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ジェラート オブラーテ. 〜 ジェラートの本場イタリアの味を玉島で!フィレンツェで修業した元 牛乳屋店主のジェラート専門店

ジェラート オブラーテ. 〜 ジェラートの本場イタリアの味を玉島で!フィレンツェで修業した元 牛乳屋店主のジェラート専門店

買っとこ / 2023.06.10

オブラーテの代表でジェラート職人・西野大輔さんへインタビュー

オブラーテ:西野大輔さん

オブラーテの代表でジェラート職人である西野 大輔 (にしの だいすけ)さんにインタビューをしました。

 

インタビューは2020年11月の初回取材時に行った内容を掲載しています。

家業の牛乳配達からアイスクリーム卸売へ

オブラーテ:西野大輔さん

まず、開業の経緯を知りたい。

西野 (敬称略)

実は、私の実家は玉島で牛乳配達の会社をしていました。

そして私も家業を継いで、牛乳配達の仕事をするようになったんです。

その後、他社との差別化のため、家業とは別に新たな事業を始めました。
それは島根県の木次乳業(きすき にゅうぎょう)の牛乳の配達です。

岡山県で木次乳業の牛乳を配達したのは、私の会社が初めてでした。

なぜ、木次乳業にこだわった?

西野

木次乳業はとてもこだわりのある牛乳づくりをしていまして、私は一番の牛乳だと思っています。
だから岡山のみなさんにも、ぜひ飲んでみてほしかったんですよ。

それで、せっかくこんなにおいしい牛乳なんだから、この木次乳業の牛乳をつかって何かおいしい商品はつくれないかなと考えていました。

そこで思いついたのが、アイスクリームだったんです。
ただ、最初は今のように自家製でつくっていません。

知人でアイスクリームを製造しているかたがいまして、そのかたに材料を渡して、アイスクリームの製造を委託しました。

アイスクリームをメインにしたのは、このころ?

西野

いいえ。このときは卸売がメインで、自分で売ったのはイベント出店のときくらいです。

その後、アイスクリームの卸売で大口の仕事をするようになりました。
これを機に牛乳配達の事業は知人に売却し、アイスクリームの卸売を専業にしたんです。

でも、あるとき「自分でもアイスクリームをつくれるものなのか?」と疑問に思って、試しに本と機械を買ってアイスクリームをつくってみました。

すると、案外おいしいものができたんです。

それがきっかけで、アイスクリームづくりを本格的に勉強し始めました。

差別化のためジェラートづくりを決意。本場の味を学びにイタリア・フィレンツェへ

オブラーテ:西野大輔さん

卸売から自分の店で販売するようになったのは?

西野

卸売は、取引先となる企業・店があって成り立ちます。

なので取引先からの注文がなかったら、厳しいですよね。
それで自分の店を持って販売する必要性を感じるようになったんです。

アイスクリームの勉強を始めたとき、アイスクリームよりジェラートのほうがいいなと思い、ジェラートの店を出すことに決めたんです。

ジェラートをつくるのが楽しかったのと、自分が食べてみてジェラートの味が好みだったので。

あと岡山県ってジェラート店って郊外にあったりするんです。
牧場併設とか。

だから、市街地でジェラート店をするのもいいんじゃないかと考えました。

その後、東京のジェラートの講習会に参加したりもしましたね。

ただジェラートの勉強を始めたのは、私が40歳前のころ。
年齢的に不利なぶん、本物のジェラートをつくることに力を入れ、カバーしようと考えました。

それでジェラートの本場・イタリアへ修業に行く決意をしたんです。

オブラーテ:西野大輔さん

どうやって修業先を探した?

西野

イタリアは、自分の国の伝統工芸や芸術を他国の人にも教えようという学校があるんですよ。
「アカデミア・リアチ(Accademia Riaci)」という学校でして、なんと日本にも事務局があるんです。

その学校に、ジェラート発祥の地であるフィレンツェでジェラートづくりを学べるコースがありました。

それで、アカデミア・リアチに入学し、フィレンツェに短期留学という形でジェラートづくりを学ぶことにしたのです。

時間がなくて、イタリア語は挨拶程度しか勉強しませんでしたが、身振り手振りと、現地で覚えた言葉でなんとかなりました(笑)。

学校は店での実務研修がメインだったから、イタリア語があまりできなくても対応できることが多かったんです。
あと学校に、日本人スタッフがいたことも助かりました。

その後、帰国してから出店準備を始めましたが、2年くらいかかりましたね。

思い出の地・フィレンツェのオブラーテ図書館にちなんで「オブラーテ」と命名

オブラーテ:西野大輔さん

土地や建物はどう準備した?

西野

土地は、実家の所有地です。

ログハウスの塗装は自分でやったんですよ。

ただ冬の時期だとうまく塗ることができないので、暖かくなるまで作業ができませんでした(笑)。

開店まで長くかかったのは、これも原因です(笑)。

それで2018年(平成30年)4月29日、ちょうどゴールデンウィークの頭に開店しました。

なお、アイスクリームの卸売は縮小しています。

店名の由来は?

