倉敷や岡山の生フルーツを使った食事を、倉敷の飲食店で味わえる「倉敷アフタヌーンティー」というイベントを知っていますか?
倉敷アフタヌーンティーは、2015年の夏から始まったイベントです。
翌年の2016年からは夏と冬の年2回開催となり、当初は倉敷美観地区を中心とした9店舗の参加でしたが、2020年の冬は過去最多の27店舗の参加となりました。
写真コンテストを実施し、インスタグラムの普及とともに県外のかたにも知れ渡っていったそうです。
ところが、惜しまれつつ2020年3月15日でイベントは終了に。
「倉敷アフタヌーンティーをもっと続けて、地域を盛り上げたい」という熱い想いのもと、倉敷アフタヌーンティーを継続するために実行委員会が発足されました。
実行委員長の森田美紀さんと、参加店舗でもあり実行委員会メンバー・kobacoffee(コバコーヒー)の小林恭一さん。
クラウドファンディングに挑戦するまでのお話と、地域を盛り上げたいというお二人の想いを紹介します!
▼また、最新の情報は以下の記事を見てください。
記載されている内容は、2020年4月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
目次
倉敷アフタヌーンティーとは
アフタヌーンティーとは、イギリス発祥の喫茶習慣で、紅茶とともに軽食やスイーツを楽しむ優雅なお茶会のことです。
このアフタヌーンティーからヒントを得て、倉敷らしさを取り入れた倉敷アフタヌーンティーが、2015年の夏(7月10日から9月30日)から始まりました。
倉敷や岡山の新鮮なフルーツをちょっとぜいたくに味わえる、倉敷アフタヌーンティー。
翌年の2016年より年2回、夏と冬の開催のイベントになりました。
夏の倉敷アフタヌーンティーは、ぶどうまたは桃を。
冬の倉敷アフタヌーンティーは、苺と温かいメニューを必ず盛り込んでいます。
倉敷でゆっくり過ごしていただきたいという思いから、どのお店でもドリンクは「2杯付きorおかわり自由orポットで提供」。
2段以上に重ねて盛り付けられ、見た目もとっても豪華です!
価格は店舗によって違いますが、1,650円~4,000円(税込)予定です。
倉敷アフタヌーンティーをもっと続けたい。クラウドファンディングへの挑戦
倉敷アフタヌーンティーが始まった2015年当初、継続期間は行政主導で3年の予定でした。
しかし、3年目の終了が近づいた2017年、「注目度や人気も高まっている時に、辞めるのはもったいない」と周りから評価され、追加の2年が決定。
そして2020年冬がその5年目となり、ついに行政の支援がなくなります。
終了を知った倉敷アフタヌーンティーのファンのかたから、「もっと続けてほしい!」という声が続出しました。
イベント立ち上げ時、倉敷観光コンベンションビューローの職員として携わっていた、森田美紀さんを中心とした民間の倉敷アフタヌーンティーの実行委員会が発足。
他の実行委員会のメンバーは、以下のとおりです。
- kobacoffee(コバコーヒー):小林恭一さん
- キャンドル卓 渡邉邸:井上良治さん
- くらしき桃子:楠戸敦郎さん
- 72cafe:藤原真也さん
行政からの支援がなくなり、2020年夏の開催へ向けて、クラウドファンディングに挑戦することになりました。
まずは、倉敷アフタヌーンティーの立ち上げ時から参加している店舗、kobacoffee(コバコーヒー)のオーナー・小林恭一さんへ、倉敷アフタヌーンティーへの想いや苦労などについてお聞きしました。
kobacoffee(コバコーヒー)のオーナー・小林恭一さんへインタビュー
倉敷アフタヌーンティーに参加したきっかけ
参加をされるようになったきっかけは?
