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金光学園音楽部吹奏楽団顧問・園田泰之(そのだ やすゆき)さんとOB会会長・藤井一男(ふじい かずお)さんにインタビュー
創部から100年目にあたる2019年に開催を予定していた記念演奏会ですが、新型コロナウイルス感染症の影響で直前で延期することになりました。
延期から3年。記念演奏会に向けた準備のようすや込められた思いを紹介します。
創部100年記念演奏会にたずさわるひとたち
記念演奏会は、OB・OGによる金光ウインドアンサンブルとの合同演奏とお聞きしています。メンバー構成について教えてください。
園田(敬称略)
在校生による現役の楽団員が30名います。
金光ウインドアンサンブルのメンバーを主軸に、卒業生有志が加わってくれる予定です。
すでに練習をはじめていますが、実は全体数が把握できていなくて。
80人くらいとは聞いていますが、卒業生有志が増えているようです。
現役のかたが多いのでしょうか。
園田
卒業生有志のかたは、記念演奏会を機にあらためて楽器をタンスから出して、練習に臨まれているかたがほとんどではないかと思います。
あとは、金光ウインドアンサンブルで活動しているOB・OGとプロで活躍しているかたが参加してくれるという話も聞いてはいます。
僕の教え子の世代はちょうどお子さんが生まれるひとも多いので、参加者のほとんどは前顧問・佐藤正俊(さとう まさとし)先生の教え子です。
記念演奏会では、佐藤先生が指揮をするんです。
演奏会の練習中も、部活動での練習を懐かしがったり、楽しんだりしているひともいるんじゃないでしょうか。
どのように練習されていますか。
園田
2019(令和元)年に記念演奏会を企画したときに、練習は何回かはしていました。
ただ、延期になってしまったので。
今回は昨年(2022年)の夏ごろから実行委員会を立ち上げ、練習をはじめたのが、12月末です。
以降は月に1回から多いときは2回、練習をしていて、本番までに6回ほど練習ができればと思っています。
延期を余儀なくされた100年目の記念演奏会
延期のお話がでましたが、当時はどんな状況だったんでしょうか。
園田
当初、2019(令和元)年3月29日に創部100年記念演奏会を計画していましたが、同年の1月中ごろに東京で新型コロナウイルス感染症が発生しました。
2月の時点で、ちょっとこれは無理だなということで中止、延期を決定したんです。
翌年にはできるかと思って、毎年タイミングをはかりながら3年経ってしまいましたね。
今年度(2022年度)になり、定期演奏会が50回の節目を迎えました。
実は、定期演奏会と記念演奏会を一緒にしようかという話もあったんですが、そこはやっぱり別でやりましょうと決まったんです。
正直今年(2023年)も、このあとどうなるかはわからない気持ちはあります。
100年への思いを教えてください。
藤井(敬称略)
吹奏楽団は1919(大正8)年に発足しました。
第二次世界大戦の影響で活動できない時期もありましたが、戦後に活動を開始した際には地域や小学校で演奏会をしていたようです。
そしていろいろなかたとの出会い、紆余曲折を経て、今の吹奏楽団になったと思います。
楽団員の数も変化するなか、いろいろなかたの支えや先生がたの指導によって吹奏楽団をつないでこられたことへの感謝があります。
一つの区切りとして、ぜひとも成功させたいと思います。
たくさんの思いがつないだ金光学園音楽部吹奏楽団
部活動としての吹奏楽団について教えてください。
園田
現在、30名の楽団員がいます。
多いときからすると減ったといわれますが、たくさんいれば欠席する子も出ますし、そういう意味でも演奏会でも人数の少なさを感じたことはないですね。
今の人数でいいものを追求して、それができていると思っています。
大なり小なり、いちばん心が成長する時期にいろいろなことがあるなかで、自分が学生のときもそうでしたけど、折り合いをつけながら演奏会を目標にして結束を深めてくれていると感じます。
園田先生にとって、吹奏楽団はどんな場所ですか。
園田
難しい質問ですね。
部活動は教育の一環なので、日ごろ教室では学べないことを学ぶ時間なんじゃないかなと思っています。
社会人になるときに、苦労も含めた吹奏楽団での活動が支えになって、今の仕事も大丈夫というか。
社会に通用するものを学ぶのが部活動の意味なのかなと。
今回もそうですが、結果うんぬんより今の活躍や活動を聞くのが楽しみですね。
教室の座学では教えてあげられないことを教えてあげられる場なのだと思います。
楽団員とOBのかかわりを教えてください
藤井
実は日ごろの接点はあまりなく、合宿や定期演奏会の裏方としてのかかわりがおもです。
おもな活動として定期演奏会をするようになったことで、ステージの裏方が必要になりました。
現役のときにステージ上できらびやかに演奏ができるのも、裏方がいるおかげです。