西野

フィレンツェにある「オブラーテ図書館」から取りました。

フィレンツェでの修業時代、修業先の店の近くにオブラーテ図書館があったんです。
仕事のあとや休日に、よくそこで勉強していました。

また、オブラーテ図書館でいろいろなかたとのふれあいがありました。

オブラーテ図書館が思い出の地というのと、オブラーテ図書館のように店がいろいろなかたの憩いの場所になればいいなという思いを込めて、「オブラーテ」という店名にしたんですよ。

セオリーにとらわれない自由な発想のジェラートづくりにこだわる

オブラーテ:西野大輔さん

オブラーテのジェラートの特徴やこだわりを教えてほしい。

西野

特徴は、ジェラートに関する発想の自由さですね。

私は、もともと牛乳屋。
ジェラートはもちろん、デザートや料理のプロではありませんでした。

だから本来のセオリーどおりではない、独自の発想でジェラートづくりができるのが強みだと思います。

素材の組み合わせ、味わいのバリエーションなど、型にはまらないで研究しています。

だから、おもしろい味のジェラートができたりしていますね。
「これ、おいしい」と思ったものは、まず店に出してみるようにしています。

毎月最低1種類は、新商品を出すように心掛けているんです。

あと、実はイタリアで学んだジェラートの知識やノウハウは、まだまだあるんです。
これから引き出しを少しずつ出していきますよ!

商品以外の特徴は?

西野

外観でのこだわりでは、あえて海外風にしていることです。

玉島市街地のイメージとしては、町並保存地区のような古い雰囲気や、昭和時代を思い起こさせるレトロな印象ですよね。
日本的な印象が強いと思います。

だからこそ、あえてそれとは正反対の西洋風にしたんです。
ログハウスにしたのもそのため。

看板などがアルファベットのみなのも、西洋風のイメージのためです。

店内のオブジェクト類も、イタリアを思わせるものを置きました。

お客さんの特徴は?

西野

もう老若男女、年齢も性別も問わずバラバラで、幅広いお客さんに来ていただいています。

最初は若い女性が多いかと思いましたが、実際に営業をしてみるとみなさんジェラートが好きなんだなと思いましたね(笑)。

リピーターも多く、ありがたく思います。

ただリピーターのかたを見ていると、大きく2種類のかたがおられました。

ひとつはいつも決まった種類を注文されるかた。
もうひとつは、いつも違うものを注文して、いろいろな種類を食べてみるかたですね。

昔の駄菓子屋のような地域に愛される店を目指す

オブラーテ:西野大輔さん

最後に、今後の抱負や展望、やってみたいことを教えてほしい。

西野

工房は少し離れたところに借りているので、店と同じ敷地内に移転するのがひとつの目標です。

それとイートインのスペースを広げたいという気持ちもありますね。
実家の所有地なので、土地に余裕があるのは幸いです。

あとは、玉島市街地の活性化に当店が貢献できればいいなと思います。

玉島市街地は駅から離れていて少し人が来にくい場所です。

当店目当てに玉島市街地まで足を運んでもらい、あわせて玉島の街を散策してもらえたらいいですね。

さいごに地域のかたに対して、当店が昔の駄菓子屋のような店になることが目標です。

今は昔の駄菓子屋のような、地域のかたが気軽に行ける、地域に根差した店が少なくなっていますよね。

だから当店がそんな店になってほしいんですよ。

今、地元の年配のご夫妻が買いに来てくれたり、小学生がお小遣いで食べに来たりすることもありまして、正直うれしいですね。

玉島市街で本場イタリア・フィレンツェのジェラートを満喫!

別の日に購入した「抹茶」と「クッキーミルク」のダブルカップ
別の日に購入した「抹茶」と「クッキーミルク」のダブルカップ

取材で初めてオブラーテのジェラートを食べましたが、もっとたくさん食べたくなるようなおいしさでした。

冬でも食べたくなるほどで、そう感じたジェラートは生まれて初めてです。

本当に素材の風味が濃厚に感じられ、さらに甘さもちょうどいいあんばい。
食べたあともサッパリとして、甘さが後に引かないのがいいと思いました。

いろいろな種類があるので選ぶのも楽しく、子供から年配までファンが多いのもうなずけます。

しかも時季限定のジェラートなど、新商品が定期的に登場するのも楽しみです。

駐車場もあるので、ドライブがてらにオブラーテに立ち寄って、ジェラートを味わってみてはいかがでしょうか。

ジェラート オブラーテ. (GELATO OBLATE.)のデータ

オブラーテ:外観
名前ジェラート オブラーテ. (GELATO OBLATE.)
住所岡山県倉敷市玉島3丁目9−24
電話番号080-9130-4400
駐車場あり
5台
(店の向かいの排水場の駐車場も1時間以内なら利用可能)
営業時間午前11時〜午後6時
※冬季:午前11時〜午後5時30分(冬季の具体的な期間は決まっていない)
定休日月、火
祝日の場合は、後ろにズレて休業
(例)月が祝日:火曜、水曜が定休日
支払い方法
  • 現金
  • PayPay
予約の可否
取り置き可能
座席なし
※屋外にベンチ、飲食スペースあり
タバコ
トイレ
子育て
バリアフリー
ホームページオブラーテ:公式Instagram
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アサノ ・ヨウスケ

アサノ ・ヨウスケ

フリーランスの取材・インタビューライター、フォトライター。地域の文化・地理・歴史・食べ物などに精通。企業の社員インタビューや事例紹介、採用コンテンツも。地域情報サイトも運営。
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