小林
当時、倉敷観光コンベンションビューローの職員だった森田さんに、「新しい企画を考えていて、アフタヌーンティーっていうのをやろうと思うんです」と聞いたのが始まりですね。
地域を盛り上げて、県外のお客様に周知してもらうという企画の意図に賛同して、参加を決めました。
kobacoffeeの倉敷アフタヌーンティー、こだわりや苦労について
苦労したり大変だったことや、kobacoffeeさんの倉敷アフタヌーンティーのこだわりについて教えてください。
小林
最初は、付き合いがあったくらしき作陽大学に相談して、学生さんに授業のなかでアフタヌーンティーのメニューを考えてもらい、何度も試作を重ねて作りあげました。
倉敷美観地区の象徴ともいえる白鳥をかたどったシュークリームは、2015年当初から統一して使っているメニューです。
もともとコーヒーメインでお店をやってきてたので、従業員も含めて自分自身もやったことのないことに対しての折り合いに苦労しましたね。
今までお店で取り扱ったことのない桃やぶどうを提供し、取り扱い方について勉強させてもらいました。
「次は、ああしてみよう、こうしてみよう」と、メニューについては毎回考えましたよ。
倉敷アフタヌーンティーをやってみてよかったこと
小林
以前、うちは倉敷アフタヌーンティーの当日受付もしていて、イベントに来られる半分のかたは、県外からのお客様でした。
当日飛び込みで注文された県外からのお客様に、喜ばれたことが嬉しかったですね。
また、就職や進学のために県外から岡山へ来た娘さんが、お母さんと一緒に来てくれ、親子でアフタヌーンティーを楽しまれるかたもいて。
倉敷市内だけでなく、県外からのお客様にも喜んでもらえたことがよかったですね。
また、岡山産のフルーツをアピールできることが倉敷アフタヌーンティーの魅力だと思います。
倉敷アフタヌーンティーを継続しようと思った経緯について
小林
2020年の冬が最後になるといったら、「えぇー!」って多くのかたから言われて。
店舗によっては、単独でアフタヌーンティーをすることもできます。
でも、できればお店で集まってやるほうが、より集客につながりますからね。
継続できるのであれば、やってみようと思いました。
あと、実行委員長を森田さんがやるなら協力するよ、と言いました(笑)。
kobacoffeeさんの倉敷アフタヌーンティーを継続するためのクラファンのリターンについて
小林
まずは、1回~2回コーヒーの淹れ方を伝えて、うちのお店で使っているコーヒーを好きなようにブレンドしてみようという体験型のリターンです。
ブレンドを3種類作って、気に入ったものを一つお土産として持ち帰るようにしようと考えています。
自分がイメージする「目覚めのコーヒー」や、「私のブレンドコーヒー」など、それぞれの特徴がでますね。
この体験を通して、その人に合うコーヒーを作るきっかけになればと思います。
ご要望があれば、コーヒーの楽しさやおいしさをあじわっていただけるよう、コーヒー教室も行なっているので、気軽に問い合わせください。
倉敷アフタヌーンティーにかける想い
小林
県外から来たお客様に「倉敷へアフタヌーンティーへ行こう!」と気軽に言ってもらえるイベントになればと思います。
倉敷アフタヌーンティーが、地域を盛り上げるきっかけになれば嬉しいですね。
倉敷アフタヌーンティー実行委員長・森田美紀さんへインタビュー
倉敷アフタヌーンティーが始まったきっかけ
どういったいきさつから始まったイベントでしょうか。
森田
倉敷観光課と倉敷観光コンベンションビューローの20代から30代のメンバーで、「倉敷らしさ」がつまったイベントを企画してほしいと言われたことが始まりです。
メンバーで集まって話し合いをしたのですが、なかなかいいものが思いつかなくて。
話し合いの途中に、「このあいだアフタヌーンティーっていうのを食べたんよ!すごく良くて感動した!」という話を聞いたのをヒントを得て。