卒業してOB・OGになったら今度は支える側として、いろいろなステージマネジメント、会場設定のことなどを学んでいくんです。
現役で演奏しているときから裏方のことを見ておいて、卒業してからは裏方として手伝うことで社会とのつながりを経験することが、社会人になったときにいちばんプラスになるんじゃないかと思っています。
そうして、あとは年齢を重ねて、本当の裏方になっていくという。
園田
大学3年間を含めて、吹奏楽団は9年で卒業といったりもしますね。
大学生になったら、まず吹奏楽団の合宿の生徒指導をし、翌年には中心になって合宿をおこない、最後は定期演奏会を企画・運営をするんです。
定期演奏会は、今でこそ照明などは会場のかたがすることが多いですが、それ以外の受付やドア係、舞台のセッティングも、今までお世話になってきたから、じゃあ協力しようかという思いがスタートです。
自分たちがしてきてもらったことを、後輩にちゃんと還元してやろうという思いで、脈々と受け継がれてきていることだと思います。
創部100年記念演奏会の見どころ
記念演奏会の見どころを教えてください。
園田
現役楽団員による演奏の部、金光ウインドアンサンブルと卒業生有志によって構成されたCentury Band(センチュリーバンド)による演奏の部に続き、両者が合同演奏する三部構成になる予定です。
当初は二部構成だったんですが、記念演奏会でもあり、同じステージに立つことが大事だとアイデアが出ました。
「100年」があるから集まれるんだと思います。
私も卒業生ですが、曲目を見ると自分が学生時代に演奏していた曲もたくさんあります。
それぞれの世代に演奏会を聞きに来てくださったかたが、楽しんでもらえるような演奏会になっていると思います。
吹奏楽団としても、創世記から部の転換期など、100年を振り返ってぜひ紹介したいエピソードを交えながら、歴史をめぐっていくような演奏会の構成になっています。
金光学園の卒業生のかたからすると、在校時によく練習しているのが聞こえたなぁという曲もあるかもしれませんね。
今までつくってきたものをここまで続けてこられた感謝を、聞きに来てくださったかたに届けられる演奏会にしたいと思って、練習しています。
曲目 | 詳細 |
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窓ぎわのトットちゃん | 黒柳徹子著「窓ぎわのトットちゃん」の音楽物語 作曲 小森昭宏(こもり あきひろ)、朗読 黒柳徹子(くろやなぎ てつこ) 過去の全国大会で、演奏に加え学生自身が朗読、影絵などの演出もおこない、注目を集めた一曲 ダイジェスト版を演奏予定 |
イタリアンフェスティバル | 編曲 グレン・オッサー 映画音楽が元になったといわれる、吹奏楽界では有名な曲目 金光学園音楽部吹奏楽団にとっても思い出深い一曲 |
創部100年委嘱作品 「ファンファーレ 蒼天の光」 | 作曲 田村修平(たむら しゅうへい) 岡山県出身の作曲家である田村氏へ作曲を依頼した、100周年のためにつくられた一曲 第49回定期演奏会(2021年)にて封切 満を持して、創部100年記念演奏会で演奏される |
取材時の情報です。
当日の曲目は変更される場合があります。
おわりに
「まだまだアイデアが出ていて、予定の時間内に終わるのか心配なんです」
そんなふうに話の終わりを締めくくりつつ、園田さんも藤井さんも笑顔でした。
たくさんのひとがかかわり、思いを持ち寄るからこそ、決して簡単な準備ではないと思いますが、学生時代の経験があるからこそ乗り越えられるのかもしれません。
記念演奏会の準備そのものを、心配も含めて楽しんでいるのかもしれないと感じました。
インタビューを通じて語られていたのは、感謝をつたえたいという思い。
普段吹奏楽にふれることがないひとも、ぜひ100年の節目に立ち合い、歴史のハーモニーを楽しんでほしいと思います。
金光学園音楽分吹奏楽団100年記念演奏会のデータ
名前 | 金光学園音楽分吹奏楽団100年記念演奏会 |
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期日 | 2023(令和5)年3月26日(日) 開場:午後1時30分 開演:午後2時 ※記念演奏会に関して、芸文館への直接のお問い合わせはご遠慮ください。 |
場所 | 倉敷市立芸文館 |
参加費用(税込) | チケット料:1,000円 チケットの購入方法 ・現役楽団員からの購入 ・Century Bandの参加者からの購入 ・金光学園音楽部吹奏楽団ホームページ、チケット申込フォームからの購入 ※チケット申込フォームからの購入の場合、当日、会場での現金払いとなります。 |
ホームページ | 金光学園音楽部吹奏楽団 |
1982(昭和57)年に発足。
金光学園を卒業したOB・OGを中心とする社会人吹奏楽団。
岡山県浅口市をベースに、岡山県内外の構成員でファミリーコンサートを催すなど、活動中。