白壁の宿場町、大名行列、そして筆者にとっては美味しいお醤油を買い求めに行くまち、矢掛町。
宿場町の落ち着いた街並みは、いつも心をしっとりとさせてくれるお気に入りの場所です。
美観地区とはまた違った、ゆったりとした時間が流れているのも矢掛町の魅力でしょう。
備中屋長衛門 お食事処邑楽里(ゆらり)は、そんな大人の矢掛観光にぴったりの和食店。
素朴で温かな雰囲気のお庭を愛でながら、和食と特製玄米麺のランチがいただけます。
豊かな時間が味わえるお食事処邑楽里で、さらに矢掛町が好きになることでしょう。
記載されている内容は、2019年6月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
目次
備中屋長衛門 お食事処邑楽里(ゆらり)のデータ
名前 | 備中屋長衛門 お食事処邑楽里(ゆらり) |
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住所 | 岡山県小田郡矢掛町矢掛2562-1 |
電話番号 | 0866-84-0333 |
駐車場 | あり |
営業時間 | 午前11時~午後2時 午後5時30分~午後8時 |
定休日 | 水 |
支払い方法 |
|
予約の可否 | 可 |
座席 | 計18席 カウンター数:4 テーブル数:7 |
タバコ | 完全禁煙 |
トイレ | 洋式トイレ |
子育て | |
バリアフリー |
築120年を越える古民家「備中屋長衛門 お食事処邑楽里(ゆらり)」
矢掛町の宿場町にある「備中屋長衛門 お食事処邑楽里(ゆらり)」。宿場町に溶け込む、風情のある外観が特徴です。
昼は玄米麺の和食ランチ、夜はお寿司やお造りのセットのほか、完全予約制の会席料理がいただけます。
もともとはお箸の工場から始まり、個人の住居、そして矢掛町所有の土地となり、2017年4月に宿泊施設と食事処としてオープンしました。
築120年を超える古民家を改装し、1階が食事処、2階が宿泊施設となっています。
お食事処邑楽里だけでなく、町屋の建物がたくさん残っている矢掛の宿場町。
歩くだけでもリラックスできるおすすめ散策スポットです。
お店の入り口には、2017年2月13、14日に行われた第66期王将戦七番勝負、第4局の写真や棋譜などが飾られています。
なんと、郷田真隆王将(当時)対久保利明九段の王将戦は、備中屋長衛門の2階で行われたのです!
現役の棋士が対戦した建物に、自分がいるなんて、なんだか不思議な興奮を覚えました。
モダンなテーブル席から眺める、四季折々の庭
和室にテーブルのモダンな店内。落ち着いた雰囲気ですので、年配のかたにも喜ばれそうですね。
平日は女性客が多いそうですが、休日は家族連れや外国人のお客さんもよく来店されるとか。子供連れも大歓迎です。
お庭は、以前住宅として使われていた当時のまま。窓際は優しい緑と爽やかな風が心地よい特等席です。
この景色を独り占めなんて、なんだかもったいない気分です。
5月はつつじ、6月はあじさい、秋は紅葉と、季節のうつろいを感じられます。
カウンターの中からは、邑楽里を切り盛りする松本ご夫妻の明るい声が聞こえます。
最近は矢掛町も活気があって、新しいお店も増えて嬉しいと笑顔でお話してくださいました。
テーブルの上にも季節のお花が。細かな気配りは女性に喜ばれそうですね。
店内には「備中屋長衛門(びっちゅうやちょうえもん)」の可愛らしい見取り図も。
お食事処の反対側が宿泊の玄関口。京都や美観地区の町屋と同じく、奥に長いいわゆる長屋作りになっています。
ランチの姫御膳。矢掛産の野菜が美しい一の膳
お食事処邑楽里のランチメニューは以下の通りです。
商品名 | 値段(税込) |
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やっこ膳 | 900円 |
やっこ膳+寿司(4貫) | 1,300円 |
特製美星牛玄米麺 | 1,800円 |
姫御膳(一の膳+玄米麺) | 1,500円 |
一の膳+美星牛玄米麺 | 2,300円 |
まずは「姫御膳」の一の膳、本日の小鉢五種が運ばれてきました。
矢掛産蒸し野菜、コハダの酢の物、焼きサバ、アスパラガスのゴマ和え、テンペの5種類が並びます。
どの小鉢も素材の色つや、盛りつけが美しい!器とのバランスも素敵ですね。
こちらは矢掛町産の蒸し野菜。つやつやとした野菜に、特製の合わせ味噌が添えられています。
かぼちゃや大根は驚くほど甘く、しっかりとした味わい。どの野菜も味の濃さ、新鮮さに驚きました。
焼き魚はサバ。ふっくらと焼き上がっています。脂がのって美味しい!
こちらは「テンペ」。テンペはインドネシア発の大豆の発酵食品です。
ゆらりの向かいにもテンペ専門店があり、ちょっとした矢掛の名物食材なんですよ。
テンペに唐揚げのような味付けが施してあり、ヘルシーなのに食べ応えがある一品です。
矢掛産玄米を使用したグルテンフリーの「邑楽里玄米麺」
熱々の「邑楽里玄米麺」が運ばれてきました(通常は一の膳が食べ終わったあと玄米麺が運ばれます)。
矢掛町産の玄米にこだわった玄米麺は、グルテンフリーの麺。
小麦が入っていないので、小麦アレルギーがあるかたでも安心して食べられます。
お出汁は鶏ガラにかつお節などの魚介出汁、そしてチャーシューのタレがブレンドされた、やや甘めの優しい味。
どっしりとした動物系の香りに、ふわりとかつおが残るスープ。これはあと引く美味しさです。
そしてなんといってもこの玄米麺。口ざわりは「ややつぶつぶ」、喉ごしは「つるっ」とした不思議な食感。
表面は玄米の繊維が感じられ、弾力もしっかりとした力強い麺ですね。玄米の香ばしいようなかおりが広がります。
スープの中にはたっぷりのキャベツやニラが入り、この1杯でお腹いっぱい、大満足です!
そして玄米麺のお供に付いてくる「辛味噌」。良くお客さんに「売って欲しい」と言われるそうですが、本当に美味しすぎる!
味噌の中身は「企業秘密」だそうですが、玄米麺との相性も抜群、蒸し野菜と食べても美味しい!何にでも合う辛味噌、ぜひ販売してほしいです。
お庭と楽しむ旬の味わい。ゆったりと贅沢な時間を
まだまだ長居したいな、というかたには、プラス500円のデザートセットはいかがでしょう。
アイスクリームに旬の果物、珈琲または紅茶のセットに、のんびりとお庭を眺めるひととき。たまにはこんな贅沢も良いですね。
宿場町矢掛町の魅力がぎゅっと凝縮された「お食事処邑楽里」。
お料理と、お庭と、ゆるりとした矢掛町ならではの雰囲気に、心から癒されたランチタイムでした。
古いもの、新しいもの。どちらも柔軟に受け入れる懐の大きさが、矢掛町の魅力なのかもしれません。
ここにしかない味、ここでしか過ごせない時間を、ぜひ感じてみてください。