クラシック音楽の生演奏を聴いたことはありますか?
テレビやラジオで聴いたことはあっても、実際にホールでその響きを全身で味わう機会は、意外に少ないかもしれません。
倉敷管弦楽団は、クラシック音楽を身近に感じられるように、年に3〜4回の公演活動をおこなっており、毎年夏には定期演奏会を開催しています。
そして、今年(2025年)の夏にも演奏会が開催されることを知りました。
第51回定期演奏会は、どのような思いで演奏会に臨み、どのような音楽を届けてくれるのでしょうか。
演奏会のことを詳しく知りたいと思い、取材しました。
記載されている内容は、2025年7月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
倉敷管弦楽団「第51回定期演奏会」について

倉敷管弦楽団「第51回定期演奏会」は、2025年7月27日(日)に開催されるクラシックコンサートです。
演奏を担うのは、2024年に50周年を迎えたアマチュアオーケストラの倉敷管弦楽団。
約80名の団員が「美しい音色と良いアンサンブルで質の高い演奏を」を合言葉に、岡山県倉敷市を拠点として活動を続けています。
第51回定期演奏会は、倉敷管弦楽団が主催し、第1931回トヨタコミュニティコンサートとして、トヨタ自動車株式会社および岡山県のトヨタ販売店のかたがたと協力して開催されます。
指揮者は海外でも活躍し、多くの楽団を率いてきた寺岡清高(てらおか きよたか)さん。
そして、岡山を拠点に活躍するピアニストの中桐望(なかぎり のぞみ)さんを迎え、さらに高い音楽表現に挑戦します。
また、演奏会の開場後30分間は、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスを弾ける楽器体験コーナーが設けられ、子どもから大人まで弦楽器の音を肌で感じることができそうです。
倉敷管弦楽団の槙尾由利恵(まきお ゆりえ)さんに、新たな50年に向けた演奏会についてお話を聞きました。
担当者インタビュー

第51回定期演奏会を開催するに至った背景について教えてください。
槙尾(敬称略)
定期演奏会は毎年夏に開催していて、今回は51回目。
新しい50年のスタートとして「未来へつながる」をテーマに掲げています。
お客様と演奏者が音楽を通じてつながるような演奏会にしたい、という思いがあります。

演奏プログラムの各曲の聴きどころを教えてください。
槙尾
「死の舞踏」は、夜中に死神が骸骨(がいこつ)たちと踊る情景を描いた曲。不気味さと舞踏会のような生き生きとした躍動感が特徴です。骸骨の骨の音を木琴で表現したり、死神をヴァイオリンソロで表していたり、登場人物の描写がとてもユニークと思います。
「パガニーニの主題による狂詩曲」は、作曲家パガニーニの「24の奇想曲」の主題を基にした変奏曲で、独奏ピアノとオーケストラの掛け合いが聴きどころです。特に、第18変奏の演奏は、映画音楽にも使われており、しっとりとした美しさが印象に残ります。
「交響曲第1番 ハ短調」は、ブラームスが21年かけて完成させたという背景がある重厚な曲です。
ベートーヴェンへのオマージュとされる最終楽章のメロディーは、演奏者も感極まるほどです。ブラームスの曲は演奏者にとって難しいですが、やりがいがあります。
ゲストとの共演も楽しみですね。
槙尾
指揮の寺岡清高(てらおか きよたか)さんは、昨年(2024年)の定期演奏会に続き、団員の熱いリクエストにより再びお迎えしました。
ていねいで的確な指導をしてくださる先生です。
曲の背景を説明して理解を深めてくださったり、団員の苦手な部分を把握し、寄り添いながら指導してくださったりしています。
そしてピアノの中桐望(なかぎり のぞみ)さんは、圧巻の技巧力と透明感のある優しい音色が魅力のピアニストです。
岡山を拠点に活動されているので、音楽を通じて一緒に地元を盛り上げられることは、団員にとってもうれしいことです。
練習にも積極的にご協力いただき、一緒に音楽を作り上げてくださいます。

団員の皆さんはどのような思いで練習されていますか?
槙尾
ブラームスのような難曲では、楽譜に書かれている一つ一つの音符や記号を確実に表現できるようになりたいと思っています。
技術力を高められるよう、日々練習を重ねています。
また、お客様に楽しんでいただくことはもちろん、団員自身が音楽を楽しんでいる姿も伝わればうれしいです。
演奏会を楽しむポイントがあれば教えてください。
槙尾
クラシック音楽は堅苦しいイメージを持たれがちですが、実は日常のなかでもよく耳にする音楽です。
日常の延長として、気軽な気持ちで演奏会に足を運んでみてください。
この曲のこのメロディーが良かった、この楽器の音色が気に入った、など「ときめきポイント」を一つでも見つけていただければ、十分に楽しめると思います。
今はどこでも音楽を聴ける時代ですが、生演奏ならではの空気の震えや低音の響きは、やはり特別なものがあります。
その場の空気や時間を、ぜひ体感していただきたいです。

最後に読者へのメッセージをお願いします
槙尾
倉敷管弦楽団は、昨年(2024年)に50周年を迎え、新たな50年へと歩み出しました。
第51回定期演奏会には、ご家族やご友人とお誘い合わせのうえ、ぜひお越しください。
団員一同、心からお待ちしています。
今後も、地域の皆さまにオーケストラやクラシック音楽を楽しんでいただける活動を続けてまいります。
倉敷の市民オーケストラとして、今後とも温かく応援していただけるとうれしいです。

おわりに
クラシック音楽というと、少しハードルが高いイメージがあるかもしれません。
しかし、曲の背景を知ることで、メロディーの一つ一つに物語が浮かび上がり、より深く楽しめることがわかりました。
団員の皆さんは、この演奏会のために4か月も前から練習を重ねてきたそうです。
舞台では華やかに演奏する団員の皆さんですが、その裏には技術力向上への努力や、地域の皆さんと演奏を楽しみたいという熱い思いがありました。
ぜひ会場に足を運んで、生の演奏を全身で感じてみてはいかがでしょうか。
筆者も体感し楽しみながら、自分だけの「ときめきポイント」を見つけてみようと思いました。
第51回定期演奏会のデータ

名前 | 第51回定期演奏会 |
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期日 | 2025年7月27日(日) 午後1時開場 午後2時開演 ※楽器体験は午後1時から午後1時30分まで |
場所 | 倉敷市本町17番1号 |
参加費用(税込) | 1階全席指定 2,000円 2階全席自由 1,800円 学生(大学生以下)1,000円 当日は各500円増 ※小中学生100名は先着順の無料招待があります |
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