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嶋屋製菓 栄堂 〜 地元水島で愛された老舗の味と技を受け継ぐ和洋菓子店。新技術を生かした商品づくりも

嶋屋製菓 栄堂 〜 地元水島で愛された老舗の味と技を受け継ぐ和洋菓子店。新技術を生かした商品づくりも

買っとこ / 2020.12.19

最中(もなか)などの和菓子は、手土産の定番のひとつです。

せっかく手土産を選ぶなら、地域に愛されている店や商品がいいですよね。

そんなときにピッタリの店が、倉敷市水島にある「嶋屋製菓 栄堂 (しまやせいか さかえどう、以下 栄堂)」です。

水島には昭和25年に創業し、長きにわたり地域で愛されてきた和洋菓子店がありました。

その老舗の味と技術を継承し、後世に伝えるために立ち上がったのが栄堂なのです。

さらに栄堂を運営する企業は3Dプリンターの技術をもっており、これを商品づくりに生かし、新しいユニークな商品も登場。

そんな歴史と伝統を守りながら、新しい技術も使った商品もつくる栄堂について、魅力を探っていきます。

記載されている内容は、2020年12月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。

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嶋屋製菓 栄堂のデータ

栄堂:外観
名前嶋屋製菓 栄堂
住所岡山県倉敷市水島西栄町8-2
電話番号086-448-0001
駐車場あり
・西隣の瀬戸内エンジニアリングの駐車場に2〜3台駐車可能
・倉敷市営水島東栄町駐車場に駐車した場合、1時間無料券あり
営業時間午前9時〜午後6時
定休日
支払い方法
  • 現金
  • クレジットカード
  • Suicaなど交通系ICカード・iD・QUICPay・PayPay・LINE Pay・d払い・au PAY
ホームページ嶋屋製菓 栄堂

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栄堂は水島の老舗和洋菓子店の味を受け継ぐ

栄堂:店内

栄堂は倉敷市水島地区の栄町にある和洋菓子店です。

瀬戸内エンジニアリング 株式会社が運営し、同社の隣にあります。

栄堂自体は平成30年(2018年)にオープンしました。
しかし、栄堂には前身となる和洋菓子店があります。

栄堂と同じ水島の弥生町にあった「弥生堂 (やよいどう)」という店です。

弥生堂は昭和25年(1950年)に創業した老舗でしたが、平成29年(2017年)に廃業。
67年の長い歴史に幕が下ろされました。

栄堂:店内

しかし、水島で愛されてきた伝統の菓子と味を残して伝えていくため、瀬戸内エンジニアリングが栄堂を開業したのです。

なお、瀬戸内エンジニアリングは主要事業は和洋菓子ではなく、機械やプラント設備・土木建築・情報システムなどの設計・開発・制作・保守など。

また「ファブラボ倉敷水島β」などの運営もしています。

栄堂のおもな商品

栄堂:いちご大福
いちご大福 (提供:嶋屋製菓 栄堂)
令和2年(2020年)11月時点の情報。価格は消費税込

栄堂は和菓子から洋菓子まで扱っています。

ラインナップは、以下のようなもの。

  • 最中 (もなか)
  • カステラ
  • ロールケーキ
  • 季節の大福 (いちご大福、シャインマスカット大福、栗大福など)
  • 生菓子
栄堂:シャインマスカット大福
シャインマスカット大福 (提供:嶋屋製菓 栄堂)

弥生堂時代から受け継がれた菓子、栄堂オープン後に新たにつくられたもの、さらに他社とのコラボレーションしたものまでたくさん。

栄堂:クリ大福
栗大福 (提供:嶋屋製菓 栄堂)

複数の商品が詰められたセットもあります。

なお栄堂の公式ウェブサイトでは、一部の商品がオンラインで取り寄せ可能です。

栄堂:生菓子
生菓子 (提供:嶋屋製菓 栄堂)

栄堂の代表的な商品を紹介しましょう。

「最中」はいろいろな種類がそろう

栄堂:源平最中と藤の花最中

栄堂では、最中がいろいろそろっています。

最中の中のあんは、基本的にどれも同じです。

栄堂の最中の特徴を紹介しましょう。

栄堂の最中のポイント 1:北海道産の大納言小豆を使った黒粒あんと、白小豆を使った白粒あん

栄堂の最中は同じあんですが、黒粒あん白粒あんの2種類があります。

黒粒あんは、弥生堂時代から受け継がれた味と技法でつくられているのです。

栄堂:粒あん
栄堂の黒粒あんのポイントは使っている小豆
栄堂 小出さん

主原料となる小豆は、北海道産の大納言小豆です!

