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い草屋 花莚 ~ 倉敷のい草文化を伝えるショップでワークショップも

い草屋 花莚 ~ 倉敷のい草文化を伝えるショップでワークショップも

買っとこ / 2020.06.04

畳表(たたみおもて)・ござの原料である、い草(いぐさ)。

岡山県南部は、かつてい草の一大産地だったことを知っていますか?

倉敷のござの歴史は紀元200年にまでさかのぼり、昭和30年代後半には全国で生産されるい草のほとんどが岡山県産でした。花ござの発祥の地も倉敷。

「い草のことを伝えたい」と2020年3月に倉敷美観地区にできたお店が、「い草屋 花莚(かえん)」です。

い草を使った上質な商品を買えるだけでなく、ワークショップも楽しめる、「い草屋 花莚」を紹介します。

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記載されている内容は、2020年6月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。

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い草屋 花莚

いぐさ屋花莚 店内

「い草屋 花莚」は株式会社トライが運営していて、同社の飲食店「冨來屋本舗(とらいやほんぽ)」の中にあります。

冨來屋本舗は、岡山の名産・名物にこだわり、郷土の食材を使用した料理が楽しめるお店です。

黍(きび)を使った「きびそば」など伝承の食文化を元に、創作料理も交えながら、「この地域ならではのもの」を伝えてきました。

同社の運営店舗は、2020年5月現在で、以下の4つ。

店名内容
冨來屋本舗 本館きび蕎麦と郷土料理
い草屋 花莚花ござ体験とい草繊維の販売
冨來屋本舗 別館千屋牛の専門店
地酒屋岡山の地酒専門店(ショップ&バー)

どれも「ここにしかない岡山」をコンセプトに、郷土のものを知ってもらうことを目的としています。

店内に入ると、い草の青い香りが広がって、心地よくなりました。

いぐさ屋花莚

店名の書は、「い草筆」を使って書家さんに書いてもらったものだそうですよ。

倉敷のい草の歴史

いぐさ屋花莚 パネル

お店紹介の前に、花莚店内のパネルを参考に、倉敷とい草の歴史とその魅力について簡単に説明しましょう。

倉敷のい草の歴史は、今から約1800年前、弥生時代末期にさかのぼります。

「神功(じんぐう)皇后が倉敷市にあった神社に立ち寄った際、近くに生えていた美しい草で莚(むしろ)を織らせたところ、とても気に入られた」と伝承があり、この草がい草だったといわれているのです。

倉敷市一帯は島が点在する海でした。
江戸時代には倉敷の干拓が本格化。塩分を多く含む土地でも育つ、綿花やい草が広く栽培されました。

い草を加工した「畳表」は、「畳縁(たたみべり)」と合わせて全国的に高い評価を受けたのです。

いぐさ屋花莚 花ござ

明治時代には、倉敷でい草を染める技術が開発され、染めたい草で模様を織る観賞用のござ「花ござ」が生まれます。

昭和30年代後半には、岡山県のい草生産量は日本一。

その後栽培は減少していきましたが、高度な加工技術は、今も倉敷で受け継がれています。

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い草の魅力 湿度調整とリラックス効果

いぐさ屋花莚 い草断面図

い草には、湿度が高い時には湿気を吸い、乾燥時には溜め込んだ水分を外に出す、天然の湿度調整機能が備わっています

その吸湿能力は木炭に匹敵。
6畳の部屋にい草を敷き詰めた場合、約0.7リットルもの水分を蓄えられるそうです。

い草の香りに含まれる成分にはリラックス効果があり、集中力向上・消臭効果などの手助けをする作用があることも知られています。

お土産にもおすすめ!い草屋 花莚の商品

いぐさ屋花莚 カフェマット

い草屋 花莚では、い草を使ったコースターやかごなど、地元の職人さん・作家さんが作ったアイテムを販売しています。

お店の立ち上げにあたって取り揃えたのは、人の手で作られた作品。手のぬくもりが伝わるような商品構成でスタートしたいと考えたそうです。

今後、商品は増えていく予定。

商品の一部を紹介しましょう。

いぐさ屋花莚 コースター
コースター

IGUSA LABOのコースター(500円・税抜)は、さまざまな色柄があり、軽くてコンパクトなのでお土産にも最適!

