倉敷美観地区にある国指定重要文化財の「語らい座 大原本邸」。
観光施設としての役割だけでなく、新たな交流・ビジネスのきっかけとなる「触媒」として、教育プログラムにも力を入れています。
「くらしき未来K塾」はそのひとつ。
2020年度は倉敷市委託の「高梁川流域未来キャリア教育セミナー」としても開催されています。
そして、第15回のテーマは「キーワードから読み解くSDGs」。
倉敷市が、令和2年度「SDGs未来都市」および「自治体SDGsモデル事業」に選定された直後の開催となりました。
2020年7月25日(土)に開催された、「第15回くらしき未来K塾 ~キーワードから読み解くSDGs~」のようすをレポートします。
記載されている内容は、2020年8月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
目次
第15回くらしき未来K塾/第2回高梁川流域未来キャリア教育セミナーのデータ
名前 | 第15回くらしき未来K塾/第2回高梁川流域未来キャリア教育セミナー |
---|---|
期日 | 2020年7月25日(土) 午後1時~3時 |
場所 | 岡山県倉敷市中央1丁目2-1 |
参加費用(税込) | 無料 |
ホームページ | 高梁川流域未来キャリア教育セミナー |
「高梁川流域未来キャリア教育セミナー」とは
2020年度の「くらしき未来K塾」は、「高梁川流域未来キャリア教育セミナー」としても開催されています。
「高梁川流域未来キャリア教育セミナー」とは、倉敷市の事業と連携し、教師・企業・地域のつながり作りを応援する月1回のセミナーです。
全5回のセミナーで、今回は2回目の開催。
第1回のレポートは、以下の記事を見てください。
第15回くらしき未来K塾 ~キーワードから読み解くSDGs~の概要
今回のテーマは「キーワードから読み解くSDGs」です。
セミナーの流れは以下のとおりでした。
形式 | 内容 | 登壇者 |
---|---|---|
講演 | キーワードから読み解くSDGs | 吉川幸氏 |
シェアタイム | 皆さんの「!」や「?」をシェア | |
分科会セッション | 学びを変革するために「わたし」にできること | |
発表 | 参加者による発表と講師の総評 |
この回まで、新型コロナウイルス感染拡大予防のため、基本的にはオンラインセミナーの形式で参加者を募集。
会場での参加は10名程度で、現地参加のかたも自身のパソコン・スマホからアクセスし、セミナーを聞いたり、交流を行なったりしていました。
セミナー冒頭にアンケートが行われ、リアルタイムで関心のある内容を共有します。
チャット機能を使って、参加者同士が交流しているのはオンラインセミナーならではかもしれません。
吉川幸(よしかわ みゆき)さんによる講演
吉川幸(よしかわ みゆき)さんの講演では、「SDGs」に関して、歴史や考え方を説明してくれました。
タイトルにもある「キーワード」は、以下の4つです。
- No One is Left Behind(誰も取り残されない)
- 見える化
- 連鎖
- バックキャスティング(目標から逆算して考える)
SDGsとは
持続可能な開発目標(SDGs)とは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された、2030年を年限とする17の国際目標です。
SDGsの前には、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)がありましたが、どちらかといえば「開発途上国の課題解決」を目的としていたため、先進国には焦点をあてていませんでした。
特に発展の代償として増えた「気候変動と環境悪化」を改善するには、先進国の積極的な姿勢が不可欠です。SDGsではこれらも対象に含めています。
「17の目標」とは、以下のとおりです。
ひとつひとつの目標は、なんとなく理解できると思います。では、日本の現状はどうなのでしょう。
2019年の達成状況は、以下のとおり。
- 4、9、16が達成
- 5、13、14、15、17が未達成
という傾向が読みとれ、「誰の目にも分かりやすく」することで、やるべきことは見えてきます。
では、目標を「ひとつひとつ」達成していけばよいのでしょうか?
SDGsは「すべて達成できるか、すべて達成できないかのいずれか」
吉川幸さんは、SDGsは「すべて達成できるか、すべて達成できないかのいずれか」と話しました。
その理由として、分かりやすかった事例を紹介します。
「6:安全な水とトイレを世界中に」はなぜ必要なのか?
水不足を起因に、さまざまな問題が発生します。
- 気温上昇により、砂漠化が進み、農業が衰退する
- 農業では収入が得にくくなり、農村から都市部へ人が流出する
- 都市は人口の急増により、住居が不足してスラムが生じ、衛生環境が悪化する
- 仕事に就けない若者を勧誘する、過激派組織が増加する
1つの問題が解決できなかったことで、他の問題にも「連鎖」していく。
この視点が重要です。
このため、SDGsは現状から何をするか(フォアキャスティング)ではなく、到達点から逆算して何をするか(バックキャスティング)で考える必要がある、と吉川さんは話していました。
分科会セッション
ここまでの説明をもとにSDGsに関しての質疑応答があり、休憩を挟んで分科会セッションが行われました。
くらしき未来K塾は、「セミナー」として話を聞くだけでなく、参加者同士が交流する時間を重視しています。
分科会セッションのテーマは、学びを変革するために「わたし」にできること。
会場に参加しているかたもオンライン参加のかたも、全員がオンライン上で議論をします。
会場にいながら、それぞれ別の場所でスマホ片手に話しているのは、「コロナ禍」らしいシーンですね。
約40分ほどそれぞれのグループで話し合ったあと、どんな意見が出たかを、グループごとに発表しました。
「SDGs」という大きなテーマですが、「自分ごと」として話していたのが印象的です。
吉川幸さんが、発表ごとにコメントをし総括をしましたが、まだまだ話し足りないという雰囲気のなか、終了となりました。
おわりに
くらしき未来K塾は、「教育」をテーマにしたセミナーです。
今回のテーマは「SDGs」でしたが、どちらかといえば壮大なテーマが多くなりがち。
ですが、大学生くらいの若者から、学校の先生・会社経営者などさまざまな属性のかたが参加し、活発に議論をしています。
特に「オンラインは若者の参加が多い」というのが特徴でしょう。
終了後、「近所に住んでるんで、そっち行っていいですか?」といい、会場で話の続きをしていた大学生は印象的でした。
くらしき未来K塾は「第4土曜日」に開催されています。
最新情報は、「高梁川流域未来教育セミナー」のWebサイトを確認してみてください。
第15回くらしき未来K塾/第2回高梁川流域未来キャリア教育セミナーのデータ
名前 | 第15回くらしき未来K塾/第2回高梁川流域未来キャリア教育セミナー |
---|---|
期日 | 2020年7月25日(土) 午後1時~3時 |
場所 | 岡山県倉敷市中央1丁目2-1 |
参加費用(税込) | 無料 |
ホームページ | 高梁川流域未来キャリア教育セミナー |