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まび新春まつり ~ 会いたい人につながる、支援の輪を伝える復興イベント

まび新春まつり ~ 会いたい人につながる、支援の輪を伝える復興イベント

知っとこ / 2019.03.21

北山紀明(きたやま のりあき)さんインタビュー

開催されるまでの経緯について

北山さん

はじめに、北山さんの普段どのようなお仕事をしているのか教えてください。

北山
古民家再生大工として働いています。普段は、月曜日〜土曜日までが現場作業で、日曜日はお客さんと打ち合わせしたり、見積りや図面を書いたりしています。

東京や横浜からの移住者のかたの住宅の再生を、昔ながらのやり方で、お客さんと一緒になって家を創る仕事をしています。

まび新春まつり

まび新春まつりは、どのような目的で開催したのか教えてください。

北山
倉敷市災害ボランティアセンターで、定期的に開催されている「災害支援ネットワーク@くらしき会議」で提案して開催が決定しました。

開催を提案した理由は大きく分けて2つあります。

1つは「支援団体」の周知と連携強化、もう1つは「顔合わせ」です。

私自身、災害発生後「team桃太郎」を立ち上げ復興支援に関わってきましたが、支援団体にはいろいろ個性があります。

真備の竹の子ようにポコポコ出てくるのではなく、根っこの部分でしっかり繋がって、連携しながら復興支援を行う時期が来ていると思いました。

災害発生から半年以上経過して、相談ごとは大体「家」のことと「お金」のことが多くなっています。

あっちこっちするのは誰だって嫌じゃないですか?

最終的に延長されたんですが、当初公費解体の期限が2019年3月31日だったので、少しでも円滑に相談や手続きが進められるようにしたかった。

また、支援団体の情報はいろいろ流れますが、知らない人に相談するのは誰だって最初は抵抗があります。

なので、「団体の代表だけでも顔が見えるようにしたい」と思いました。

「新春まつり」と名付けましたが、基本は支援団体の周知が目的です。

そして、住民の皆さん同士の「顔合わせ」や「つながり」のキッカケづくりもしたかったんです。

まび新春まつり

開会式で北山さんがお話された、「被災したひと、被災してないひとに限らず、今日もここで会えたねといえる場所を作れたらいいなと思っています」というお話が個人的に印象に残っています。

どういう思いがあったのか詳しく聞かせてください。

北山
支援団体の周知を全面に出すと、真備町内で「被災したひと」しか来てくれません。もう1ついえば「イベント慣れ」してしまって、なかなか関心を持ってもらえなくなっていました。

そして、「被災してないひと」はイベントに行きづらい、行きたくないと感じてしまいます。

なので、音楽などもかけられて、ゆっくりできる「まきび公園」を会場に使わせていただき、被災の有無関係なく「会いたい人に会える」イベントを目指しました。

被災してない地域の町内会にも回って、参加してもらうように声をかけました。

まび新春まつり

開催にするにあたって苦労したこと

ここまでの規模のイベントは、真備町では初めてとお聞きしました。開催するまでに、苦労したことを教えてください

北山
私自身、こうした大きなイベントは初めてで、実行委員会が立ち上がったことも良かったですが、核となって動いてくれたメンバーが、とにかく昼夜問わず、良く動いて下さいました。

