目次
代表のほりけいこさんにインタビュー

ほっこりCLIPを立ち上げた経緯や、スタジオ開設から2年が経過した今の気持ち、これまでの活動で感じたことなどについて、ほりけいこさんにお話を聞きました。
退職から「自分でスタジオをやろう!」と決断するまで
ほっこりCLIPを開業するまでの経緯を教えてください。
ほり(敬称略)
コロナ禍のまっただなか、14年間勤めていた写真屋さんをやむを得ず退職することになりました。
個人経営の小さなお店だったこともあり、DPE(フィルム写真の現像など)、販売、スタジオ撮影、商品開発や広報活動など、さまざまな業務に携わらせていただき、たくさんのことを学びました。また、職場内はもちろん、お客様とも距離感が近く、とても親しくしていただいたので、お別れするのは本当に寂しかったです。
しばらくは気持ちの整理がつかず、心が沈むときもありました。でも、実は前職に在職していた頃から、なんとなく「いつか自分の腕で抱えられる規模のなかで、心の通ったサービスを提供できたらなぁ」と考えることもあったんです。
退職をきっかけに、「自分でスタジオをやろう!」と決めて、まずは準備期間として、地元のエ務店に就職しました。
工務店では前の職場では経験できなかった、竣工写真や住宅写真に携われたのはすごく貴重な経験でした。ただ、人と直接関わる機会が少なくて、どこか物足りなさを感じてしまって……。
やっぱり私は、お客様の顔を見て、お話して、撮影して、その場で喜んでもらえるような、“反応が見える”仕事が好きなんだなって、改めて気づきました。
それで3か月半で退職して、その後は1か月くらいかけて開業準備を進めました。
独立するのは勇気が必要と思いますが、思い切る決め手はどのようなところにあったのでしょうか。
ほり
自分らしく楽しく生きるために、後悔しないよう「とりあえずやってみよう」と思ったことでしょうか。もしうまくいかなければ、そのときに考えればいいと。
もう少し若ければ自信が持てなかったかもしれないし、逆に年を重ねすぎていたら元気がなかったかもしれない。ちょうどいいタイミングだったと思います。
前の写真屋さんで日々の業務に全力で向きあっていたからこそ、覚悟を決められたのだと思いますし、経験を積んでいたことである程度の自信も持てていました。
おばあちゃんとの縁が導いた、抜群の立地にあるスタジオ

開業当初は出張スタイルで、その2年半後ぐらいにこちらにスタジオを構えられたんですよね。私、この辺りが生活圏なのですが、ある日突然目の前に現れたという印象でした。どの道からでも見えて、とてもわかりやすい場所ですよね。
ほり
実はここ、私のおばあちゃんが食堂をしていた場所なんです。
私が生まれる前に亡くなってしまったので直接は知りませんが、そのおばあちゃんから一文字、名前をもらっています。
そう考えると、ここにスタジオを構えることになったのも、なにかの縁かもしれません。土地は父のもので、スタジオは、開業前に少し勤めた工務店に建ててもらいました。
立地としても視認性が良くて、通りがかりで知ってくださるかたも多いです。
発信することで、フィーリングの合うお客様が来てくれる
2020年の開業からまもなく約5年、スタジオを構えてから2年経過しましたが、変化は感じますか?
ほり
少しずつですが、スタジオのことを知ってくださるかたが増えてきました。
スタジオができたことで、この建物自体が看板のような役割を果たして、ご近所だけでなく、少し遠方から足を運んでくださるかたもいて、本当にうれしいです。
利用されるかたは、どのような目的で来られることが多いですか?
ほり
最近は、プロフィール写真の撮影で来られるかたが多いと感じます。
私の書いたブログをすみずみまで読んで来てくださるかたもいます。「誰が見とるんじゃろ」と思いながら書いているんですけど、案外読んでくださっているんですよね。
そのおかげか、結果的に私とフィーリングが合うお客様が多くて。ブログを読んで「なんかいいな」と感じて足を運んでくださるかたとは、自然と心地いい関係が築けている気がします。
一方で、ピンとこなかったら最初から来られないと思うので、それも含めてちょうどいいのかなと思っています。発信することで、自然とマッチングができているんですよね。
発信の大切さを感じます。
また、ブログの記事だけでなく、ほっこりCLIPのWebサイトは必要な情報がわかりやすく整理されています。営業時間がわかるカレンダーも掲載されており、サイト全体に「稼働している」という安心感があります。
ほり
そう言っていただけてうれしいです。
営業時間の告知は、最初はX(旧Twitter)をホームページに埋め込んでいましたが、現在は外しています。
ただ、投稿自体は続けていて、「おはようございます」や「お疲れ様でした」など一人で運営しているからこそ、気持ちの切り替えとして、タイムカードを押すような感覚で更新しているんです。
自分用の日誌みたいなものですね。たまに反応してくれる人もいます。
お客様の笑顔とポジティブなエネルギーに触れられる楽しさ

