倉敷中心部には阿智神社という大きな神社があります。
観光スポットとして知られ、初詣やイベントのときには、多くの人が参拝しにぎわう人気の場所。
でも、ゆっくりと境内を散策したり、神社ならではの静かで神秘的な雰囲気を味わいたいときもありますよね。
実はJR倉敷駅から徒歩十数分の場所に、地域に根ざした歴史ある神社があります。
それが「春日神社(かすが じんじゃ)」。
江戸時代初期に建てられた古い神社で、阿智神社・足高神社とならんで「旧倉敷の三大社」のひとつです。
規模は大きくないですが、地域住民に愛されている春日神社を紹介します。
記載されている内容は、2020年4月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
目次
春日神社のデータ
名称 | 春日神社 |
---|---|
別名 | |
鎮座地 | 倉敷市浜町1丁目4-1 |
電話番号 | 086-422-6158 |
駐車場 | あり |
御祭神 | 天児屋根命、比売大神、経津主命、武甕鎚命 |
御利益 | 出世開運、合格祈願、国土安泰、家内安全、産業繁栄 |
御朱印(初穂料) | あり(300円) ※宮司不在時は対応不可(事前に確認のこと) |
拝観時間 | 終日参詣可能 |
受付時間 | 日中のみ |
休観日 | なし |
拝観料 | |
拝観料・初穂料の納め方 |
|
トイレ | |
ホームページ | 春日神社|岡山県神社検索|岡山県神社庁 |
春日神社への行き方
春日神社は、JR倉敷駅の北東およそ900メートルの場所に鎮座しています。
倉敷駅からは、徒歩で約12分です。
▼ちょうど倉敷市立万寿小学校の道路を挟んで西側にあります。
▼境内の南側の小道を入ると参道口です。
▼参道口に鳥居があるので、目印にしてください。
▼駐車場は、境内東側にあります。
横に消防機庫があるのが目印。
▼万寿小学校の正門の向かい(西)です。
春日神社は「旧倉敷 三大社」のひとつ
春日神社は倉敷市浜町、倉敷駅の北東およそ900メートルのところに鎮座する神社です。
東隣には、倉敷市立万寿(ます)小学校があります。
春日神社は「旧倉敷三大社」のひとつ。
旧倉敷 三大社は、1967年(昭和42年)に現在の倉敷市が新設される前にあった「旧 倉敷市」の1927年(昭和2年)発足当時のうち、歴史のある3つの神社を指したものです。
旧倉敷市は、1927年に都窪郡 倉敷町・大高村・万寿村が対等合併し新しい倉敷町として新設され、翌1928年(昭和3年)に倉敷市となりました。
旧3町村それぞれの鎮守(ちんじゅ=地域の守り神となる神社)、倉敷の阿智神社・大高の足高神社・万寿の春日神社が、三大社と呼ばれるようになったのです。
春日神社の創建は、江戸時代初期の元和(げんな)年間(1615〜1624年)。
400年以上の歴史がある古い神社なのです。
春日神社の祭神は、以下の四柱の神。
天児屋根命 (あめのこやねのみこと)(春日大明神) | 祝詞(のりと)の神様。中臣氏の祖神で、藤原氏の氏神。 |
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比売大神 (ひめおおかみ) | 主祭神の妻。天児屋根命の妻・天美津玉照比売命(あめのみつたまてるひめのみこと)。 |
経津主命 (ふつぬしのみこと) | 刀剣の神様 |
武甕鎚命 (たけみかづちのみこと) | 刀剣の神様 |
▼また、春日神社の祭典は以下のとおりです。
春祭 | 5月 第3土・日曜 |
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夏祭 | 8月 第1土曜日 |
例大祭 | 10月 第3土・日曜 |
春日神社の見どころ
春日神社の境内にある見どころを紹介します。
拝殿・本殿
神社で神様を拝む建物が拝殿(はいでん)、神様を祭っている建物が本殿(ほんでん)です。
多くの神社は、本殿のすぐ前に拝殿が建てられていることが多いですが、春日神社も同じ構造です。
▼春日神社に参ったら、まず拝殿で神様を拝みましょう。
▼本殿は拝殿と異なり、時代を感じさせるたたずまいです。
本殿がいつごろ建てられたのかは確認できませんでしたが、歴史がありそうでした。
社頭標語
▼拝殿にある賽銭箱の左横に「社頭標語(しゃとう ひょうご)」と書かれた紙が置いてあります。
▼宮司(ぐうじ)が毎月氏子(うじこ)や参拝者に向けてメッセージを書いています。
内容は毎月変わっていますので、ぜひ読んでみてください。
なお、社頭標語の紙は持ち帰れます。
狛犬・石灯籠
拝殿の前には、狛犬(こまいぬ)と石灯籠(いしどうろう)があります。
▼狛犬
▼台座の文字は古くて読み取りにくいですが「文化」とあるのが確認できました。
文化は1804〜1818年。
つまり、この狛犬は江戸時代後期のものです。
▼石灯籠
▼石灯籠の裏側には「宝(寶)暦十三年」「九月」とありました。
宝暦13年9月は1763年。
江戸時代中期に建てられた石灯籠です。
ケヤキの木
