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しかけ絵本の魔法を伝えたい。店主、森睦子(もり むつこ)さんインタビュー

こんなにたくさんのしかけ絵本を初めて見ました!
どうしてしかけ絵本の専門店を始めようと思ったのですか。
森
もともと、嫁ぎ先が広島県の三次市にある本屋だったんです。
最盛期は3店舗ほど営業していましたが、その本屋が廃業することになり、とりあえず倉敷にIターンという形で戻ってきました。
子供たちが中学生と小学生のころでしたね。
それからすぐ、しかけ絵本のお店を?
森
いえいえ!全然そんなことなかったんですよ。
とにかく食べていくことで必死だったので、資格を生かして保育士や幼稚園教諭、それから病院の院内保育へと移りました。
当時は本当に食べるのも困るくらいだったので、お金のためにと働いていましたが、子供たちや家族との時間があまりにもとれない生活で…。
私、なんのために働いているんだろうって考えちゃったんですよね。
お金のためにといえども、むずかしい問題ですね。
森
それで、このままじゃいけないなと思って時間に余裕のあるお店で働くことになったんです。
だけど、今度は人間関係のトラブルというか、いじめのような目に合ってしまって…。
いまで言うと鬱病のような感じになってしまったんです。
そんなことが。せっかく転職したのに、それは辛いですね。
森
その時は文字も読めなくなって、外に出たくない、誰とも会いたくないって気持ちでいっぱいでした。
そんなとき、唯一広げて見ることができたのが「しかけ絵本」。
しかけ絵本を開くと、不思議と幸せな気持ちになれたんです。

傷ついた心を、しかけ絵本が癒してくれたんですね。
森
そうなんです。
それと同時に、あることをハッと思い出したんですよ。
保育士時代、弱視の子供がいたんですけどね、わたしは何とかその子を笑顔にさせたいな、と考えていたんです。
あるとき、その子にしかけ絵本を読み聞かせてあげたら、びっくりするくらい喜んでくれて、パアッと笑顔になってくれたんです。
今までそんなことなかったものだから、もうほかの先生と泣いて、その子の親御さんと泣いて…。
聞いてるこちらまで涙が出そうです。
森
そのとき、しかけ絵本には魔法というか、みんなを喜ばせる、幸せにする力があるんじゃないかと思ったんです。
そのことを思い出して、だんだんしかけ絵本の専門店をやってみたいな、という気持ちが湧いてきたんですよね。
しかけ絵本屋をやりたい森です!創業塾との出会い

お店を開きたい、と思ってからは、どのように動いていったのですか。
森
市役所が主催する「創業塾」という、当時企業したい人やお店をやりたい人の塾へ参加しました。
といっても、主人が私に内緒で申し込んでいたんですけどね(笑)
まだ人に会うのが怖かったので、行こうかすごく悩んだんですけど…。
とりあえず1回は参加しようとでかけました。
そこで自己紹介のようなものがあったんですけど、私の番になって思わず「しかけ絵本屋をやりたい森です」って口をついて出てしまったんです。
口をついて出てしまった、というところがすごいですね!本音が飛び出すというか。
森
そうなんですよね~(笑)
もうパッと言ってしまったんですよね。
でも、そうしたらほかの塾生さんたちが「しかけ絵本ってなに?」とものすごい食いついてくれたんです。
それが嬉しくて、じゃあ次回はしかけ絵本を持ってこようとか、みんなにお店の構想を聞いてもらったりだとかして、だんだん出かけられるようになっていきました。
同じ創業という夢がある仲間ができて、前向きになれたんですね。
森
創業塾にはとても感謝しています。
そのつながりで銀行なんかも縁ができて、みんなが後押ししてくれてこの絵本屋ができたようなものです。
この感謝を伝えるために、本屋をやっているところもあるんですよ。
森のかくれんぼに込められた思いと、しかけ絵本の魅力とは

「森のかくれんぼ」という名前の由来を教えてください。
森
これはもう単純に名字が「森」だから、という意味がひとつ。
それと、もうひとつ意味があって。
「お店に来ると、必ず自分に大切なものがあるよ、きっと何かがあるから見つけてね」 という意味が込められています。
場所も分かりにくいでしょう?
わざと裏路地にしたんですけど、知る人ぞ知るお店、みたいな、ちょっとやそっとじゃ見つからないぞって(笑)
確かに、地元の人でもすんなり行くには少し難しいかもしれませんね。
森
そうでしょう!もう何度倉敷駅まで迎えに行ったことか…(笑)
最後に、しかけ絵本の1番の魅力を教えてください。
森
「アナログ」であること、アナログじゃないと伝わらないものだと思います。
しかけ絵本って、デジタルじゃ絶対に面白さが分からないんです。
実際に自分で開いて、直接見て触れないと感動できない。
しかけは全て手作業で、作るのに時間もかかるし廃盤になるのも早いんですよ。
だからこそ、お店にある全ての本を大切にしたいですね。
お客さんも大切に扱ってくれるのがとても嬉しいです。

森
絵本を開くと「わぁっ!」という喜びがわくでしょ?
それは子供も大人も、男女の関係無く、ひとつの本で喜びや驚きが共有できるんです。
みんなで幸せな気持ちになれるところが、しかけ絵本の魅力であり、魔法かもしれませんね。
私も、次々と見せてくださるしかけ絵本に驚いたり感動したり、幸せなひとときを過ごすことができました。
ありがとうございました。
アナログの喜び、感動、美しさ。しかけ絵本の森へでかけよう

家に帰って写真を整理していたら、だんだんと「あれ?こんなもんじゃなかったのに…」という思いが募ってきました。
実物のしかけ絵本は、「もっとダイナミックで、もっともっと驚きにあふれた素晴らしいものだった」と伝えたいです。
どの本を手にとっても、ひとつとして同じものはなく、その都度新鮮な喜びと感動でいっぱいでした。
今度お店へ行くときは、自分だけのとっておきの1冊に出会えたらいいなぁ、と思います。
西日本唯一のしかけ絵本専門店が倉敷にある幸運。
ぜひ、しかけ絵本の森へ行ってみてください。
しかけ絵本専門店 森のかくれんぼのデータ

名前 | しかけ絵本専門店 森のかくれんぼ |
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住所 | 岡山県倉敷市鶴形1-3-3 |
電話番号 | 086-424-0696 |
駐車場 | なし |
営業時間 | 平日・日・祝日:午前10時~午後5時 |
定休日 | 木 |
支払い方法 |
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ホームページ | しかけ絵本専門店 森のかくれんぼ |