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愛道園 代表の金光 真吾さんへインタビュー
老舗でありながら、新しい食べ方も積極的に提案してる愛道園。
そんな愛道園の代表・金光 真吾(かねみつ しんご)さんにインタビューをおこないました。
インタビューは2019年9月の初回取材時に行った内容を掲載しています。
愛道園は昭和30年代に創業し、現在は三代目
愛道園は老舗ですが、創業はいつですか?
金光
愛道園は、1955年(昭和30年)の創業です。
お店を始めたのは、母方の祖父母。
1985年(昭和60年)には、串揚げの店も併設しました。
その後、私の両親が跡を継ぎ、私で三代目です。
2017年(平成29年)に店をリニューアルしたのですが、そのときに串揚げは終了し、焼肉のみになっています。
最初は焼肉店を継ぐつもりはなく、イタリアンやフレンチの道へ進んだ
お店を継ごうと思ったのは、なにかきっかけがあったんでしょうか?
金光
もともと私は、京都の出身なんです。
両親が愛道園を継ぐことになって、私も両親とともに倉敷に来ました。
でも、私は焼肉店を継ぐつもりはなかったんですよ。
料理には興味があったので、料理の道に進もうとは思ったのですが、焼肉は嫌でしたね(笑)。
そして、イタリアンかフレンチの道に進むことに決めて、学校を卒業してから岡山のレストランで働き始めました。
しかし、祖母が高齢で働けなくなり、私が店に入って手伝うようになったんです。
2007年(平成19年)ごろのことでしたね。
ちょうどそのころ、まわりの同世代の友人が独立してお店を持ったり、すでにお店を持ってがんばっている人に出会ったりしました。
その影響を受けて、私もお店をがんばってみようという気持ちが芽生えたんですよ。
そうしたら、だんだんとおもしろくなってきて。いまでは三代目です。
焼肉店はお客同士の交流が生まれるのが醍醐味。リニューアルしてもそれは変わらず
焼肉店の仕事をはじめてみて、焼肉の魅力は何だと感じましたか?
金光
焼肉の魅力は「お客さん同士のコミュニケーションや交流が自然と生まれる空間」だと思います。
以前の愛道園の店舗は、煙がモクモクとたちこめるような「昭和の焼肉店」を絵に描いたような店でした。
店内も、隣の人と肩と肩がぶつかるようなゴチャゴチャとした空間。
でも、だからこそお客さんが仲良くなれるんです。
肉を焼きながら会話が弾む、そんな楽しい場所だと思います。
しかし、時代の流れで昔ながらのお客さんだけでなく、新しいお客さんも取り込んでいかないといけません。
そこで、最初に2013年(平成25年)に2階を改装、2017年(平成29年)に1階を改装して、現在のようにリニューアルしました。
若い人や女性が来やすい、おしゃれな店に変わっています。
でも、リニューアルしても「お客さん同士のコミュニケーションや交流が自然と生まれる空間」というコンセプトは変わっていません。
バル・バーなども、お客さん同士のコミュニケーションが生まれるところです。
なので、バルやバーのようにお客さん同士のコミュニケーションが生まれる焼肉店という意味で「肉バル」をコンセプトにしました。
万葉牛は生産者の顔が見えるのが魅力
愛道園では「万葉牛」を推していますが、万葉牛の魅力や、万葉牛を知ったきっかけなどを教えてください。
金光
万葉牛は、リニューアル後に来た万葉牛の営業マンのかたの熱い思いが伝わってきて、使ってみようかなと思いました。
そのかたは「はなふさ」という鳥取県の肉の卸業者で、出会ったときの第一印象からその熱さが伝わってきました。
彼と出会っていなかったら、私は万葉牛と出会っていないといっても過言ではありません。
実は牛肉って、野菜や果物と違って生産者の顔がわかりにくいんですよ。
でも、万葉牛は生産者と強くつながっていて、生産者の顔がわかるんです。
そこに万葉牛への安心や信頼を感じています。
お客さんも、そのほうが安心ではないでしょうか。
万葉牛は、とくにモモ系の肉がすばらしい。
サシがきれいにスーッと入っていて、食べると口溶けがよく、うまみが口に残る深い味わいなんです。
脂が脂っこくなく、脂がうまみになっていておいしいんですよ。
現在(2019年)、岡山県で万葉牛の認定店になっているのは、愛道園をふくめて2店だけです。
ちなみに、当店では谷口 拓也さんの万葉牛をおもに扱っています。
実際に私自身が、鳥取にある谷口さんの畜産場に行って見学したり、生産者の谷口さんと話をしたりしました。
そのときに谷口さんから聞いた飼育理念・熱い情熱に惚れ込んだんですよ。
お客さんが楽しめる新しいメニューや食べ方を提案していきたい
お店を運営する上での工夫やこだわりはありますか?