ほりさんにとって「写真を仕事にすること」の魅力はどのようなところにありますか?
ほり
写真を撮られることに、緊張してしまうかたは多いと思うんです。
でも「安心して撮れた」「苦手だったけどちょっと意識が変わった」「来るまでは緊張していたけど楽しかった!」といった声をいただけると、本当にうれしくなります。
そして何より、出来上がった写真を見て笑顔になってくださる瞬間が、一番うれしいです。
写真を撮りに来られるかたは、「お祝いの記念に」「新しいことを始めるぞ!」といったポジティブな気持ちで来られることがほとんどです。
だからこそ、私もその幸せやエネルギーを分けてもらえる。それがこの仕事の大きな魅力だと思っています。
ほりさんが仕事をするうえで、心がけていること、大切にしていることはどのようなことでしょうか?
ほり
心が「ほっこり」あたたまるようなやさしいひとときを、写真でCLIPする(切り取って残す)お手伝いができたらいいなと思っていて。そんな気持ちから、スタジオ名を「ほっこりCLIP」にしました。
衣装をそろえているわけでもなく、きらびやかでもない、シンプルなフォトスタジオですが、お客様の飾りすぎない自然な表情を引き出せるように、アットホームな空間づくりを心がけています。
写真を撮ることは、ただ記録するだけじゃなくて、その人の「今」にそっと寄り添うことも大切だと思うんです。
スタジオで過ごす時間そのものが、安心できるような空間であってほしい。そんな思いで、お客様をお迎えしています。
「自分自身がハッピーであることを大切にしたい」

ほっこりCLIPの、今後のプランやビジョンはありますか?
ほり
これからもていねいに接客していくことが、私らしいスタイルなのかなと思っています。「ガツガツ儲ける!」というのは、私にはあまり向いていない気がします。
でも、心を込めてやりとりしていると、不思議とご縁がつながっていくのです。
ご紹介で来てくださったり、リピーターとしてまた訪れてくださったりと、本当にありがたくてうれしいです。
これからも無理せず、自然につながるご縁を大切にしながら、ぼちぼち気長に営業していきたいと思っています。
何より、自分自身がハッピーであることを大切にしたい。その空気感がスタジオにも伝わり、お客様にも届くんじゃないかなと思っています。
ほっこりCLIPの未来のお客様へのメッセージをお願いします。
ほり
“写真館”って、特に初めてのかたには少し入りにくいイメージを持たれるかたも多いと思います。でも、まずは気負わずに、気軽に問い合わせてもらえれば大丈夫です。
「写真」という一生の宝物を、楽しくリラックスした時間のなかで一緒に残せたらうれしいです。
取材を終えて 〜「ここだ!」と思ったら、まずは足を運んでみよう!〜
「ほっこりCLIP」のWebサイトには、知りたい情報がしっかり網羅されていて、かといって過剰ではありません。デザインや配色の雰囲気から、一見サクッと軽やかに見えるWebサイトなのに、ユーザーのことを考えて、ていねいに作られているところに、深く感心しました。
聞けば、すべてほりさんご本人が制作されたとのこと。
ほりさんは「テンプレートを使っただけ」と謙遜しますが、テンプレートでも見づらく、情報不足なサイトは少なくありません。(それなのに、取材でほりさんは「まだ改善の余地がある」と仰るんです)
さらに、ブログも読みやすく、定期的な発信があることで、信頼感も増します。
実際にスタジオを訪れると、Webサイトのイメージどおりの、あたたかい雰囲気で迎えてもらいました。
「ここだ!」と思ったら、まずはスタジオに足を運んでみてください。思った以上にリラックスでき、自分らしく過ごせる楽しい時間が、きっと待っています。
ほっこりCLIPのデータ

団体名 | ほっこりCLIP |
---|---|
業種 | 写真館、一般写真業 |
代表者名 | ほりけいこ |
設立年 | 2020年12月(スタジオ開設は2023年4月) |
住所 | 岡山県倉敷市新田2432-1 |
電話番号 | 070-8324-3504 |
ホームページ | PHOTO STUDIO ほっこりCLIP |