普段スマートフォンなどでインターネットを利用していると、さまざまなネット広告が目に入るものです。
ネット広告は、普段閲覧するサイトや検索履歴などを読み取り、自分に最適な情報が出てきます。そのため、とても魅力的な情報に感じられます。しかし、よくよく確認してみると自分(消費者)に不利益な情報が書かれていることに気づいたことはありませんか?
気づけることはまだ良いほうで、まったく気づかないことだってあります。その場合契約したあとに後悔の念に駆られるものです。「なぜ、あのとき気づかなかったのだろうか…」。
2026年1月24日(土)に倉敷芸文館 別館にて行われる「~あなたを守る消費者セミナー~知って安心! ネット広告とのつきあい方 」は、“消費者力”を見つけることのできる参加無料のセミナーです。
主催者に詳しい内容を聞いてきたので、紹介します。
記載されている内容は、2025年12月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
目次
「~あなたを守る消費者セミナー~知って安心! ネット広告とのつきあい方」とは

「~あなたを守る消費者セミナー~知って安心! ネット広告とのつきあい方」は、2026年1月24日(土)に倉敷芸文館 別館202会議室で行われる参加無料のセミナーです。
このセミナーは、消費者庁「適格消費者団体の活動と差止請求制度の認知度向上を図る広報手法の調査・検証事業」の一部として開催されます。
適格消費者団体・特定適格消費者団体とは
不特定かつ多数の消費者の利益を擁護するために差止請求権を行使するために必要な適格性を有する消費者団体として内閣総理大臣の認定を受けた法人
「差止請求」って?
適格消費者団体が、「不当な勧誘」、「不当な契約条項」、「不当な表示」などの事業者の不当な行為をやめるように求めることができる制度
セミナーの内容について
セミナーは以下の3部構成となっています。
- 適格消費者団体活動 展示/ネット広告チェッククイズ
- 講演会 ~あなたを守る消費者セミナー~
- 消費者トラブルなんでも相談会(お一人30分限り無料 先着8名 予約制)
講演会の講師は、一般社団法人ECネットワーク 理事 原田由里(はらだ ゆり)さんです。会場の定員は60名、オンラインは300名までと多くの人が受講できます。
申込方法
セミナーに参加するためには申込が必要で、申込方法は以下のとおりです。
- 参加申込フォームから送信
- FAX申込用紙を送信

消費者ネットおかやまについて
セミナーを主催するのは、岡山県の適格消費者団体「消費者ネットおかやま」。
2007年6月6日に適格消費者団体を目指して設立されたNPO法人です。設立後は、以下のような活動に取り組みました。
- 消費者なんでも相談会の実施
- 業者に対する不当な契約条項に関する改善の申し入れ活動
- 消費者被害の未然防止のための啓発活動 など
そして、不特定多数の消費者の利益擁護(弱い立場にある人(高齢者、障がい者など)の権利や尊厳を守り支援する行為)のための継続的な活動実績のあることが認められ、2015年12月8日に内閣府から全国13番目の適格消費者団体として認定を受けました。
セミナー「~あなたを守る消費者セミナー~知って安心! ネット広告とのつきあい方 」について、消費者ネットおかやまの理事長 河田英正(かわだ ひでまさ)弁護士と、事務局長におはなしを聞きました。
消費者ネットおかやま理事長と事務局長にインタビュー

