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【仮店舗】手打ちうどん さるや 〜 「普段の生活」に戻ることを目標に、真備町の自宅で営業するうどん店

【仮店舗】手打ちうどん さるや 〜 「普段の生活」に戻ることを目標に、真備町の自宅で営業するうどん店

食べとこ / 2018.10.17

店主「柴田勇樹さん」にインタビュー

看板と店主の「柴田勇樹」さん

仮店舗での営業開始から数日経ちますが、少し落ち着いてきましたか?

柴田

見てのとおり、テントで営業しているので、例えば「風が強いとき」は大変です。火も使いますし、正直かなり苦労しています。

ただ、

ボーッとしているよりはいい

と思ってますし、こんな状況でも「生活していかなきゃいけない」ので、少しずつでも動いています。

お陰様で、メディアにも取り上げていただいたりして、再開に向けて、動いていることを発信できたことに価値があると思っています。

正直、今はまだ話題になって、たくさんのお客様にお越しいただいたとしても、このような店舗なので十分な対応はできません。

また、僕自身もそうですが、ご近所のかたがたも今後、自宅解体などの動きもあるため、この場所で長く続けることはできないと思っています。

被災時の状況

自宅の一部を仮店舗として利用している

今、仮店舗としているご自宅ですが、見るからに新しいお宅ですよね……。被災時にさまざまな思いがあったかと思いますが、当時のこと可能な範囲でお聞かせいただけないでしょうか。

柴田

店舗はもちろんですが、まだ築1年ほどだったこの自宅、近所にある実家が被災しました

幸い、三人の家族(妻、中学生・小学生の子供)は全員無事です。

7月7日の深夜に、総社のアルミ工場(朝日アルミ産業)の爆発がありましたよね。

あの時(7月7日午前1時くらい)、まだ水は大したことなかったですが、「やばいから逃げよう」ということで、比較的高台にすんでいる親戚の家に、車で移動して避難しました。

それで難を逃れたんです。

ただ、正直水害に合うなんて、全く想像してなかったですね……。

現在の生活

店主の「柴田勇樹」さん

現在の生活について、教えてください。

柴田

被災後、避難所などには入らず、粒江(岡山県倉敷市粒江)にある妻の実家に避難しました

自宅の整理などで、真備に戻る感じですね。

災害ボランティアセンターからボランティアも2回お越しいただき、泥かき・家財搬出を手伝っていただきました。

岡山だけで無く、全国各地からお越しいただいていて、驚いたんです。

ピーク時は平日でも1000人以上訪れていた、倉敷市災害ボランティアセンター

災害ボランティアセンターでは、主に受付をしていたのでよく分かるんですが、特に週末はピーク時で1,000人以上、岡山県内の人のかたが少ないくらい、各地からお越しいただいていたんですよ

柴田

そうなんですか!

こんなことでも無ければ、真備に訪れることなんて恐らくないですよね。本当にありがたい話です。

今は、まず近くにある実家を解体し、再建するのを最優先で進めています

妻と子供は、妻の実家で今も暮しています。

僕はお店のことがあるので、みなし仮設住宅に入っています。

妻の実家で、早朝から仕込みとかできないじゃないですか……。

かといって、みなし仮設住宅、つまりアパートですが、調理できるような環境じゃありません。

とりあえず狭いですし、アパートとはいえ、住人のかたもいらっしゃいますし、早朝から大きな音を出すわけにも行きません。

どちらにせよ大変ですね。

ただ、「生活していかなきゃいけない」わけじゃないですか。

そのためにできることを、少しでもやっていくしかないと思っています。

店舗の今後について

店ができることが嬉しいと語る、店主の「柴田勇樹」さん

現在仮店舗として、ご自宅の一角を利用し営業されていますが、お店も含めた今後の予定など、ある程度決まって来たのでしょうか。

柴田

元のお店は、賃貸でした。

オーナーさんも同じく被災していて、まずはご自宅が優先ですから、元のお店で営業できるのは当分先というか、多分無理だろうなと思っています。

なので、今の仮店舗である自宅周辺で、本格的に営業できないかを考えています

スーパーハウス(ユニットハウス)というのがあるそうで、これを店舗にできないかなと調べている段階です。

とはいえ、資金の問題もあります。

公費での解体は今年度一杯(2019年3月まで)ですし、店舗だけでなく自宅のことも考えないといけません。

被災して、何気ない「普段の生活」って貴重だったんだなと思い知りました

当たり前にできていた、「犬の散歩」すら7月7日以来できていません。

ペットとして飼っていた犬がいるんですが、今は姉の家でお世話になっています。

お店も手伝ってもらっていますが、いろいろなかたの支えでなんとか生活できているんです。

早く「普段の生活」に戻りたいです。

そのためにも今は、

頑張っている姿を見せて行きたい

と思っています。

【仮店舗】手打ちうどん さるやのデータ

名前【仮店舗】手打ちうどん さるや
住所井原線「吉備真備駅」前
電話番号
駐車場なし
営業時間午前11時〜午後3時
※麺がなくなり次第終了
定休日不定休
支払い方法
  • 現金
予約の可否不可
座席テーブル数:4
※最大で20名程度
タバコ
トイレ
子育て
バリアフリー
ホームページさるや公式Instagram
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戸井健吾

戸井健吾

1979年生まれ、倉敷市在住
2児の父親

システムエンジニアの仕事に携わりながら、ブログ・イベント運営など様々な仕事を行っています。

現在は当メディアを運営する一般社団法人はれとこの代表理事を務めつつ、フリーランスとしても活動中。

自分自身が美観地区を楽しみながら、「行ってみたい」と思える情報を発信することをモットーにしています。

信頼できるWEBメディアになれるように、メンバーが一丸となって運営しています。

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