「それ、いいんじゃない?」ってなって。倉敷らしさといえば、生の桃とぶどう。
今まで、産地でありながら生で食べられる機会がなかったので、生の桃とぶどうを使うことを条件として企画しました。
倉敷アフタヌーンティーをやってみて大変だったこと
森田
やっぱり、1年目が一番大変でしたね。
まずそもそも「アフタヌーンティー」を知らないとこから始まって。
お店のかたにもアフタヌーンティーとはどんなものか説明して、食事を盛る台を買ってもらって。
お客さんが来てくれるかわからないイベントなのに、倉敷を盛り上げようという想いに賛同してくれたお店には感謝しきれないです。
倉敷の魅力を伝えるようになった原動力について
森田
もともとは、生まれ育った倉敷には興味がなくて、県外の大学に進学したんです。
ところが、大学時代にいろいろなものがなくなっていったんですよね…。
昔からあったお店がなくなって、地元の商店街がどんどんさみしくなっていって。
私の祖父母が町の小さな本屋さんを経営していたんです。
お店をやめると言い出したのが、ちょうど私の就職活動のときでした。
自分が継いだらこの本屋は残るとは思ったのですが、そのときに本屋を経営する自信がなくて継がなかった。
でも、そこで勇気をだしていれば、本屋はなくならなかった。
町がまた寂しくなるなと思って、その後悔が今の原動力となってるんです。
ひとつでも町のあかりをなくしたくない、倉敷のために働きたいと思って、倉敷観光コンベンションビューローに入りました。
海外旅行が趣味でよく海外へ行くのですが、改めて倉敷美観地区を歩くと、「やっぱここもいいな」ってなったんです。
もっと世界の人に倉敷の魅力を知ってほしいなと思うようになりました。
観光客のかたももちろんですが、もっと地元・倉敷のかたにも倉敷美観地区に来てほしいですね。
倉敷アフタヌーンティーの実行委員長になった経緯
森田
行政の支援が2020年冬で打ち切られて、民間でやるしかないとなったのですが、民間で倉敷アフタヌーンティーのことを知っていたのは、私しかいなかったから、ですかね(笑)。
倉敷アフタヌーンティーのファンのかたももちろんですが、提供するお店のかたが「これで終わるのはもったいない」と言ってくれたのが、一番大きかったです。
それこそ、倉敷アフタヌーンティー開催期間中は忙しくて、どこも苦労して大変だという話を聞いていたんです。
でも苦労をしながらも、倉敷を盛り上げたいという気持ちで続けたいと思ってくれたことが後押しとなりました。
私でがんばれることがあるならがんばりたいと思って、民間の倉敷アフタヌーンティー実行委員会をたちあげました。
倉敷アフタヌーンティーを継続するためのクラウドファンディングについて
森田
まずは2020年夏の開催に向けて準備をします。
夏の1回だけではなく、2021年冬、そして翌年の夏と続けます。
夏と冬の年に2回実施し、3年間のイベント実施を目標に取り組みます。
このクラウドファンディングで募った資金で、イベントホームページを完成させ、イベントを実施することを目的としています。
倉敷アフタヌーンティーに対する想い
森田
コバコーヒーの小林さんとかぶってしまうのですが、やっぱり倉敷に来たら倉敷アフタヌーンティーが食べられるような、倉敷のブランドにしたいですね。
県外から倉敷へ来た人が、「倉敷で何を食べたらいいのかわからない」と言われる状況を打破したい。
そのために、応援よろしくお願いします!
おわりに
倉敷アフタヌーンティーは、筆者も大好きなイベントです。
取材では、倉敷美観地区だけでなく、玉島や児島地区なども含めた倉敷のお店を通して、「倉敷アフタヌーンティーを食べたことないひとに、倉敷の食の魅力をもっと知ってほしい」という熱い想いが聞けました。
倉敷を盛り上げたいという想いが、ひとりでも多くの人に伝わればと思います。
【終了】倉敷アフタヌーンティー(2020年7月20日~9月30日開催)~旬の桃やぶどうをゆっくりと味わえる、プチぜいたくなイベント