宮原明身さんと宮原克典さんにインタビュー
華道の先生へ花を売るところからスタートした宮原生花店。
扱う花木やサービスを足していき、今では多種多様な事業を展開しています。
店を切り盛りする宮原明身さんと、宮原克典さんにインタビューしました。
時代の変化で、求められる花も変わる
開業の経緯や店の歴史を教えてください。
宮原明身(敬称略)
前身は、母が花を売りつつ、初代の父が華道家だったので、華道を教えるところからでした。
そして1989年に法人化し、有限会社宮原生花店となり、のちに華道の先生へお稽古花を提供できるようにしました。
1994年に今の店舗ができて、私の代で小売をしながらギフト用の花も売りました。
バブル期には結婚式が派手になり、卓上の装花が求められるように。
しだいに生け花からフラワーアレンジメントに移行したので、教室を開きました。
フラワーアレンジメントが広がってくるのが今の時代の様式に合っているのかと。
住宅から床の間がなくなり、家が洋風になると器がガラスになって、剣山(けんざん)に生けることも減りましたね。
宮原克典(敬称略)
昔は花嫁修業で生け花を学んでいましたけど、それもなくなりました。
宮原明身
時代の流れで求められるものが変わって、華道の先生が買えるお花屋さんがなくなってきているんです。
華道は伝統文化ですし、なくすわけにもいかないので「華道の先生が買いに来る花屋」であることはぶらさずに続けています。
サービスは減らすんじゃなくて、足していくって感じです。
華道をベースにフラワーアレンジメントを足して。
お客様のニーズがいろいろと変わってきていますので。
一時期ガーデニングをするのがブームだった時代もありました。
そのときは、扱う苗も多かったですね。
カゴのなかにポットの苗を寄せ集める、寄せカゴがよく売れましたね。
だんだん共働きになって、みなさん忙しくなるとお庭に花を植えないようになって。
ガーデニングって季節ごとに植え替えが必要で、そこまで手をかけられないかたが増えました。
昔は庭に花があふれていましたが、今はシンボルツリーと花が少しある時代に。
私たちは、今は何が求められているのかを知って、順応していかないといけません。
コロナ禍でも需要が変わってきて、ステイホームするなかで、家に花や緑があるといいよねという志向になりました。
贈答としての花から自宅や自分用へと変わってきているように感じます。
そこで花のサブスクリプション(定期的に花を届けるサービス)を始めました。
花の魅力
宮原さんにとって、花の魅力とは?
宮原明身
花にはすごく力があると思うんです。
花を見ているときは、すごく心が穏やかで平和ですよね。
家に一輪花があるだけで、つぼみが咲いたなどの変化に気付けて気持ちが穏やかになると思います。
花をもらったひとも贈ったひとも幸せになれるんじゃないかと。
贈るひとの気持ちも届くと思うんです。
当店では、大切な花が長持ちするように「思いやりカード」と名付けた延命剤をお付けしています。
思いやりカードがあれば、水換えをしなくても1週間から10日、花が持ちますよ。
花に触れる機会を増やしたい
宮原明身
小さい頃に花に触れていたら、人生が変わると思っています。
私は小学校5年生対象に花について教える、花育(はないく)に力を入れているんです。
男の子も女の子も非常に感受性が高くて、「花っていいな」って感じてもらえています。
今まで花屋に足を運んだことのない子は、きっとこの先も花に触れる機会がないと思うんですよね。
宮原克典
昔のように家に庭があって、花を植えている家が少なくなっているなかで、子どもたちが花に触れる機会が減りましたしね。
宮原明身
花の良さを人生の早い段階で触れてもらえたらうれしいです。
一度花に触れる体験をすると、花屋に足を運びやすくなるんじゃないかなと。
花のある暮らしを広げたいですね。
花育で生徒が家に花を持って帰ることがあるんですが、「家族みんなが喜んだ」という感想をもらいます。
私が「花の力を感じてみてください。花は、みんなを平和にしますよ」と言った意味がわかった、という感想も。
映像で見るのと実際に花に触れるのとでは大きな違いですよね。
まずは1本、触れて観察してもらいたいと思っています。
宮原克典
もらったものを残したいからドライフラワーにしたいひとなど、いろいろなルートから花に触れる機会があると思うんですよね。
花へのいろいろなアプローチに対応できる花屋にしていきたいですね。
おわりに
さまざまなチャレンジをして、ひとびとが求めるものを提供し続ける宮原生花店。
失敗をすることもあったそうですが、次に何ができるかと常に考えサービスを展開してきました。
時代により、提供方法が変わっていますが、ひとびとが花に求めるものは同じではないでしょうか。
贈ってももらってもうれしくなりますし、見ているだけで心が穏やかになります。
この先も花の力は変わらずにひとを幸せにしてくれるでしょう。
取材をとおして、宮原生花店は企業理念の「花には水、人には愛」とあるように、花への愛情とひとびと心の豊かさや幸せを願っている店だと気付きました。
宮原生花店のデータ
名前 | 宮原生花店 |
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住所 | 倉敷市亀島2-7-22 |
電話番号 | 086-447-1187 |
駐車場 | あり |
営業時間 | 午前8時30分~午後7時(日曜日は午後12時30分まで) |
定休日 | 不定休 基本、第一日曜日が休み |
支払い方法 |
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ホームページ | MIYAHARA |