倉敷初のクリスマスマーケットの発起人はキャビンアテンダントの市川菜美子(いちかわ なみこ)さんです。
市川さんは現在、倉敷観光コンベンションビューローへ全日本空輸株式会社より出向しています。
市川さんとイベント担当の前岡修允(まえおか みちのぶ)さんにKurashiki Christmas Market 2023について話を聞きました。
目次
仕掛け人の市川菜美子さんについて
いつから倉敷に出向しているのですか?
市川(敬称略)
2022年7月から倉敷へ出向しています。
東京を拠点にキャビンアテンダントとして国内外を飛び回っていましたが、就職して1年半経った頃に、新型コロナウイルス感染症の影響でフライトが縮小しました。
飛行機が減便されるなか、職員は地方創成のため、日本各地へ出向するようになりました。
行き先の民間企業の職種は多種多様です。
地方創生事業のような行政的な仕事もいくつかあり、そのなかで倉敷へ一番行きたいと思いました。
幼い頃に家族と倉敷へ来たことはありますが、ほとんど記憶に残っておらず「歴史的な町並みがある」という印象だけで、私にとって倉敷はほとんど初めての地でした。
何も知らない町に行って、「これまで経験したことのない新しいことに挑戦できる」というわくわく感が、倉敷への出向に手を挙げるきっかけになりました。
引っ越したときは、知り合いや友人もいない状態でしたが、私自身食べることやいろいろなかたとお話をするのが好きなので、倉敷のさまざまなお店を巡りました。
お店で出会う倉敷出身のかたがたは、歴史や文化を大切にしていて、地元への想いが強く、「もっと倉敷が盛り上がったらいいのにな」と思われているかたが多い印象でした。
Kurashiki Christmas Market 2023の誕生は外からの視点があったから
Kurashiki Christmas Market 2023の発想はいつからあったのですか?
市川
去年(2022年)の秋でしょうか。
倉敷アイビースクエアでメタセコイアの木を見た瞬間に「こんな立派な木があるんだ。クリスマスツリーにしたらすごいすてきだろうな」とひらめきました。
初めは冗談めかして、「冬にメタセコイアにイルミネーションしたらいいですよね」と軽くしゃべっていたんですが、同感してくれるひとが多くて。
そこで実現に向けて、本気で考え始めました。
一方、メタセコイアの木がある場所は、少し奥まっているので、地元でも存在を知らないひとも多いようです。
私が倉敷へ訪れたひとを案内するときにメタセコイアへお連れすると、みんな「おーっ!」と感動されます。
そんな感動するものを、地元のかたにも知ってもらえたらいいのに、と思ったのがKurashiki Christmas Market 2023をするきっかけになりました。
メタセコイアのイルミネーションは莫大な費用がかかるので、予算の関係上諦めざるを得ませんでしたが、ミラーボールを使って光の演出をします。
美観地区は、昔の建物が残っているのでタイムスリップした気分になります。
和の雰囲気のなかに倉敷アイビースクエアのように洋風の建物もあって。
今まで仕事や旅行で日本各地を訪れましたが、和と洋が融合しているこの町並みがとても珍しくて、一目見たときからすごく気に入りました。
すべてが初めてのイベント
市川
まだ1年半ほどしか倉敷観光コンベンションビューローで働いていないですが、すごく多種多様な業務を経験させていただいてます。
夏以降は観光客のかたがたも増えてくるので、イベントの出展や出張に行く機会が多く、時間にあまり余裕がない毎日でした。
そのうえ、予算は決まっていないものに充てられないので、アイデアがあっても実現まではハードルが高いです。
時間も予算も、すべてが不安要素でした。
さらに私は今まで事務的な仕事をまったくしていなかったので、書類作成や企画書を作ることにも苦労しました。
書きかたも全然わからない。
とりあえず書類を作ってみたものの、5回くらいやり直して、やっと前岡さんに見てもらえる形になりました。
上司に企画を伝えるときは、「そもそもクリスマスマーケットとは何か」から説明しました。
前岡(敬称略)
市川さんは、外からの目線で倉敷に何が足りないとか、もっとこうしたほうが良いとアイデアをすごくくれるんですよ。
それが斬新というか、我々が気づかないことに気づかせてくれて。
Kurashiki Christmas Market 2023の提案をもらったとき、すごく魅力的だと感じたので応援しようと思いました。
全日本空輸の業務とは違いますし、特に事務手続きは分かりにくいことが多いので、その部分は私ができる限り手伝おうと。
市川さんには得意分野を生かして、お店とのやりとりや企画に集中してもらおうという気持ちでいます。
私だけでなくて、周りの人みんなが「良い企画だから応援しよう」という感じです。
ぜひ成功させたいと思っています。
今までクリスマスのイベントを倉敷観光コンベンションビューローでは実施していませんでした。
岡山ではクリスマスマーケットは馴染みがないですし、その発想がなかったです。
12月は観光イベントはなく、年明け以降に控える別のイベントの準備に追われる感じでしたので、市川さんがいろいろなことを気づかせてくれました。
倉敷へ来て1年半ほどで店を集めるのは大変だったのでは?
市川
店が集まるかは本当に不安でした。
師走の忙しい時期ですし、初めてのイベントということもあり、参加が難しい店舗さんもいらっしゃるだろうと不安はありました。
でも快くたくさんの店舗さんに参加していただくことができ、感謝でいっぱいです。
仕事で関わりがあったり、個人的にも伺ったことがあったりという、ふだんからお世話になっている店舗さんがたくさん集まってくれました。
周りのサポートもあって、みんなに助けてもらいながら本番へ向けて準備をしています。
Kurashiki Christmas Market 2023への想い
イベント当日は来場者のかたに、どのように過ごしてもらいたいですか?
市川
みんなで一つの会場に集まって、おいしいご飯や飲みものでわいわいと楽しみながら温まって、倉敷でクリスマスの訪れを感じてもらえたらうれしいですね。
そしてこのイベントがこの先何年も倉敷に根付いてもらえたら、本当に挑戦してよかったなと思います。
岡山県内外問わずより多くのかたに、倉敷の魅力やポテンシャルが伝わり、「クリスマスといえば、倉敷だよね」と、倉敷で過ごすかたが増えてもらえたらうれしいです。
おわりに
倉敷出身の筆者は、クリスマスマーケットの存在を知ってはいたものの、倉敷で開催するという発想はありませんでした。
倉敷の雰囲気にクリスマスマーケットがぴったりだと語っていた市川さん。
外の目線を持つ市川さんならではの企画だと思いました。
取材を通し、1年半という短い期間にイベントを企画し、お店を集められる市川さん自身の魅力も感じられました。
なにもかもが初めてのKurashiki Christmas Market 2023は、みんなの協力と熱い想いで本番に向かって進んでいます。
来年も再来年もイベントが続き、倉敷の定番イベントとして定着してほしいなと願いながら取材をしました。
今年の12月15日(金)と16日(土)は、倉敷初のクリスマスマーケット、Kurashiki Christmas Market 2023で、クリスマスを味わってみてはいかがでしょうか。
Kurashiki Christmas Market 2023のデータ
名前 | Kurashiki Christmas Market 2023 |
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期日 | 2023年12月15日(金)・16日(土) 午後4時~午後9時(ラストオーダー 午後8時30分) |
場所 | 岡山県倉敷市本町7-2 |
参加費用(税込) | |
ホームページ | Kurashiki Christmas Market 2023 |