  • 災害ボランティアセンターのSEEDS班
  • グリーンコープの皆さん
  • 災害支援団のGorillaさん
  • 写真洗浄のあらいぐまさん

などが協力をして下さいました。

自分は大工なので、例えば看板とか作れるんですが、

「北さん忙しいんだから、できることはこっちでやるし、北さんしかできないことをやって」

とたくさん助けてもらいました。仲間たちの協力のおかげで、なんとか実現できましたね。

イベントをおえて

「まび新春まつり」をおえて、開催して感じたことを教えてください。

北山
たくさんのかたが参加してくれました。

普段イベントに慣れてしまっているこどもたちも、多く参加してくれました。

そんな中で、被災された住民同士はもちろん、被災していない住民も含めて「出会えた!」と喜ばれたシーンをいくつも目にしたことが、一番嬉しかったです。

準備は大変でしたが、それだけで十分です。

支援団体の周知もかなりできました。新春まつりの中で、いろいろな相談ができたそうです。

それぞれの「会いたい人」に繋がれたのではないかと思います。

まび新春まつり

すごく良いイベントだったと思います。ちなみに、第2回以降の開催は考えているのでしょうか

北山
第2回というより、このようなイベントや企画などを、住民の皆さんが主体となって行なっていけるサポートをさせて頂けたらと思っております。

真備町は全部で7地区です。
しかし今こそ、昔ながらの地域コミュニティのように、3世代で協力しあったり、ご近所同士で助け合える形が、必要になってくるのかなって思っています。

まび新春まつり

おわりに

まきび公園 梅のつぼみ

たくさんの真備町のかたが被災され、真備町を離れ生活をしています。

また戻ってきたいと思うかたに、助ける支援団体の存在を知ってもらうことの大切さ。

5年後、10年後になるかわかりませんが、ひとりでも多く真備町に戻ってこれるように定期的に集まりお話ができ、つながっていける場の必要性を改めて感じました。

真備町の本当の春は、まだまだ先になるかと思います。

でも、この日見ることができた、真備町のかたの笑顔、企画し支援し続けるかたの笑顔は、全てあたたかく感じました。

少しでも多くのかたが戻ってこれるようこれからも情報を伝え続け、北山さんがお話された真備町に広がるいろいろな「壁」が少しでも取り払っていくことが少しでもできたらと思います。

まきび公園・まきび記念館 ~ 真備町名由来の偉人・吉備真備について学んで、なりきってみよう

まび連絡帳

まび新春まつりで配布、支援団体の連絡先が掲載した「まび連絡帳」

 

支援団体名 主な活動内容
災害支援ネットワークおかやま 支援活動
岡山県司法書士会 生活再建にかかる諸相談
岡山弁護士会 災害無料電話法律相談
Team桃太郎 住宅の再生相談・地域支援
一般社団法人 ほっと岡山 被災者支援・防災教育
「大切なもの」応急処置チーム 「大切なもの」を残す為の処置
サンサポートオカヤマ 子供にかかわる相談支援
倉敷市真備保険推進室 健康介護等福祉の相談窓口
真備町写真洗浄@あらいぐま岡山 被災写真洗浄・応急処置の相談
グリーンコープ生協おかやま 子育て支援・サロン活動
生活協同組合おかやまコープ 食を通じた普段の暮らしへのお役立ち
スマイリング 支援物資の提供
まびくら ほっこりサロンスペース
お互いさまセンターまび 被災した地元住民による移動支援
にっこりプロジェクト にっこりできるイベント開催
メールアドレス:noman_1525@yahoo.co.jp
真備再生ベース竹燈~たけあかり~ 竹灯籠の制作等、再生の燈を灯す
一般社団法人 ピースポート災害ボランティアセンター(PBV) 清掃活動・炊き出し・災害研修相談
一般社団法人 おいでんせぇ岡山 再開やサロンでの食・癒しのサポート
災害支援ネットワークNPOかけはし 子供遊び・サロン活動
ばんぶー★しぇるたー 子育て世帯支援・手芸体験
オカヤマビューティサミット 美を通じたボランティア活動
NPO法人 鍼灸地域支援ネット はり・灸・マッサージ・小児はり施術
岡山子育て応援団パピママ 親子向けワークショップ開催
倉敷市シルバー人材センター真備支所 人生100年 生涯現役!!
災害支援団  Gorilla 宅配支援・居場所支援
災害 NPO 旅商人 移動喫茶等のコミュニティ支援
いのりんジャパン 災害支援・学童サポート・清掃活動
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まつこ

まつこ

生まれも育ちも倉敷、結婚を機に現在は真備町在住。
食べ歩きと美観地区散策が大好きなのんびり屋の30代。
真備町の復興へ少しでも貢献したいと猫好きな夫に支えられつつ奮闘中。
真備町と倉敷の「今」をお届けいたします!

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まび新春まつり 2019年

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