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児島虎次郎記念館グランドオープン(2025年4月3日)~ 地域に親しまれた歴史ある銀行建築で、大原美術館の原点となる作品を鑑賞しよう

児島虎次郎記念館グランドオープン(2025年4月3日)~ 地域に親しまれた歴史ある銀行建築で、大原美術館の原点となる作品を鑑賞しよう

伝えとこ / 2025.04.19

大原美術館館長 三浦篤さんインタビュー

児島虎次郎記念館のグランドオープンにあたり、三浦篤(みうら あつし)館長に話を聞きました。

三浦篤館長
三浦篤館長

児島虎次郎記念館がグランドオープンした今の気持ちを、聞かせてください

三浦(敬称略)

感無量の一言に尽きます。

というのも、大原美術館の設立者である大原孫三郎は、当初児島虎次郎の功績をたたえる美術館をつくりたいと願っていました。
しかし、紆余曲折あって現在の大原美術館本館は、児島が海外から買い付けた西洋画を中心とした作品で構成されています。

また、この建物は倉敷銀行・中国銀行倉敷本町出張所として活用されていたもので、大原家とも縁のある建物です。
この場所を、児島虎次郎記念館として活用することには歴史的な意味もあると考えています。

展示室1
展示室1

大原美術館本館の開館から95年が経ったこのタイミングで、大原孫三郎と児島虎次郎の友情の証を記念館として残せてうれしい気持ちです。

近くに大原美術館本館もありますね。児島虎次郎記念館はどのような展示を展開していく予定ですか

三浦

展示室1をご覧いただくとわかるように、当館では児島虎次郎の収集した古美術を数多く所蔵しております。
順次展示替えをしながら、代表作をはじめとする質の高い収集作品を展示していきたいです。

また、大原芸術財団には児島虎次郎に関する資料が膨大に残っております。この資料には、作品だけでなく書簡や日記なども含まれているんですよ。

それらの資料を整理することも、私たちの使命です。
2025年3月には、大原美術館のホームページにて「児島虎次郎 油絵目録」の公開をしました。

今後は、当館にて作品と資料を相互に見られるような展示をしていきたいと考えています。

企業版ふるさと納税に、69の企業から寄附がありましたね

三浦

予想以上にたくさんの企業様から寄附をいただけて感謝でいっぱいです。
これは、大原美術館の今までの活動の成果のひとつだと思っています。

大原芸術財団の活動を支えたいと思ってくれる人にご来館いただき、児島虎次郎の魅力を倉敷から全国へ発信し続けていきたいです。

児島虎次郎記念館には、どのような人に来てもらいたいですか

三浦

まずは、倉敷に住む地元のかたがたや企業版ふるさと納税にご賛同いただいたかたがたに来ていただきたいです。

地元のみなさまにここに来て児島虎次郎の作品を味わっていただき、そこで感じた想いを全国、世界中のかたに知っていただければうれしいです。

文化の灯(ともしび)を、ここ倉敷から世界中へじわじわと広げていく場になってほしいですね。

プレオープン当日の展示室2
プレオープン当日の展示室3

児島虎次郎記念館を、どのように活用していきたいですか

三浦

児島虎次郎の功績は日本の洋画史にとって大変偉大ですが、彼の収集した古美術や彼自身の作品は広く知られていません。
そのため、まずは児島虎次郎の作品そのものを多くの人に知っていただきたいです。

また、コレクションとして西洋画や古美術を買い付けた画家は、当時としては先進的で日本で初めての存在であったともいわれています。
コスモポリタンとしての児島虎次郎にも注目していただきたいです。

コスモポリタン
国籍・民族などにとらわれず、世界的視野と行動力とをもつ人

それから、館内には展示室だけでなくレクチャールームも併設しました。
児島虎次郎をはじめとした大原美術館創始者たちが大切にした社会貢献の意識を受け継ぎ、社会教育にもより一層力を入れていきたいと考えています。

おわりに

プレオープン、グランドオープンともに、児島虎次郎記念館にはいつもより少しおしゃれをして、お友達同士やご夫婦で来館するお客さんの多さが印象的でした。

倉敷美観地区の中心地に日常の風景としてとけ込みながらも、一歩館内に入ると非日常のアートの世界へ没頭できる。

小ぶりでかわいらしい児島虎次郎の収集作品も、光と色彩の鮮やかな絵画作品もつい時間を忘れて見入ってしまうものばかりです。

大原美術館本館の入館チケットで、児島虎次郎記念館も入館できます。
アートな一日を堪能しに、足を運んでみてはいかがでしょうか。

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児島虎次郎記念館のデータ

外観
名前児島虎次郎記念館
期日午前10時~午後4時
※入館締め切りは15時30分、12月から2月は15時閉館
場所岡山県倉敷市本町3-1
参加費用(税込)大原美術館本館/工芸・東洋館/児島虎次郎記念館 共通
一般 2,000円
高校・中学・小学生(18歳未満) 500円
ホームページ大原美術館公式ホームページ


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高石真梨子

高石真梨子

東北→九州→近畿→関東を経て、2023年12月に倉敷市地域おこし協力隊になりました。

音の世界と音のない世界の狭間に住んでいる、手話と日本語のバイリンガルです。障がいの有無にかかわらず、倉敷を旅して倉敷に住み続けたくなるような情報を発信していきます。

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