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菓子処ひらい 〜 郷土に根付いた菓子づくり。「良寛てまり」で知られる、大正元年創業の玉島で長く愛されている和洋菓子店

菓子処ひらい 〜 郷土に根付いた菓子づくり。「良寛てまり」で知られる、大正元年創業の玉島で長く愛されている和洋菓子店

買っとこ / 2023.04.22

菓子処ひらいの代表・平井 剛さんへインタビュー

代表取締役・平井 剛さん
代表取締役・平井 剛さん

大正元年から餅や菓子をつくり続け、地元に根付いている菓子処ひらい。

有限会社 菓子処ひらいの代表取締役・平井剛(ひらい つよし)さんへインタビュー、店の歴史や商品の開発秘話などの話を聞きました。

インタビューは2021年5月の初回取材時に行った内容を掲載しています。

大正元年創業、はじまりは餅屋

昔は足の力を使って餅をついていたが、昭和30年代に機械化(写真提供:菓子処ひらい)
昔は足の力を使って餅をついていたが、昭和30年代に機械化(写真提供:菓子処ひらい)

創業の経緯や会社の歴史を知りたい。

平井(敬称略)

弊社の創業は、大正元年(1912年)にさかのぼります。

最初は、餅の製造・販売をおこなう店でした。
「平井餅商店」という店です。

今と違っていて、玉島中心部の羽黒神社のすぐそばでした。

その後、道路建設の立ち退きのために、同じ玉島中心部の通町商店街の入口あたりに移転しています。

やがてスーパーマーケットなどに商品を卸すようになり、より大きな店舗にするために現在地へ再移転しました。

昭和50年代半ばごろのことです。

お客様の声で銘菓「良寛てまり」が誕生

ひらい:良寛てまり

和菓子づくりはいつごろから始めたのか。

平井

平成一桁代前半です。
キッカケは、お客様からの「餅以外にも、手土産になるような和菓子があればうれしい」という声でした。

そこで先代(現 会長)が、和菓子をつくってみようと決めたんです。

しかし餅づくりと饅頭などの和菓子づくりはノウハウや技術も違うんですよ。

餅でも餡を使います。
でも、同じ餡でも餅と和菓子で違う部分も多いんです。

ですから和菓子の専門家を会社に呼びまして、指導してもらいました。

新たに得た和菓子づくりの技術を生かして誕生したのが「良寛てまり」です。

つくる以上、地元に根付いた商品にしよう、玉島の銘菓になるような商品にしようと決めていました。

もともとお客様の声から生まれたものでもありますし。

玉島といえば、やっぱり良寛さん。

良寛さんは子供たちといっしょに、よく鞠(まり)をついて遊んでいたという説話が残っています。

それにちなんで良寛てまりをつくりました。

「お土産に」という声がキッカケなので、贈答品にピッタリな和菓子をつくろうとしたんです。

そこで良寛てまりは、饅頭のなかでも高級な薯蕷饅頭(じょうよ まんじゅう)にしました。

良寛てまりを発売すると、なんと平成6年(1994年)の岡山県創作みやげ品コンテスト・菓子部門で「大賞」を受賞したんです!

さらに全国菓子大博覧会では「大臣栄誉賞」も受賞しました。

良寛てまりの受賞がキッカケで本格的に和菓子づくりを

あんてまりの機械
あんてまりの機械

和菓子に力を入れ始めたのは、良寛てまりがキッカケに?

平井

そうですね。
良寛てまりが受賞したのを機に、先代が和菓子に力を入れていこうと決めたんです。

受賞と同じ年、社名を平井餅商店から「菓子処ひらい」に変更しました。

良寛てまりの包装も自社製に変え、鞠をイメージし、より上品で高級感があるものにしています。

地元の玉島のほか、倉敷、さらには岡山県にちなんだ和菓子をいろいろつくりました。

また和菓子・餅とともに、洋菓子もつくっていますよ。

その流れのなかで「こげまん」や「あんてまり」という人気商品も生まれています。

どんなお客さんが多い?

ひらい:あんてまり

平井

やはり地元のお客様が多いです。

ちょっとした手土産に買われることも多いですが、ご自宅で食べるために買いに来るお客様も多いですよ。

本店は水島工業地帯の玉島地区が近いので、出張に来られたかたがお土産を買いに来ることも多いですね。

逆に工業地帯のかたが、よそに出張に行くときの土産を買いに来ることも多いです。

学校卒業後、和菓子の世界へ

ひらい:倉敷小判

平井代表は、どういう経緯で和菓子の世界へ?

平井

先代は私の父になります。

だから小学校のころから、繁忙期は餅づくりの手伝いをしていました。

そういった経緯もあるので、会社を継ぐのは自然の流れで、とくに不満はありませんでした。

ちょうど私が高校生のときに、会社で和菓子づくりが始まったんです。
だから高校卒業後は、和菓子の学校に進学しました。

和菓子学校卒業後は、兵庫県は明石の店で2年ほど修業のために働いたのち、ひらいに入っています。

ちなみに私の弟は、本店のすぐ南側で「マリーガトー」という洋菓子店をしていますよ。

今後の展望

ひらい:代表取締役 平井剛さん

今後の展望ややってみたいことを教えてほしい。

平井

ひとつは、もう少し店舗を増やしてみたいですね。
岡山県内を中心に。

本店の改装もやってみたいかな。

あとは、新商品の開発ですね。

フルーツ大福なんかやってみたいと思っています。

それにあわせて果実園みたいのをつくって、そこで取れたものを菓子に使ったりできればおもしろいと思いますね。

菓子処ひらいで地元に根付いた菓子をお土産に

ひらい:看板

玉島で大正元年に餅づくりから始まり、現在も餅のほかに和菓子から洋菓子まで扱う菓子処ひらい。

100年以上の長きにわたり、玉島で愛されてきました。

どの商品も郷土愛を感じる商品で、つい手に取ってしまいます。

観光や出張のお土産に、あるいは自宅のおやつに、菓子処ひらいの菓子はおすすめです。

菓子処ひらい(本店)のデータ

ひらい:外観(本店)
名前菓子処ひらい(本店)
住所岡山県倉敷市玉島乙島6697-5
電話番号086-522-3077
駐車場あり
約8台
営業時間午前8時30分〜午後6時30分
定休日なし
休業は元日のみ
支払い方法
  • 現金
  • クレジットカード
  • Suicaなど交通系ICカード・iD・QUICPay・PayPay・d払い・au PAY
  • Allipay・AlipayHK・Alipay conect・微信支付(WeChat Pay)・Union Pay(銀聯)
    ※交通系電子マネーのPiTaPaは利用不能
ホームページ岡山・倉敷の老舗和菓子店「菓子処ひらい」贈り物に
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アサノ

フリーランスの取材・インタビューライター、フォトライター。地域の文化・地理・歴史・食べ物などに精通。企業の社員インタビューや事例紹介、採用コンテンツも。

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ひらい:良寛てまり・こげまん・あんてまり

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