「やきとり なっちゃん」店主へインタビュー
倉敷市水島でテイクアウトの焼き鳥屋を営む夏山勝憲さんに話を聞きました。

「やきとり なっちゃん」の原点
焼き鳥屋を始めたきっかけを教えてください。
夏山(敬称略)
水島の焼き鳥屋で8年間修業して、2010年に独立しようと思ったのが始まりですね。
いきなりお店を持つのは難しく、まずは移動販売から始めました。知り合いの紹介で、移動販売するチャンスをもらいます。けれどもお金もなかったので、高速道路を使わず下道で他県まで4時間かけて車で通っていた時期もありました。
半年ほどそのような生活を続けていると、そのうち1日600本以上も売れるようになったのです。

少しずつ「やきとり なっちゃん」のお店の口コミが広まり、岡山県の井原市や鴨方町、笠岡市や里庄町のホームセンターやスーパーマーケットからも声がかかり、他の店舗でも移動販売ができるようになっていきました。
現在の店舗は、いつから始めたのですか?
夏山
もともとは仕込み場所として借りていたのですが、2016年ごろからテイクアウトのお店として週に1回オープンするようになりました。そのときは、別の飲食店の手伝いもしながらの販売だったので、本格的に「焼き鳥屋をやるぞ!」と覚悟を決めたのは2017年からです。
一人で焼いているため、普段はお店で販売していますが、イベントに呼ばれた際にはお店を休んで、出店先で焼き鳥を焼いています。
焼き鳥は気持ちで味が変わる
お店のこだわりを教えてください。
夏山
使用する素材の9割は国産を使っていて、鮮度にもこだわり、一つひとつ心を込めて仕込みをしています。
焼き鳥って、同じ手順で作っても、気持ち次第で味が変わるんですよ。だからこそ、なるべく楽しい気持ちで仕込みに向き合っています。

お客さんには焼きたてを味わってもらいたいので、注文を受けてから焼くスタイルを基本にしています。ただし、急いでいるかたのために、少しだけ焼き置きをしていることもありますよ。
これからの展望
焼き鳥を通して、これからやりたいことはありますか?
夏山
ここまでやってこられたのは、本当に多くの人たちに支えてもらったおかげです。だから今は、不登校や障がいがある子どもたち・若者たちに、焼き鳥の技術を教えたいと思い、少しずつ行動を始めているところです。

将来的には、水道光熱費や家賃の負担が少ない“エコビレッジ”のような場所を作って、子どもたちが大人になったときに自分の好きなことをしながら、自由に自立して生きていけるような環境を作りたいです。焼き鳥を通じて、子どもたちの可能性が広がるような未来を作っていくことを目指しています。
Instagramでも想いを発信されていますね。
夏山
忘れたくないことや初心を思い出すため、自分自身のために書いています。
それを読んで「助けられました」と言ってくれる人もいて、発信して良かったなと思う瞬間があります。夢は語ったほうがいいです。同じ志を持った仲間が集まってくるので、恥ずかしくても発信していくことが大事だと思っています。

最後に、読者に伝えたいことがあれば教えてください。
夏山
焼き鳥は、ただの食べ物ではなくて、人と人をつなぐものだと思っています。誰かの最後の晩餐に選ばれるくらい、大切なものにもなれるのです。
だからこそ、心を込めて焼き続けたいし、若い子たちにその技術と想いを伝えていきたいと思っています。夢を否定せず、「君ならできる」と背中を押せる大人でいたいです。
おわりに

人と人とのつながりに支えられ、苦労を乗り越えて夢を実現してきた夏山さん。
自分には「焼き鳥しかない」と思っていた日々から、「焼き鳥で人とつながり、誰かの力になりたい」と歩みを進める姿は、まぶしいほどに輝いて見えました。
子どもたちに技術を教え、自立を後押ししたいと語る想いは、商売の枠を超えた夏山さんの生き方そのもの。
そして取材の最後に「歌って踊れる焼き鳥屋を目指しています!目標は、すんごくモテることです!って書いてね」と笑った夏山さん。
その言葉には、まっすぐな気持ちとあたたかなユーモアが詰まっていました。
やきとり なっちゃんのデータ

店内での飲食などはできません
名前 | やきとり なっちゃん |
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住所 | 岡山県倉敷市水島西弥生町12-20 |
電話番号 | 090-6434-6851 |
駐車場 | なし |
営業時間 | 午後3時~午後7時 ※イベント出店時、店舗は休み |
定休日 | 月、火 |
支払い方法 |
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予約の可否 | 可 |
座席 | |
タバコ | |
トイレ | トイレなし |
子育て | |
バリアフリー | |
ホームページ | やきとり なっちゃんInstagram |
エコビレッジとは、環境にやさしい暮らしをするために作られた小さな村やコミュニティ(集まり)です。
太陽の光を使い電気を作ったり、住民が協力して野菜を育てたりして、自然と調和しながら無駄のない生活をしています。地球にやさしく、未来の世代が安心して暮らせる社会を目指していることが大きな特徴です。