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不登校やその傾向にある児童生徒のための居場所(連島公民館で毎週金曜日開催) ~「ここだったら自分のペースでやりたいことができそう!」に寄り添い合うコミュニティ

不登校やその傾向にある児童生徒のための居場所(連島公民館で毎週金曜日開催) ~「ここだったら自分のペースでやりたいことができそう!」に寄り添い合うコミュニティ

知っとこ / 2024.01.25

文部科学省の調査によると、小中学校に在籍する児童生徒のうち、約3.2%が不登校であるといわれています。つまり、1学級にひとりは不登校の児童生徒がいるという計算です。

倉敷市内にも、学校に行けない行きたくても行けない子どもたちがいます。そのような子どもたちの居場所として倉敷市から委託を受けて活動している居場所のひとつが、連島公民館毎週金曜日の午後に開催されている「不登校やその傾向のある児童生徒の居場所」です。

「不登校やその傾向のある児童生徒の居場所」は倉敷市の事業で、NPO法人KUKKA(クッカ)に運営を委託して開催されています。

本記事では、とある日の活動のようすをレポートします。

記載されている内容は、2024年1月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。

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不登校やその傾向にある児童生徒のための居場所

「不登校やその傾向にある児童生徒のための居場所(以後:居場所)」は、毎週金曜日午後2時~6時まで倉敷市連島公民館3階にて開放されています。

おもに不登校やその傾向のある子どもたちが集い、自由に過ごせる場所です。

普段は家族以外との関わりが希薄になってしまう子どもたちにとって、居場所は人と触れ合うことのできる時間。

また第二金曜日は、連島公民館2階で親の集いも開催されています。

KUKKAのパンフレット

過ごしかた

12月のとある金曜日。

会場へ足を運ぶと、笑顔の素敵なスタッフのかたが出迎えてくれました。

私はこの日が初めての訪問だったため、まずは団体の説明資料を読んだりボランティア登録をしたりします。その後、会場内を案内してもらいました。

居場所を開放している時間帯は、連島公民館3階のフロア全体を貸し切っています。そのため、身体を動かしたい子どもたちはホールで、落ち着いて過ごしたい子どもたちは和室と、各々が心地良い場所を選択できるようになっていました。

壇上に集まる子どもたちの足元

私がスタッフから説明を聞いている間も、どんどんと子どもたちがやってきます。

初めて会った私を物珍しそうに見つつ、元気に挨拶をしてくれる子がほとんど。

緊張していた私も、自然と笑みがこぼれてきました。

「ただそばに寄り添う」場所

不登校の子どもたちやその保護者は、普段の生活で心ない言葉に傷ついたことのあるかたもいます。

ボランティアやスタッフに求められていることは、個人情報を聞き出そうとしたり、助言をしたりするのではなく「ただそばに寄り添う」ことだそうです。

児童が制作したレジン作品

私は、この日居場所に初めてやってきた親子と一緒に会場を見学しました。

最初はお母さんから離れられなかったお子さんも、少しずつ自分のやりたい活動を見つけて夢中に取り組むようになりました。

「ここだったら、自分のペースでやりたいことができそう」という安心感が得られたのでしょうか。

帰り際、自分が作った制作物を大事そうに抱えたその子は、来たときよりもちょっぴり、でも確実に明るい表情をしていて見送るみんなの顔にホッと笑みが浮かびました。

スタッフの作った制作見本

みんなが好きなことをしているのに、一体感のある時間

この日はクリスマスが近かったこともあり、午後4時からホールでクリスマス会が開催されました。

もちろんこのクリスマス会も、参加は自由。

午後3時30分頃になると「もうすぐクリスマス会だね」と、子どもたちもそわそわし始めます。

クリスマス会の進行表

そんな子どもたちのようすを見たスタッフが「お手伝いお願いできる?」と、子どもたちへ個別に声がけをし始めます。

印象的だったのは、お手伝いをお願いされたある女の子が「今は無理かな」とはっきりと断っていたこと。そして、声をかけたスタッフも笑顔で「そっかー。じゃ、またあとで始まるときに声をかけるね」と彼女の選択を自然に受け止めていたことです。

自分のやりたいことを自分で決めて、それを受け入れてくれる場があるからこそ、彼女は安心して断れるのでしょう。スタッフとその子の関係性が、とても素敵だなと思いました。

ゲームをする子どもたちの足元

クリスマス会が始まってからも、子どもたちの過ごしかたはそれぞれです。

みんなでわいわいゲームを楽しみたい子もいれば、落ち着いた和室でのんびり過ごしたい子、クリスマス会は気になるけれども参加はしないでようすを見ていたい子……。

一人ひとりが心地良く参加できるよう、スタッフが個別に声がけをしていて、みんなが好きなことをしているのに一体感のある時間が流れていました。

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おわりに

「不登校やその傾向にある児童生徒のための居場所」に行った日は、朝から雪の降るようなキンと冷え込んだ日でしたが、連島公民館の3階は、子どもたちがのびのびと活動するあたたかい空間でした。

学校に行かない、行きたくてもいけない子どもたちの大切な居場所として、これからもそこにあり続けてほしい存在です。

不登校やその傾向にある児童生徒のための居場所のデータ

連島公民館の入口
名前不登校やその傾向にある児童生徒のための居場所
期日毎週金曜日 午後2時~6時
※公民館の休館日および12時に倉敷市に警報(暴風・大雨・洪水)が発令されていたら休み。
場所岡山県倉敷市連島町西之浦497−1 3階
参加費用(税込)無料
ホームページ不登校やその傾向にある児童生徒のための居場所(NPO法人KUKKA)
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高石真梨子

高石真梨子

東北→九州→近畿→関東を経て、2023年12月に倉敷市地域おこし協力隊になりました。

音の世界と音のない世界の狭間に住んでいる、手話と日本語のバイリンガルです。障がいの有無にかかわらず、倉敷を旅して倉敷に住み続けたくなるような情報を発信していきます。

こんにちは、地域おこし協力隊です

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