▼社務所の北側、拝殿の向かって右斜め前に、神木(しんぼく)となっている大きなケヤキの木があります。
かなり古い樹齢と思われ、幹のもっとも太いところは地上から1.3メートルのところ。
▼太さは3.37メートルもあります。
平成4年(1992年)3月には「倉敷市の巨木」のひとつに選ばれました。
相撲場
▼拝殿の向かって左斜め前、境内のほぼ中央に巨大な屋根のある建造物が目に入ります。
これは相撲場なんです。
▼ちゃんと土俵用の砂地もありました。
春日神社は、毎年おこなわれる子供奉納相撲が有名です。
毎年春祭と秋祭のとき子供奉納相撲が開催されていて、地域の風物詩に。
奉納相撲のときには、屋根の下の砂地に土俵が設置されます。
現在の相撲場は、昭和40年代後半につくられたものです。
境内社
春日神社の境内には、境内社(けいだいしゃ)がたくさん鎮座しています。
境内社とは、神社の境内のなかに祭られている神社です。
▼拝殿の向かってすぐ右側には、牛神社(うし じんじゃ)と猿田彦神社(さるたひこ じんじゃ)が並んで祭られていました。
▼本殿の向かって右斜めうしろには、稲荷神社(いなり じんじゃ)。
▼本殿の向かって左斜めうしろには、地神(じじん)が祭る地神碑がありました。
▼境内の北側には、七つの神社を合わせ祭った社(やしろ)があります。
▼祭っているのは、左から順に以下のとおり。
- 愛宕神社(あたご じんじゃ)
- 和霊神社(われい じんじゃ)
- 八幡神社(はちまん じんじゃ)
- 荒神社(こう じんじゃ)
- 吉備津神社(きびつ じんじゃ)
- 十二社宮(じゅうにしゃ ぐう)
- 七社宮(しちしゃ ぐう)
社はかなり新しいです。
▼七つの神社を祀った社の向かって左側には、若宮神社(わかみや じんじゃ)。
▼境内の西側には、天神社(てん じんじゃ)と桑木神社(くわき じんじゃ)が並んで鎮座しています。
自動おみくじ機
随神門をくぐって、進行方向すぐ右側に社務所があります。
▼社務所の受付窓右側の壁に、自動おみくじ機がビルト・インされています。
春日神社では、宮司が常駐していませんが、自動おみくじ機があるのでいつでもおみくじが引けます。
▼右上の硬貨投入口に100円を入れると、下の口からおみくじが出てくる仕組みです。
春日神社の御朱印
春日神社では、御朱印がいただけます。
御朱印をいただきたいときは、随神門をくぐって進行方向すぐ右手にある社務所で、宮司に「御朱印をいただきたい」と告げてください。
なお、春日神社は宮司が常駐していません。
宮司が不在のとき御朱印はいただけませんので、注意してください。
どうしても御朱印をいただきたい場合、お参りする数日前に電話で確認してみましょう。
春日神社で御朱印をいただくときは、300円の初穂料(はつほりょう)を渡してください。
春日神社の由緒・歴史
春日神社は、江戸時代初期の元和年間(1615〜1624年)に創建されました。
奈良市にある春日神社から、勧請(かんじょう=神様を呼び寄せる)したとされています。
春日神社のある浜町周辺は、昔は海で、鶴形山は島でした。
戦国時代に備中国東部を備前岡山城主・宇喜多秀家(うきた ひでいえ)が治めるようになると、宇喜多氏は海の干拓を命じます。
宇喜多氏は天正17年(1589年)ごろ、現在の倉敷市酒津から鶴形山の西側を通って船倉町まで、そして羽島から早島町中心部まで、「宇喜多堤(うきたつつみ)」と呼ばれる土手をつくらせて干拓しました。
浜町が陸地化したのはこのときで、鶴形山や向山が陸続きとなったのです。
その後、少しずつ住民が増えていき、江戸時代初期に春日神社が建てられました。
おわりに
旧倉敷三大社のほかのふたつ、阿智神社や足高神社は古代からの古い歴史があるので、それに比べると春日神社は歴史が浅い印象かもしれません。
しかし、古代からの歴史はないといっても、春日神社は400年以上の歴史がある古い神社なのです。
春日神社は地域の氏神で、子供の奉納相撲がおこなわれるなど、地域住民に大切にされています。
ぜひ一度お参りしてみてはいかがでしょうか。
春日神社のデータ
名称 | 春日神社 |
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別名 | |
鎮座地 | 倉敷市浜町1丁目4-1 |
電話番号 | 086-422-6158 |
駐車場 | あり |
御祭神 | 天児屋根命、比売大神、経津主命、武甕鎚命 |
御利益 | 出世開運、合格祈願、国土安泰、家内安全、産業繁栄 |
御朱印(初穂料) | あり(300円) ※宮司不在時は対応不可(事前に確認のこと) |
拝観時間 | 終日参詣可能 |
受付時間 | 日中のみ |
休観日 | なし |
拝観料 | |
拝観料・初穂料の納め方 |
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トイレ | |
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