学生が作る体感型推理ゲーム「名探偵 刑部大輔の事件簿」(2025年11月8日・9日開催)〜 倉敷のまちを歩いて謎解きに挑戦

問題を解く参加者

謎解きイベントへ参加したことはありますか。
クイズなどの問題が解けたときの爽快感は格別ですよね。

2025年11月8日(土)と9日(日)に倉敷美観地区で、二松学舎大学(にしょうがくしゃだいがく)の学生が企画・運営する体感型推理ゲーム「名探偵 刑部大輔(おさかべ だいすけ)の事件簿」が開催されました。

参加者は物語の登場人物の一人となり、倉敷美観地区周辺を歩きながら謎を解き、事件の真相を探る形式となっています。
どのようなイベントなのか気になり、筆者も参加し、取材してきました。

記載されている内容は、2025年11月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。

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名探偵 刑部大輔の事件簿とは

名探偵 刑部大輔の事件簿は、倉敷市が事務局を務める「巡・金田一耕助の小径」のイベントの一環です。二松学舎大学文学部の学生たちが、脚本・演出・運営のすべてを担う体感型推理ゲームシリーズです。

2025年は11月8日(土)・9日(日)の2日間にわたり開催され、延べ47名が参加しました。リピーターも多く、今年で10回目を迎える企画です。

刑部大輔の事件簿 立て看板

倉敷市と二松学舎大学のつながり

二松学舎大学と倉敷市には、深い歴史的つながりがあります。

二松学舎大学の前身となる漢学塾二松学舎を創立した三島中洲(みしま ちゅうしゅう)は倉敷市出身です。さらに、二松学舎大学には、倉敷市ゆかりの作家・横溝正史(よこみぞ せいし)の関連資料が原稿・草稿約12,000点ほか多数所蔵されています。

こうした歴史的・文学的背景をもとに、2016年に二松学舎大学と倉敷市が連携協定を締結し、以来学生が手がける体感型推理イベントが毎年実施されています。

倉敷を舞台に桃太郎の財宝の謎に迫る物語

推理ゲームは、倉敷を舞台にしたオリジナルの謎解き物語です。

とある蔵から見つかった「桃太郎の財宝」の古文書を手がかりに、名探偵 刑部大輔と新米探偵である参加者が調査を開始します。しかし、「刑部」を名乗る人物が三人現れ、事件は混乱していきます。

参加者は倉敷美観地区のさまざまなスポットを巡りながら、財宝や本物の刑部にまつわる謎を解くことができるのでしょうか。

倉敷館 観光案内所、きび美ミュージアム、倉敷市立美術館倉敷物語館など、倉敷の文化スポットを巡る物語は、まち歩きと謎解きが融合した体験です。

桃太郎の財宝に繋がるアイテム

まち歩きと謎解きを同時に楽しむ体験

筆者は、実際に体感型推理ゲーム「名探偵 刑部大輔の事件簿」に参加しました。

筆者が体験した内容をレポートします。

学生の演技から始まる謎解き物語

参加者は、倉敷物語館の多目的ホールで、LINE登録を済ませると地図が手渡されます。LINEには、謎解き後のキーワードを入力すると物語の真相のヒントが表示されていく仕組みです。

地図とLINEの画面

オープニングとして学生による演技がスタート。
参加者もその場で物語の登場人物の一人となり、臨場感を味わえます。

オープニング 学生による演技

その後、参加者はグループに分かれ、各スポットにちりばめられた謎を順番に解いていきます。

各グループには学生スタッフが同行し、道案内やサポートしてくれるので、初めて参加するかたや土地勘のないかたでも安心です。

まち歩きをしながら謎解きへ

筆者のグループがまずはじめに向かった先は、倉敷館 観光案内所です。
探偵役の学生から問題が手渡され、制限時間内に解いていきます。

倉敷館の問題

なかには難しい問題もありましたが、学生スタッフがヒントを出してくれ、そのおかげで回答できました。

倉敷館で問題を解く参加者

次に移動した先は、きび美ミュージアムです。
学生たちは、キャラクターになりきって参加者とコミュニケーションを図り、イベント全体を盛り上げます。

きび美ミュージアムで謎解き

きび美ミュージアムでの謎は倉敷美観地区の象徴でもある「なまこ壁」をモチーフにしたものです。随所に倉敷ならではの要素がちりばめられている点に、ユニークさを感じました。