セミナー開催の経緯を教えてください。
河田(敬称略)
消費者団体訴訟制度は、消費者被害の防止と救済を目的とした重要な制度です。
しかし、この制度の認知度は非常に低く、司法試験の科目に含まれていないため、弁護士でも知らない場合が多いのが現状です。
事務局長
一般消費者にとって身近な問題であるにもかかわらず、制度の存在が知られていません。
普通の販促活動を超えている悪質な事業者は一定数いるんです。
それらからの被害を防ぎたい、本当に消費者がその事業者と対等に同じレベルに立っていろいろな商品選択やサービスを選べるような社会であってほしい、と思いセミナーを企画しました。
セミナーのポイントや見どころなどを教えてください。
事務局長
ダークパターンなど実際の消費者トラブル事例を紹介します。
ダークパターン
Webサイトやアプリのデザイン・広告・仕組みなどを使い、消費者に意図しない不利な選択(余計な出費、不要な情報開示、不本意な契約など)をさせるよう誘導する手法のこと
また講演では、インターネット利用時の注意点とチェックポイントの説明、消費者としての基本的な知識とマナーなどをわかりやすくお伝えします。
どのようなかたに受講してもらいたいですか。
河田
契約関係などに疎い若い年代を対象にしているかと思われるかもしれませんが、年代を問わず、すべてのかた(消費者)に受講していただきたいです。
普段インターネットを利用していると、自分が興味関心のあることが画面に表示されますよね。これらにダークパターンが潜んでいます。
また、消費者被害の予防に関心のあるかたも歓迎です。

セミナーを通じて、参加者にどのようなことを感じてもらいたいですか。
事務局長
実は消費者被害にあったにもかかわらず、消費生活センターに連絡してくる人は8.7%しかいないんです(令和3年消費者意識基本調査:消費者庁調べ)。この数字を見るとトラブルに遭っている人は、もっとたくさんいることがわかります。
たとえば、健康食品販売事業者「GRACE」対する訴訟の場合、全国の消費生活センターに寄せられた相談件数が、約3年間で1,549件でした。
上記を踏まえ計算(1,549件÷8.7%)すると、実に約17,800件の被害があると推定できます。
消費者は「契約内容を読まなかった自分が悪いんだな」とか、「気づかなかったのが悪い」など変に納得してしまい、自己解決してしまうんです。
消費者被害の多くは表面化せず、泣き寝入りとなっているケースが大部分を占めています。セミナーを通じて“これっておかしいな”という気づきを得てほしいですね。
読者へのメッセージをお願いします。
河田
このセミナーを通して、「なんだか変だな」と思える感覚を培えられればと思います。
文章化された契約内容を見ると読むのが面倒だと感じて、そのまま受け入れてしまうことがあるかもしれません。「やっぱり変だ」と、一歩踏みとどまる感覚が非常に大切だと思っています。
事務局長
マスコミ報道されないし、インターネットニュースにもならないので、実際私たち消費者がが気づかないところで、たくさんの被害が出ています。本来支払うべきではないお金は、本来はまじめに努力している事業者さんの商品やサービスを買うことにお金を使えていたし、地域経済にも還元できたほうがいいですよね。
そういう思いで活動をしているので、このセミナーを機会に知識を身に付け、「おかしいな」と思ったときは、適格消費者団体である消費者ネットおかやまが「差止請求」できるよう、情報提供してもらいたいと思います。
ぜひセミナーにお越しください。
おわりに
恥ずかしながら筆者は、取材をするまで「適格消費者団体」や「差止請求」について知りませんでした。ただ知った後に感じたのは、「なんて心強いんだ」ということ。
広告を見た瞬間「自分に合っている商品だ」と思い、勢いで申し込んでしまうかもしれません。たいていの場合、詳しい契約内容も読まずに……。契約後に気づいても後の祭りです。
そんなときに、情報提供ができるのって助かりますよね。
セミナーでは、さまざまな知識が学べます。この機会に、「適格消費者団体」や「差止請求」について知識を得てみてはいかがでしょうか。
~あなたを守る消費者セミナー~知って安心! ネット広告とのつきあい方のデータ

| 名前 | ~あなたを守る消費者セミナー~知って安心! ネット広告とのつきあい方 |
|---|---|
| 開催日 | 2026年1月24日(土)お昼12時~午後4時10分 |
| 場所 | 倉敷市中央1-18-1 |
| 参加費用(税込) | 無料 |
| ホームページ | 消費者ネットおかやま |













































