倉敷天文台 ~ 日本初の公開天文台 市民を星空との出会いに導いて2026年で100年

倉敷天文台100周年記念バックボードの前に立つ原館長
倉敷天文台100周年記念バックボードの前に立つ原館長

今から約100年前の1926年(11月21日)に、倉敷天文台は倉敷美観地区からほど近い倉敷市中心部で産声を上げました。

当時の天文台は官立(現在の国立)しかなく、一般市民の利用は許されていませんでした。

倉敷天文台はそのような時代に「市民に開かれた天文台を」と誕生した、誰でも天体観測ができる日本で初めての民間の公開天文台です。

多くの天文愛好家の好奇心を刺激し、天体観測活動を支えて100年。
アマチュア天文家の聖地「倉敷天文台」を訪ねました。

記載されている内容は、2026年3月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。

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こんな町中に天文台が!

ある日の観望会、天体望遠鏡で星空を観察している皆さんの周辺をよく見ると、住宅がすぐそばに建ち並んでいます。

倉敷天文台で開かれた観望会(写真提供:倉敷天文台)
倉敷天文台で開かれた観望会(写真提供:倉敷天文台)

倉敷駅から徒歩10分ほど、美観地区からも5分ほどのところにある倉敷天文台は、倉敷町長も歴任した実業家の原澄治(はら すみじ)氏が私財を投じて1926年に設立しました。

倉敷天文台を設立した原澄治初代理事長(写真提供:倉敷天文台)
倉敷天文台を設立した原澄治初代理事長(写真提供:倉敷天文台)

「岡山は晴天率が高く降水量が少ないことから適任地だ」と公開天文台設置運動を展開していたアマチュア天文家、水野千里(みずの ちさと)氏に賛同したことがきっかけだったそうです。

土地は大原孫三郎(おおはら まごさぶろう)氏から無償で借り受けたもので、現在は住宅街になっていますが当時はまだ市街地の様相はなく、周辺には農地が広がっていたそうです。

設立当時の倉敷天文台と周辺のようす(写真提供:倉敷天文台)
設立当時の倉敷天文台と周辺のようす(写真提供:倉敷天文台)

観測室にはイギリスから輸入した国内最大級の32cm反射望遠鏡が設置され、一般市民が参加して1~2か月に1回観望会が開催されていました。

32cm反射望遠鏡(写真提供:倉敷天文台)
32cm反射望遠鏡(写真提供:倉敷天文台)

初代台長は市民への天文学普及を熱心に説き「アマチュア天文学の父」といわれた京都大学の山本一清(やまもと いっせい)博士で、倉敷天文台は天文普及活動や天体観望会の舞台となり、多くのアマチュア天文家の注目を集めました。

開設当時の職員の皆さん(写真提供:倉敷天文台)
開設当時の職員の皆さん(写真提供:倉敷天文台)

彗星発見!「天体発見王」本田實(ほんだ みのる)台員の活躍

1941年に台員として着任した本田實(ほんだ みのる)氏は、着任直後から彗星(すいせい)や新星の観測に力を尽くします。

1980年当時の本田實氏(写真提供:倉敷天文台)
1980年当時の本田實氏(写真提供:倉敷天文台)

77歳でその生涯を閉じるまでに12個の彗星と11個の新星を発見天体発見王と呼ばれ国際的にも大きな評価を得るとともに倉敷天文台の名を広めました。

社会福祉法人 若竹の園の園長としても多くの子どもたちに星の話を語り、園児たちからは星の王子様と慕われていたそうです。

倉敷天文台はどのようなところ?

倉敷天文台には一般市民が利用できる三つの施設があります。

  • 観望室
  • 記念館
  • ブックカフェ 星の光の澄みわたり

観望室

観望室(観測時には屋根が開く)
観望室(観測時には屋根が開く)

観望室は天体観測のための機器が備えられた施設で、観測をおこなうときには屋根が左右に開くように設計されています。

31.5cmカセグレン式反射望遠鏡、本田實さんが彗星捜索に使用していた15cm対空型双眼望遠鏡などが収められています。

天体観測機器
天体観測機器

施設は無料で開放されていて、夏休みやお月見シーズンなど定期的に観望会が開かれています。

観望会などイベントの開催はホームページで告知されます。

夏休み観望会(写真提供:倉敷天文台)
夏休み観望会(写真提供:倉敷天文台)
  • 見学希望者にはその都度開放されますが、希望日の1週間前までにホームページからの予約が必要です。
  • 時間は予約時に倉敷天文台から指定されます。
  • 天候不良の場合は中止となります。

原澄治・本田實記念館

原澄治・本田實記念館
原澄治・本田實記念館

1952年に建設された5mドームを備えた施設で、1993年に原澄治・本田實記念館として開館しました。

1階は「本田實記念室」として、愛用した観測機材や彗星や新星を発見したときに贈られたメダルなど本田氏関連の資料が展示されています。

本田氏が天体観測に使っていた観測機器
本田氏が天体観測に使っていた観測機器

2階は「原澄治記念室」として天文台設立当時に購入したイギリス製の32cm反射望遠鏡や天文台関係の文献などが展示されています。

倉敷天文台開設時に設置されたイギリス製32cm反射望遠鏡

反射望遠鏡は、当時の国内では京都大学に設置された33cmの反射望遠鏡に次ぐ大きさだったそうで、2000年倉敷市の重要文化財に指定されました。

  • 開館時間は、祝日を除く火・水・木曜日の午後1時~5時
  • 来館希望日の前日までに観覧申し込みが必要

ブックカフェ 星の光の澄みわたり

ブックカフェ 星の光の澄みわたり
ブックカフェ 星の光の澄みわたり

本田氏も暮らしていた官舎を改装してカフェとしてオープンした「星の光の澄みわたり」では、倉敷天文台蔵書の古い天文書籍などが展示されています。

星の光の澄みわたり ~ 星や月、天文の偉人を感じながらのひとときを。倉敷天文台の敷地内にあるブックカフェ

初代理事長で曾祖父の原澄治氏から数えて4代目、原浩之(はら ひろゆき)理事長にお話を聞きました。

倉敷天文台のデータ

天体観測機器
名前倉敷天文台
所在地岡山県倉敷市中央2丁目19-10
連絡先086-422-4589
駐車場あり
時間帯によっては台数が制限されることがありますので、ご予約の際にご確認ください。
開館時間<観望室>
 予約に合わせその都度解放(要予約)

<原澄治・本田實記念館>
 祝日を除く火・水・木曜日 午後1時~5時(要予約)

<ブックカフェ・星の光の澄みわたり>
 火・水 午後1時~5時
 木・金 午後5時~9時
 営業日は「<a href="https://www.instagram.com/hh_sumiwatari">Instagramアカウント</a>」を確認してください
休館日月、金、土、日、祝日
祝日を除く
※ブックカフェは祝日を除く月・土・日が定休日
入館料(税込)無料
支払い方法
    予約について
    来館・利用は予約制となっています。

    <観望室>
     見学等希望予定日の1週間前には要予約

    <原澄治・本田實記念館>
     来館予定日の1日前には要予約
    タバコ
    トイレ
    バリアフリー
    ホームページ倉敷天文台

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