こだわりの珈琲について店長に聞きました
1971年の創業当時から、自家焙煎珈琲だけでお店を開いている倉敷珈琲館。現在の店長で焙煎士の松尾直毅(まつお なおき)さんに、こだわりの珈琲への想いを聞いてみました。
創業の1971年からかわったことはありますか。
松尾(敬称略)
外観、内装、調度品などは創業当時からほとんどかわっていません。
建物内のトイレなど、一部改装して手を入れている以外はほとんど創業時のままです。外観や内装だけでなく、焙煎機や焙煎方法、ドリップ方法、珈琲だけのメニュー設定などもほとんどかわっていません。むしろそれが倉敷珈琲館の特長でもあります。
珈琲だけのメニュー設定だと、とまどう来店者もいませんか?
松尾
たしかに、お客様のなかには軽食、ジュースなど珈琲以外のメニューを希望されるかたもいらっしゃいます。
ですが、倉敷珈琲館は珈琲の専門店だからこそ、珈琲豆の仕入れから焙煎、ドリップまで、すべての工程に徹底的にこだわれると思っています。
焙煎機にはやはりこだわりがあるのでしょうか。
松尾
もちろん当店のこだわりのひとつは焙煎機です。ただ、実はこの焙煎機だと効率は良くないです。
3kg釜なのですが、効率だけを考えれば、もっと大きな焙煎機で一度に多くの豆を焙煎したほうが良いのは確かです。
しかし、この焙煎機でないと倉敷珈琲館伝統の味を引き出すことはできません。
焙煎する日は、ほとんど焙煎室にこもっています。
創業時からの焙煎機で手間暇かけて少量ずつ焙煎することで、豆本来の風味を最大限に引き出し、最高の状態で皆様にお届けしたい。当店の珈琲へのこだわりです。
「ネル・ドリップ(布製のフィルターを使ったドリップ)」の良いところを教えてください。
松尾
ネル・ドリップは、味の広がりの点で無間のバリーションが可能です。ほかの抽出方法とは違い、ネル・ドリップとの緊張関係を守ることで、珈琲と会話しながらコクのある味をととのえることができます。
これは科学的にも理にかなっているんです。
またネル・ドリップで淹れるのも、誰でもいいわけでなくやはり2年、3年と経験を積んだスタッフが淹れます。ドリッパーは花形のポジションです。
メニューや焙煎のこだわりのほかにお店で守っていくものなどがありましたら教えてください。
松尾
お客様のお声のなかに
「学生のころにきた。(学生時代に背伸びして高いコーヒーを飲んだ)」
「亡くなった妻ときた。」
「なつかしい。昔と全然変わっていない。」
など、いろいろなお言葉をいただきます。
思い出のお店としてのブランドを守りつつ、今きてくださってるお客様の思い出のお店になりたいと思っています。
読者や来店されたかたへのメッセージなどがあればお願いします。
松尾
店内に入ると気づくかもしれませんが、当店はBGMや有線放送などを流していません。これは創業当初からのこだわりで、あえて流さないようにしているんですよ。
倉敷美観地区の中心部にある当店ですが、一歩店内に入ると、観光地の喧騒(けんそう)から離れ、静寂の世界が広がります。
お客様同士の会話、新聞をめくる音、珈琲を淹れる音…。
そんな、空間が奏でる自然の音を聞きながら、くつろいでいただきたいと思っています。
また、最近は外国のかたも来店することが多くなり、にぎやかな時間も増えました。しかし、それも当店の音なのです。
珈琲を飲みながらゆっくりと滞在するかたもいますので、ぜひ気兼ねなくご来店いただき、倉敷珈琲館の自家焙煎珈琲を楽しんでいただきたいですね。
おわりに
こだわりの珈琲をいただきながら店長の松尾さんのお話を聞くと、珈琲だけでなくお店の建物や空間、調度品などすべてが「倉敷珈琲館」をかたち作っていると感じました。
特に印象的だったのは、創業時から使い続けているという焙煎機を見せていただいたことです。非効率ながらも大切に使い続けているというお話に、珈琲への深い愛情を感じました。
また、店長をはじめ、スタッフの対応はていねいで、珈琲を飲みながら長居するかたが多いのも納得です。
珈琲専門店ならではの豊富なメニューも魅力です。いただいた人気No.1の「琥珀の女王」は、ミルクと濃厚な珈琲のハーモニーが絶妙で、忘れられない一杯になりました。
倉敷美観地区を訪れた際は、ぜひ「倉敷珈琲館」で、特別なひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。
倉敷珈琲館のデータ
名前 | 倉敷珈琲館 |
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住所 | 岡山県倉敷市本町4-1 |
電話番号 | 086-424-5516 |
駐車場 | なし 専用駐車場はありません。周辺の有料駐車場をご利用ください。 |
営業時間 | 午前10時〜午後5時 |
定休日 | なし |
支払い方法 |
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予約の可否 | 不可 |
座席 | 40席 |
タバコ | 禁煙(指定エリアのみ喫煙可能) |
トイレ | 洋式トイレ |
子育て | |
バリアフリー | |
ホームページ | 倉敷珈琲館 |