。

おわりに

本栄寺:本堂の山号

歴史ある古い寺でありながら、ジャズストリートや屏風祭などのイベントにも参加する本栄寺。

寺は、ふだん立ち入りにくい印象かもしませんが、イベント開催中は気軽に見学ができます。

ジャズストリートや屏風祭のときは、ぜひ歴史ある本堂や境内も見てみてください。

本栄寺のデータ

本栄寺:本堂
名称本栄寺
別名長興山
宗派日蓮宗
所在地岡山県倉敷市本町1-41
電話番号086-422-2844
駐車場なし
御本尊大曼荼羅
御利益現世安穏・後生善処
御朱印(納経料)あり(納経料の金額に規定なし)
※ 住職不在時は対応不可
拝観時間日中のみ
休観日なし
拝観料なし
拝観料・納経料の納め方
  • 現金
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フリーランスの取材・インタビューライター、フォトライター。地域の文化・地理・歴史・食べ物などに精通。企業の社員インタビューや事例紹介、採用コンテンツも。地域情報サイトも運営。
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本栄寺:本堂

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