金光
お客さんが楽しめるようなメニューや食べ方を考えています。
今は「肉と野菜」をテーマにしているんです。
たとえば、万葉牛のシンシンという部位と、鳥取産の肉厚シイタケを合わせてみたり、肉に焼きナスを挟んで食べてみたりというような食べ方を考えました。
あと、気をつけていることは、お客さんにしっかりと説明をすること。
焼肉は、最後にお客さん自身に仕上げてもらって完成するものです。
だから、愛道園オリジナルの食べ方の焼肉やメニューは、その焼き方・食べ方をていねいにお客さんに説明しています。
ほかのスタッフも説明できるように、教育に力を入れていますよ。
私は、焼肉店の前はレストランの経験がありますので、その経験を生かして、焼肉のジャンルをはみ出さない範囲で、新しい食べ方にドンドン挑戦して提案していきたいですね。
地域のお店同士の交流が生まれれば地域活性化に役立てる
愛道園は老舗ですが、倉敷の地域との関わりなどはありますか?
金光
「ハレノミーノくらしき」に参加していますが、地域活性化に一役買いたいと思って参加しました。
ハレノミーノくらしきがいいなと思ったのは、お客さんがいままで行ったことがなかった店、気になっていたけど行きづらかった店に行くきっかけになることですね。
また、地域でのお店同士の交流が深まるのもいいと思いました。
お客さんに「このあとどこか行きたいけど、おすすめの店はある?」と聞かれることがあるんです。
そんなときに、お店の同士の繋がりがあれば、ちゃんと理由を説明して紹介できますよね。
「平成30年7月豪雨」の影響は?
金光
お店は大丈夫でした。
郊外にある自宅は、一時用水路が増水して危険でしたが、事なきを得ています。
平成30年豪雨では、近くの小学校が避難所になっていて、そこに炊き出しに行ったりしました。
豪雨では真備町が被災しましたが、真備出身の友達といっしょに「義援金カレー」の販売を、愛道園の近隣店舗に呼びかけました。
集まったお金は、真備の花火大会の資金として使ってもらいました。
今後は若手の育成や、新業態のお肉の店も視野に
さいごに、今後の展望ややってみたいことなどをお聞かせください。
金光
まず、若手を育てていきたいですね。
あと、こことは別に創作の肉料理の店をやってみたいという気持ちもあります。
小さなカウンターだけのような店です。
そのためにも、若いスタッフをここの運営を任せられる人物に育て上げたいですね。
最初は嫌だった焼肉店ですが、今はどんどん焼肉料理をやってみたくなっています。
おわりに
倉敷きっての老舗焼肉店でありながら、積極的に新しい食べ方を模索する愛道園。
昔ながらの「お客さん同士の交流が生まれる空間」というコンセプトを維持しながら、新しいおしゃれな内装にリニューアル。
古くからの伝統と新しい感覚が共存する、魅力的なお店だと思いました。
また、愛道園が惹かれたという「万葉牛」も、生産者の顔がよくわかる安心と信頼のあるお肉です。
そして、万葉牛を食べると、口の中でとろけるような味わいで、やさしく包み込まれるような肉の甘みとうまみがあふれ出します。
ぜひ、愛道園で万葉牛と食べて、至福の時間をお過ごしください。
愛道園のデータ
名前 | 愛道園 |
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住所 | 岡山県倉敷市阿知2丁目3-26 |
電話番号 | 086-422-3115 |
駐車場 | なし |
営業時間 | 午後5時〜午後10時 (ラスト・オーダーは午後9時30分) |
定休日 | 月 第3火曜日 休業 月曜日が祝日の場合は営業し、翌火曜日を休業 |
支払い方法 |
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予約の可否 | 可 午後1時〜午後5時のあいだに電話で予約 (午後5時以降は電話に出られない可能性あり) |
座席 | 全90席 【1階】 ・カウンター:6席 ・テーブル:31席 【2階】 ・テーブル:49席(椅子追加でプラス4席可能) |
タバコ | 完全禁煙 |
トイレ | 洋式トイレ |
子育て | ベビーカー入店可能 子供用椅子・食器・取り皿あり |
バリアフリー | 1階のみ車椅子入店可能 |
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