夏休みになると、子ども向けのイベントが目白押しです。
小学生の子どもたちが過ごす「放課後児童クラブ(学童保育)」においても同様で、さまざまなイベントが企画されています。
倉敷市真備町の「かわべっこ児童クラブ」では、落語とジャグリングの鑑賞会がおこなわれました。今回、パフォーマンスを披露したのは倉敷市職員の落語家とジャグラーの二人です。
当日のようすや、活動の背景などを紹介します。
記載されている内容は、2025年8月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
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落語とジャグリング鑑賞会について

「落語とジャグリング鑑賞会」は2025年8月1日(金)に、倉敷市真備公民館 川辺分館で開催されました。
対象は川辺小学校に設置されている放課後児童クラブ「かわべっこ児童クラブ」に通う、約60名の児童です。この日は、小学1年生から5年生までの児童が参加していました。
出演したのは公務員落語家のジャンボ亭小なんさん、公務員ジャグラーのとちもちさんです。二人とも倉敷市職員ですが、この日はプライベートでの活動という位置づけだったため、有給休暇を取得してパフォーマンスを披露しました。
当日の演目は以下のとおりです。
落語
最初にパフォーマンスを披露したのは、落語家のジャンボ亭小なんさんです。

小噺(こばなし)として、子どもが好きな言葉や音で楽しませていました。
子どもたちの笑い声が上がります。

続いて、落語家の必須アイテムといえる「扇子」を使った定番のパフォーマンスとして、「そばをすする」演技を見せました。

その後、子どもたちも体験します。
手を挙げる子がいるか心配でしたが、多くの子どもたちが手を挙げました。時間の都合で3名ほどの参加となりましたが、みんな楽しそうに体験していました。

最後は落語「牛ほめ」です。
「これから5分ほど続くからね」とあらかじめ宣言して始めるあたり、子どもの気持ちにも配慮しているのだろうと感じました。

ジャグリング
次はジャグリング。
パフォーマンスを披露したのは、ジャグラーのとちもちさんです。

まずは、サイコロ(ダイススタッキング)から。
サイコロをカップのなかで振り、何段にも積み上げて立たせてしまうというパフォーマンスです。

サイコロの数はどんどん増えていきます。
最後の段階では8個まで増えて、成功したときには歓声があがりました。

続いて傘回しです。
子どもが投げたボールを傘の上で回します。

続いてお手玉(ボールジャグリング)です。
こちらも徐々にお手玉の数が増えていき、最後は5個になりました。

最後は、筒の上に板を置き、その上で両足でバランスを取りながら立つ「ローラーバランス」です。
子どもたちが心配そうに見守るなか、板の上でクラブを投げました。

そして最後に、「まだ練習中ですが」と前置きし、さらに筒を重ねた状態でバランスを披露します。

成功した瞬間、この日一番の歓声が上がりました。
そして、最高潮の盛り上がりのなか、約1時間にわたる「落語とジャグリング鑑賞会」は幕を閉じました。
ジャンボ亭小なんさん・とちもちさんインタビュー

終了後に、ジャンボ亭小なんこと牧野浩樹(まきの こうじ)さん、とちもちこと岡田憲明(おかだ のりあき)さんに話を聞きました。
二人で活動を始めたきっかけは何だったのでしょうか
牧野(敬称略)
もともとは別々に活動していたのですが、平成30年7月豪雨の発災後に、避難所で落語とジャグリングを披露する活動をこのコンビで始めたのがきっかけです。
その後も活動は続いていましたが、今年度(2025年度)私が子育て支援課に異動し、岡田さんも同じ保健福祉局の部署に異動になりました。
「それなら子どもたちに向けた活動を増やそう」という話になり、今回の企画を実施することになりました。
放課後児童クラブでのパフォーマンスははじめてですか?
牧野
放課後児童クラブでの活動は、2023年に声をかけていただいたのが始まりです。
夏休みは放課後児童クラブでは時間がたっぷりあったため、児童に落語を鑑賞させてあげれないかとご相談をいただきました。
岡田(敬称略)
その話が来たころ、牧野さんと話す機会があり、「落語だけだと少し難しいので、分かりやすくするためにジャグリングも一緒にどうですか?」と誘われました。
牧野
最初の年(2023年度)は川辺だけでしたが、昨年(2024年度)は薗(その)地区でもおこない、今年度はさらに呉妹(くれせ)地区にも広がって三か所で活動しています。
子どもたちにパフォーマンスを披露することの、やりがいや苦労はありますか
牧野
子ども向けのパフォーマンスに関しては、毎年試行錯誤ですね。
昨年(2024年度)は持ちネタの古典落語を披露するだけだったのですが、、今年は、分かりやすい小噺(こばなし)や音で笑えるネタを取り入れるなど、子どもたちの反応を見ながら常に内容を見直しています。
これからも、さまざまな場所でパフォーマンスをおこない、自分の引き出しを増やして、幅広い層の市民の皆さまに喜んでいただけるようになりたいと思っています。
岡田
私も同じ気持ちです。
いろいろな場所でパフォーマンスができるのは、自分自身のスキルアップにもつながりますし、子どもたちの前でパフォーマンスできる機会そのものが貴重であり、本当にありがたく思っています。
今後もこの活動は続けていくのでしょうか
牧野
私は、子育て支援課に異動になり、この活動はある意味「仕事」と捉え、「積極的に取り組まなければならない」という思いが強くなりました。
今年度は「是非、やらせてください」とこちらからお願いし、活動場所を三か所に広げていただきました。今後も、放課後児童クラブの子どもたちや先生がたに喜んでもらえる限り、この活動を続けていきたいと思っています。
岡田
もちろん災害時の活動も継続します。
私たちの活動はもともと、災害時に避難所を回るコンビとして始まったものです。
災害派遣の際には自ら志願してパフォーマンスをさせていただくこともあり、被災地のかたがたに喜んでいただけることは、非常にやりがいを感じています。
また、最近では市のイベントに依頼をいただくこともあり、今後も活動の幅を拡げていきたいと考えています。
おわりに

パフォーマンスで子どもたちを楽しませるのは、実は案外難しいものです。牧野さんも「正直、落語だけで楽しませるのは難しい」と語っていました。
しかし、約1時間にわたる鑑賞会では、子どもたちの笑い声や歓声が絶えませんでした。落語もジャグリングも、一つ一つの演目が長くなりすぎないようにするなど、子どもたちを飽きさせない工夫が随所にあったんです。
牧野さんと岡田さんの活動を、今後も応援していきたいと思いました。
落語とジャグリング鑑賞会のデータ

名前 | 落語とジャグリング鑑賞会 |
---|---|
期日 | 2025年8月1日 午後1時30分〜2時30分 |
場所 | 岡山県倉敷市真備町川辺714 |
参加費用(税込) | なし ※開催依頼は、公式ホームページ・SNSなどから、ジャンボ亭小なんさん、またはとちもちさんに相談してください |
ホームページ | ジャンボ亭小なん | 岡山弁落語家 |
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