倉敷市玉島は、江戸時代後期の禅僧良寛(りょうかん)が修行した地として知られています。

子どもたちが大好きだったという良寛。
その人柄から玉島の人は「良寛さん」と親しみを込めて呼んでいます。「良寛さん」とは実際どのような人であったのか知りたいと思い、岡山県良寛会研修講座に参加しました。
記載されている内容は、2025年10月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
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目次
岡山県良寛会研修講座「玉島の良寛文化」
「玉島の良寛文化」をテーマに、2025年9月4日(木)に玉島市民交流センターで研修講座が開催されました。

主催は岡山県良寛会。
岡山県良寛会は倉敷市玉島地区を中心に県内の約200名の個人と、さまざまな文化団体や企業など、多くのかたが会員として活動している団体です。
研修講座の内容を紹介します。
岡山県良寛会と参加者の良寛さんへの熱い思いが伝わる研修講座

岡山県良寛会研修講座は、玉島市民交流センターで開催されました。
当日は、良寛さんに関心を寄せる49名が参加していました。
予定より多くの申込みがあり、急きょ会場をより広い場所に変更したとのことです。良寛さんに対する関心の高さや熱意がうかがえます。
岡山県良寛会会長の菊池東(きくち とう)さんのあいさつに始まり、紙芝居、動画視聴、講義と続く、充実した1時間30分でした。
参加された皆さんは、メモを取ったり質問をしたりしながら、熱心に良寛さんについて学んでいました。
良寛さんのやさしい人柄が伝わる紙芝居

最初に研究部長の後藤田恵子(ごとうだ けいこ)さんの語りによる紙芝居「良寛さま」が披露されました。
この作品は、2025年6月に新潟県で開催された「全国良寛会南魚沼大会」で発表されたものだそうです。子どもたちとの心温まるエピソードを交えつつ、良寛さんの生涯がやさしく、あたたかみのある色彩で描かれています。
「良寛さんと子どもたち」と題した映像のなかでも、子どもたちと遊び、子どもたちに寄り添うやさしい良寛さんの姿が解説されていました。
玉島に伝わる良寛文化

続いて「玉島の良寛文化」について、森石武士(もりいし たけし)顧問の講義がありました。
良寛さんの漢詩や短歌、俳句、書は広く知られています。そのなかで、玉島にゆかりのある漢詩は約35首。良寛さんが修行したお寺「玉島円通寺」には、良寛さんが残した作品を刻んだ石碑が数多く建立されています。
休憩所の端にある巨大な石碑には、「自来円通寺」という漢詩が刻まれています。良寛さんが修行していた頃のようすや思いを詩にしたものです。
時折、ふるさと新潟を懐かしみながらも、玉島で厳しい修行を重ねていた良寛さんの姿が目に浮かびます。
「良寛さん」を子どもたちに伝える取り組み

岡山県良寛会は「良寛さん」という冊子を発刊しました。
慈愛に満ちた良寛さんのことを多くの人に知ってもらいたいと作成したそうです。
B5サイズ・27ページの冊子には、良寛さんについて以下のように分かりやすく紹介されています。
- 全ページにわたり、カラー写真やイラストを掲載
- ふりがな付きの、読みやすい文章
- 良寛さんの人柄が伝わるエピソードや漢詩・短歌など
冊子は倉敷市内の小中学校や公民館などで出前講座の資料として配布され、玉島の良寛文化を伝えるために活用されているとのことです。
おわりに
良寛さんは、生涯ご自身のお寺を持たず、人々に慈悲の心で接した僧侶でした。特に、貧しい子どもたちには、ともに遊ぶことで寄り添い続けたといわれています。
良寛さんが和顔愛語(わげんあいご)を実践されたように、相手をやさしく励ます「愛語」を用い、思いやりにあふれた社会を作っていくことこそが「良寛文化」ではないかと感じました。
岡山県良寛会は年間数回「良寛研修講座」を開催しています。
次回は2025年10月9日(木)午前10時より、玉島市民交流センターで「天上大風・良寛さんにまつわる風の物語」と題した講座が開催されます。
良寛さんに興味のあるかたは、参加してみてはいかがでしょうか。
岡山県良寛会研修講座のデータ

名前 | 岡山県良寛会研修講座 |
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開催日 | 2025年9月4日(木) 午前10時〜11時30分 |
場所 | 倉敷市玉島阿賀崎1-10-1 玉島市民交流センター |
参加費用(税込) | 無料 |
ホームページ | 岡山県良寛会 |
岡山県良寛会事務局
守分哲郎
090-4375-3141