なまこ壁をモチーフにした問題

各スポットで謎を解くたびにアイテムが手に入り、それらが最後の「大謎」で重要な鍵となる仕掛けになっています。

キーワードを手にする参加者

問題を解いた後にキーワードをLINEに入力すると、物語の真相につながるメッセージが表示されました。
デジタルと現実世界が融合する進行も新鮮でした。

LINEに表示されるヒント

きび美ミュージアムの謎解き後は、市立美術館と倉敷物語館の和室でも謎解きをしました。

謎解きスポットへはすべて徒歩で移動します。
秋の倉敷美観地区の風景や伝統的な建物をゆっくり眺めながら歩く時間も魅力の一つです。

美観地区を移動する参加者

推理ドラマのようなエンディング

すべての謎を解いた後、再び倉敷物語館の多目的ホールへ戻ると、学生による演技が再開。ここで事件の真相が本物の刑部大輔の推理によって明かされる場面です。

推理ドラマのラストシーンを思わせる演出や、これまでちりばめられていた伏線がつながる瞬間は、驚きと達成感がありました。

エンディング 演技をする学生

最後には、刑部大輔の名刺が配布されます。
名刺のQRコードを読み取ると問題の解説や制作裏話などを楽しむこともできます。

「1000人の金田一耕助」も開催予定

今回のイベント「名探偵 刑部大輔の事件簿」が含まれる「巡・金田一耕助の小径」は、倉敷を舞台に作品を生み出した推理作家・横溝正史ゆかりのイベントシリーズです。

11月22日(土)には、倉敷市主催のコスプレイベント「1000人の金田一耕助」が開催されます。

当日は、横溝作品の登場人物になりきった参加者が全国から集まり、倉敷市真備町のまちを歩く光景が広がります。
すでに参加募集は締め切られていますが、見学するだけでも十分に楽しめるそうです。

画像提供:倉敷市観光課
画像提供:倉敷市観光課

倉敷市観光課の三宅翔太(みやけ しょうた)さんは、以下のように話します。

三宅(敬称略)

県外からも多くのかたが参加される人気のイベントです。
何年も連続で参加される常連さんもいれば、初めてのかたもいます。見るだけでも楽しめる内容なので、ぜひ多くのかたに倉敷のまちを満喫していただきたいです。

ちなみに、「1000人」というタイトルには、実際に1000人が集まるという意味ではなく、「それほど多くの人に一緒に楽しんでほしい」という思いが込められています。

また、11月1日(土)から20日(木)までの期間、井原鉄道で「巡・金田一耕助の小径」PR車両が運行されます。運行時間については井原鉄道のホームページを確認してください。

おわりに

筆者はもともと謎解きが得意ではありませんが、学生さんのヒントに助けられながら最後まで楽しめました。
秋の美観地区を物語の登場人物になりきって歩く体験はとても新鮮でした。

何より、演出・脚本・謎解きの問題作成まですべて学生たちの手で作られていると知り、そのユニークな発想力と熱意に心を動かされました。

「巡・金田一耕助の小径」では、ほかにも多彩な企画が開催中です。倉敷のまちを歩きながら、文学やミステリーの世界に浸ってみてはいかがでしょうか。

名探偵 刑部大輔の事件簿のデータ

倉敷物語館多目的ホール
名前名探偵 刑部大輔の事件簿
開催日2025年11月8日(土)
午後2時〜

2025年11月9日(日)
午前9時30分〜
午後1時〜

※所要時間:約3時間
場所〒710-0055 岡山県倉敷市阿知2丁目23−18
参加費用(税込)参加費 無料
ホームページ倉敷観光WEB

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リエコ
2024年ライター塾修了。2017年、結婚を機に倉敷へ移住しました。元気いっぱいの男の子2人の母です。日々、子どもたちとふれあいながら、読書や絵本、珈琲を楽しむ暮らしを大切にしています。人と人、人と場所をつなぐ情報を、やさしく丁寧に伝えていきます。

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