倉敷市玉島エリアは、フルーツ王国岡山でも特に果樹栽培が盛んな地域のひとつです。
新倉敷駅の北西部に位置する八島(やしま)地区は、古くからの桃の産地で、春になると山の斜面を桃の花が一面ピンク色に染めます。
銀行員から脱サラして飛び込んだ家業に奮闘する「なんば農園」代表の、若手生産者ならではの新しい取り組みを取材しました。
記載されている内容は、2025年5月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
なんば農園の紹介
なんば農園の歴史は今から60年以上前に、現園主のおじいさんが倉敷市玉島八島地区にて始めた桃栽培から始まりました。以来、糖度にこだわった桃作りを続けています。
そして2019年に家業を引き継いだのが、創業者の孫で三代目園主の難波頌治(なんば しょうじ)さん。
大学卒業後、6年間銀行員として勤めたのちに脱サラし、農業の世界に飛び込みました。
家業を引き継いで以降は、桃の栽培だけではなくレモンなどの栽培にも取り組み、通信販売による直販、各地で開催されるマルシェへの出店・販売も精力的におこなっています。

現在は難波さんとご両親の3人で、約1ヘクタール(約100m四方)の桃畑に6品種、約20アール(約45m四方)のレモン畑に3品種を栽培しています。
栽培している果樹について
なんば農園では以下の果樹および品種を栽培しています。
桃

桃は極早生(ごくわせ)から晩生(おくて)までの5品種と、年末にかけて出荷される冬桃の計6品種を作っています。
品種 | 特徴 |
---|---|
はなよめ | 極早生品種。小ぶりでかわいらしい見た目が特徴です。果肉は柔らかく、甘みと酸味のバランスが良く、ジューシーで、上品な香りがします。 |
日川白鳳 | 早生品種。果皮は濃い紅色で、果肉は繊維が少なく果汁が豊富でジューシーです。 |
白鳳 | 果肉が緻密で柔らかく、甘みと酸味のバランスが良いのが特徴です。また、日持ちも良く、おいしい桃として人気があります。 |
清水白桃 | 岡山県を代表する白桃で、芳醇な香りが特徴です。果皮は上品な乳白色、果肉は果汁が多く甘みがあります。 |
白麗 | 岡山県にて開発された品種で、大玉で糖度が高く、渋みが少ないのが特徴です。 |
冬桃 | 11月~12月にかけて収穫される、珍しい品種の桃です。夏の桃と比べると小ぶりで、固めの食感ですが、甘みと香りが強く、お歳暮向けに人気があります。 |
極早生(ごくわせ)
開花から収穫までの期間がとても短い品種
早生(わせ)
開花から収穫までの期間が短い品種
晩生(おくて)
開花から収穫までの期間が長い品種
桃の収穫は(冬桃を除き)6月から8月にかけて続きます。
レモン

レモンは3品種を栽培しています。
品種 | 特徴 |
---|---|
リスボン | 香りと酸味が強く、レモンらしい風味が味わえる品種。 |
ユーレカ | 収量が多く、香りと酸味が強い品種。 |
マイヤー | 酸味や苦みが少なく、やや甘い香りが特徴的な品種。 |
レモンの収穫は秋から翌春までの長期間にわたり続きます。
果樹加工品の紹介

桃やレモンを栽培していると、そのままでは商品として販売できない規格外品が発生します。
なんば農園ではそれらを有効活用するためにも、白桃のあまざけをはじめとした加工品の商品開発にも力を入れています。
なんば農園 三代目園主の難波頌治さんに、果樹栽培へのこだわりや商品開発、今後新たにやってみたいことなどを聞きました。