筆者は家で、IGUSA LABOのコースターを使っています。綿より吸湿性が高く汚れにくいため、使いやすくてお気に入りです。

いぐさ屋花莚 IGUSA GLASS
IGUSA GLASS

「IGUSA GLASS」(2,500円~・税抜)は、IGUSA LABOのい草の灰を使って、吹きガラス工房「ぐらすたTOMO」が作っています。

『倉敷とことこ』では、2019年6月にぐらすたTOMOを訪れました。

涼やかなグリーンとシャープな形が、かっこいいんです。

いぐさ屋花莚 いかご
いかご

いぐさのかご「いかご」(10,000円・税抜)は、須浪亨(すなみとおる)商店さんのもの。
丁寧に編まれています。

いぐさ屋花莚 ござ
花莚

長さ110センチメートルの「い草マット」(6,000円・税抜)や1帖サイズの「花莚」(12,250円・税抜)といった大きなものも、現物を見て買うことができます。

さらっとしたい草の手触りが気持ちいい!

いぐさ屋花莚 染めユ
染めユ

伝統的な手法で染色したい草「染めユ」(1,000円・税抜)や、短いい草を束ねた「根駒(ねごま)」(300円・税抜)といった、変わったものも。

いぐさ屋花莚 根駒
根駒

オブジェとして飾ったり、クラフトの材料にしたり。
束ねて飾るだけでも素敵なものだなぁと感じました。

部屋にあると、い草の香りでリラックスできそうです。

いぐさ屋花莚 オブジェ
オブジェ

店内の奥は、天井から自然光が差し込む吹き抜け空間になっています。天井窓からはアイビーが見え、円形のレンガ壁もおしゃれ。

能勢聖紅(のせ せいこう)さん製作のオブジェが、存在感を放っています。

い草・ござ・根駒・花ござの模様をつくるための型などを組み合わせていて、い草やござってこんなにかっこよかったんだなぁと感じました。

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ワークショップで手織り体験

いぐさ屋花莚 手織り機

2020年5月現在、多様なワークショップを準備中とのこと!

筆者も体験させてもらいました。

所要時間30分~ 手織りコースター作り

いぐさ屋花莚 ワークショップ コースター

小さな織り機を使って、コースターを作りました。

経糸(たていと)を張った織り機に、好きな色のい草を通していきます。
経糸に対して、い草を手前・奥と交互に通す方法で織りました。

いぐさ屋花莚 ワークショップ

木に沿わせながら、い草をすっと通すだけ。
通し終えたら、くしでトントンと手前に寄せます。

いぐさ屋花莚 ワークショップ

慣れれば簡単!

優しく教えてもらえますし、力はいらず複雑な作業もないので、小学生ならひとりでもできるのではないでしょうか。小さなお子さんでも、親が手伝えば楽しめそうです。

シンプルな動作の手仕事が心地よく、もちろん大人も楽しく作れました。

おおよそ50本ほど繰り返して、端を整えたら完成です。

花ござの手織り体験

いぐさ屋花莚 手織り機

続いて、花ござが作れる大きめの手織り機を使って、手織り体験をしました。

一見難しそうですが、仕組みはコースターと一緒です。
棒を使ってい草をすすっと通していくのが気持ちいい。

いぐさ屋花莚 ワークショップ

こちらは持ち帰れませんが、お客さんが少しずつ織ったござは、将来的に店内のオブジェに合体する予定だそうですよ。

みんなの力で進化するオブジェ、いいですね。

その他のワークショップも拡大予定

いぐさ屋花莚 ワークショップ ミサンガ

今後、ミサンガ作りなどの多様なワークショップを検討中だそう。

詳しくはお店にお問い合わせください。

ワークショップを体験したあとは、い草を今までより身近に感じましたよ。

代表取締役の楠戸登美夫(くすど とみお)さんにお話を聞きました。

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い草屋 花莚のデータ

いぐさ屋花莚 冨來屋本舗
名前い草屋 花莚
住所倉敷市本町6-21
電話番号086-427-0122
駐車場なし
営業時間午前10時~午後7時
定休日
月曜日が祝日の場合は翌日
支払い方法
  • 現金
ホームページい草屋 花莚 | 冨來屋本舗
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吉野なこ

吉野なこ

写真と旅を愛する、倉敷そだちのデザイナー。
倉敷のときめくものや素敵なところをお届けします!

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