黒粒あんを食べると、コリコリとした小豆のシッカリとした食感があります。
小豆の存在感があるのです。

そして、柔らかくしっとりとした舌触りのあんの中、小豆の粒がアクセントになっています。

甘さはほどよく、最中種(皮)の香ばしさと相性がバッチリです。

いっぽう、白粒あんは白小豆を使っています。

栄堂:白あん
艶のある美しい生成色をした白粒あん

一般的に白あんは、白インゲンマメを使うことが多いのですが、栄堂では白小豆にこだわっているのです。

栄堂 小出さん

白小豆は、白インゲンマメに比べると生産量が少ない希少なものなんです。
白小豆のみで練り上げているので、小豆本来の風味が味わえますよ!

黒粒あんと同じく、白粒あんも白小豆の食感がシッカリと感じられ、アクセントになっています。

また、白粒あんは黒粒あんよりもサッパリとした上品な甘さ。
最中種の香ばしさとよく合います。

栄堂の最中のポイント 2:3Dプリンターの技術を応用した最中種

栄堂を運営する瀬戸内エンジニアリングは、3Dプリンターの技術があります。

そのため3Dプリンターの技術を最中づくりに応用しているのです。

栄堂 小出さん

栄堂では、3Dプリンターで最中種(もなかだね=最中の皮)の型をつくっているんですよ!
それを元に最中種専門店に製造を依頼しているんです。

だから、さまざまな形のオリジナル最中が製造可能に。

これまで他企業とコラボレーションし、ロケット型の最中や自動車型の最中を製造・販売しています。

栄堂:ロケットもなか
MASCとのコラボ「ロケットもなか」
栄堂:ロケットもなかの型
ロケット最中の型
栄堂:くるまもなか
三菱自動車 水島製作所とのコラボ「くるまもなか」
栄堂:くるまもなかの型
くるまもなかの型

ほかにも一般販売されていませんが、企業や幼稚園・小中学校等とのコラボにより記念品用の最中などもつくっているのです。

ちなみに、栄堂の最中種はモチ米100%。
なので歯に引っつきにくく、パリパリッとしていて食べやすいと感じました。

「水島灘 源平最中」は弥生堂時代からの代表菓子

栄堂:源平最中

水島灘 源平最中 (みずしまなだ げんぺい もなか)」は、栄堂を代表する菓子のひとつです。

なんと、昭和25年の弥生堂の創業時からあります。

水島灘 源平最中は、平安時代末期の寿永2年(1183年)に、現在の倉敷市水島地区から玉島地区でおこった「源平水島合戦」をモチーフとする菓子です。

栄堂:源平水島合戦絵図
店内に掲げられた林原美術館所蔵『平家物語 水島合戦』絵図の複製

二枚貝の形をした香ばしくパリパリッとした最中種の中には、栄堂自慢の黒粒あんがタップリと詰まっています。

栄堂:源平最中
これでもかと黒粒あんが詰まっている

なお、水島灘 源平最中は、黒粒あんのみです。

入数価格(税込)
1個160円
5個800円
10個1,600円
15個2,400円
20個3,200円
水島灘 源平最中 価格表

「倉敷 藤の花最中」は倉敷市花のフジがモチーフ

栄堂:藤の花最中

倉敷 藤の花最中」は、倉敷市花のフジの花が描かれた、菱形の最中です。

倉敷中心部にある阿智神社の日本最長寿のフジ「阿知の藤」をモチーフにしています。

栄堂:藤の花最中
裏側には「藤の花」の文字

藤の花最中は、栄堂が誕生してから生まれた商品。

実はこの藤の花最中も、3Dプリンターを使って最中種の型がつくられました。

栄堂:藤の花最中
最中種は、白粒あんのおいしさを引き立てるため薄めに

藤の花最中は、白粒あんのみ

薄めの最中種の中には、栄堂こだわりの白小豆の白粒あんがタップリです。

入数価格(税込)
1個160円
5個800円
10個1,600円
15個2,400円
20個3,200円
倉敷 藤の花最中 価格表

「みずりん最中」は水島臨海鉄道とのコラボ商品

栄堂:みずりん最中

みずりん最中」(1箱 1,000円)は令和2年(2020年)11月の取材時、もっとも話題になっている商品です。

みずりん(水臨)は、倉敷中心部と水島地区を結ぶ鉄道・水島臨海鉄道の略称。

令和2年で水島臨海鉄道が営業開始50周年を迎えるにあたり誕生した、コラボレーション商品です。

栄堂:みずりん最中
パッケージも車両を模したデザインでかわいらしい

最中種は白っぽい色で丸い形。

その上に、水島臨海鉄道の列車が5種とロゴマークがプリントされています。

栄堂:みずりん最中
左上から時計回りに、キハ38形式、MRT300形式、キハ30形式、DD50形式、ロゴマーク、キハ37形式

みずりん最中は6つ入りで、それぞれ黒粒あん3つ、白粒あんが3つ入っています。

栄堂:みずりん最中
黒粒あん入り・白粒あん入りの断面のようす

みずりん最中は、鉄道マニアにはたまらない商品ではないでしょうか。

かつて私は、仕事で水島臨海鉄道に関わったことがあるので、とても気になる商品でした。

「栄堂かすてら」「抹茶かすてら」は本場・長崎流の製法を受け継ぐ

栄堂:かすてら

栄堂かすてら」は、弥生堂時代からあり、長年にわたってお客さんに人気がある商品です。

本場・長崎カステラの製法を受け継いていて、懐かしい味わいをしています。

美星町産の新鮮な卵を使い、小麦粉を独自に配合した生地にはレンゲハチミツを加えるのが特徴です。

栄堂:栄堂かすてら
かすてらの袋を開けた瞬間、甘い香りが!

食べると非常にフンワリとしたやわらかな食感で、とてもシットリとしています。
上品な甘さでしつこすぎず、食べやすい印象です。

抹茶かすてらは、抹茶をタップリと生地に練り込んだカステラです。

栄堂:抹茶かすてら
若草色の生地と茶色い外側のコントラストが美しい抹茶かすてら

厳選した抹茶を用いることで、鮮やかな色と濃厚な抹茶の風味が楽しめます。

また、生地に希少なレンゲハチミツを使用しているのもポイントです。

抹茶かすてらを食べると、やさしい甘さの中に、ほろ苦くシッカリとした抹茶の風味が香ります。

入数価格(税込)
1個栄堂:150円
抹茶:170円
6個 (栄堂3+抹茶3)960円
1斤栄堂:1,300円
抹茶:1,400円
2斤栄堂:2,600円
抹茶:2,800円
かすてら 価格表

「イタリアンロール」は三層の味わいが楽しめるロールケーキ

栄堂:イタリアンロール

イタリアンロール」(1個 160円)は、栄堂のオリジナル・ロールケーキです。

外側はシュー生地で、内側はカステラ生地になっており、中には自家製バタークリームを入れ、渦巻き状に巻いています。

弥生堂時代に人気がありましたが、栄堂開業もお客さんから多くのリクエストがあり、復活した商品です。

栄堂:イタリアンロール
シュー生地、カステラ生地、バタークリームの味の三重奏が楽しめるのがイタリアンロールの魅力

食べてみると、外側のシュー生地はプニプニッとした弾力のある食感で香ばしい。
そして、カステラ生地はサッパリとした味わいで、フンワリとしています。

中のバタークリームはトロリとした舌触りで、コクのある甘さ。
全体的にはサッパリとした印象で、甘さ控えめな味わいです。

懐かしさのある味わいで、もう一度食べたくなるうまさだと思いました。

なお、イタリアンロールの一本巻(1,800円)が欲しいときは、必ず2日前までに電話予約してください。

またイタリアンロールは店頭販売のみです。

かつての老舗・弥生堂から続く和洋菓子の味を今に受け継ぐ嶋屋製菓 栄堂。

そんな栄堂を運営する瀬戸内エンジニアリング 株式会社の管理統括本部・小出 博之 (こいで ひろゆき)さんにインタビューをしました。

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嶋屋製菓 栄堂のデータ

栄堂:外観
名前嶋屋製菓 栄堂
住所岡山県倉敷市水島西栄町8-2
電話番号086-448-0001
駐車場あり
・西隣の瀬戸内エンジニアリングの駐車場に2〜3台駐車可能
・倉敷市営水島東栄町駐車場に駐車した場合、1時間無料券あり
営業時間午前9時〜午後6時
定休日
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フリーランスの取材・インタビューライター、フォトライター。地域の文化・地理・歴史・食べ物などに精通。企業の社員インタビューや事例紹介、採用コンテンツも。地域情報サイトも運営。
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栄堂:源平最中と藤の花最中

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