絵画の香りを想像したことはありますか?
2019年11月10日(日)、大原美術館でワークショッププログラム「静かに香る鑑賞会~あなただけの香りのお守りを作ろう~」が開催されました。
美術作品からイメージして香りを作るワークショップです。
3回ある開催日のうち、1回目のようすを取材しました。
記載されている内容は、2019年11月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
目次
いこうdeオオハラ 静かに香る鑑賞会のデータ
名前 | いこうdeオオハラ 静かに香る鑑賞会 |
---|---|
所在地 | 岡山県倉敷市中央1-1-15 |
電話番号 | 086-422-0005 |
駐車場 | なし |
開館時間 | 2019年11月10日(日)、2019年12月8日(日)、2020年1月11日(土) それぞれ午後2時~午後3時半 事前予約制 |
休館日 | |
入館料(税込) | 2,000円(税込) ※会場となる大原美術館各館の入館料を含む |
支払い方法 |
|
予約について | 可 メールにて事前予約制 申込み方法は公式ページを参照 |
タバコ | 禁煙(指定エリアのみ喫煙可能) |
トイレ | 洋式トイレ 和式トイレ バリアフリートイレ |
子育て | ベビーカー貸出 授乳室 オムツ替えシート 授乳室は工芸館にあり オムツ替えシートは本館2階および工芸館にあり |
バリアフリー | エレベーター 車いす貸出 スロープ バリアフリートイレ |
ホームページ | いこうdeオオハラ企画 静かに香る鑑賞会~あなただけの香りのお守りを作ろう~ | 大原美術館 |
いこうdeオオハラ企画 静かに香る鑑賞会~あなただけの香りのお守りを作ろう~ の概要
大原美術館は、「いこうdeオオハラ」と題したワークショップを企画・実施しています。
参加者が美術や美術館に親しみながら、豊かな発想を広げ表現することを目指す、体験型のプログラムです。
「いこうdeオオハラ」の企画のひとつが、「静かに香る鑑賞会~あなただけの香りのお守りを作ろう~」。
大原美術館の所蔵作品を鑑賞し、美術作品からイメージしてオイルフレグランスを作ります。
計3回開催されるワークショップです。
各回共通の情報は以下のとおり。
企画名 | 静かに香る鑑賞会~あなただけの香りのお守りを作ろう~ |
---|---|
開催時間 | 午後2時~午後3時30分 |
定員 | 各日15名 ※事前予約制 |
参加費 | 2,000円(税込) |
講師 | 川田 里実(かわだ さとみ)さん |
開催日によって、対象作品と対象年齢が異なります。
日にち | 対象作品 | 対象年齢 | 会場 |
---|---|---|---|
2019年11月10日(日) | 19~20世紀の西洋絵画 | 中学生~一般 | 大原美術館本館 |
2019年12月8日(日) | 19~20世紀の西洋絵画 | 小学生とその保護者 | 大原美術館本館 |
2020年1月11日(土) | 日本の現代美術 | 中学生~一般 | 大原美術館分館 |
2019年11月10日時点の情報によると、2回目となる12月8日は、定員が残りわずか。
2020年1月11日はまだ空きがあるため、申込可能です。
ワークショップのようす
2019年11月10日のワークショップのようすを、レポートします。
グループで作品を鑑賞しながら、香りを考える
まずはワークショップの説明を受けます。
それからグループに分かれて、スタッフと一緒にひとつの作品をじっくり鑑賞しました。
絵を見て、スタッフと対話しながら、感じたことを深堀りしていきます。
- 何が描かれている?
- 時間帯はいつだと思う?
- どんな場所にいる?
- 背景にはどんな色が使われている?
- どんな香りがしそう?
- どこから香っている?
- 香りは1種類?
みなさん、悩みながらも楽しそうに答えていましたよ。
どんなシーンなのだろう、なぜこの色なのだろうと考えて、香りを想像しながら見ると、作品の見えかたが変わってくるのを感じました。
感じることは、人それぞれ。
他の参加者の意見を聞くことで、「そういう風に見えてきた」「なるほど、そんなとらえかたもできるんだ」などと発見がありましたよ。
好きな作品を鑑賞し、香りをイメージする
一度集まって、次の説明を受けます。
「作品が語りかけてくれることを、言葉に落としてみましょう」と、感じたことを書き留めるメモを受け取りました。
- 何が描かれているか
- どんな感じがするか
- どんな香りを作りたいか
好きな作品を選んで、鑑賞しながら香りを考えます。
絵を真剣に眺める参加者の皆さん。
絵から何を感じ、どんな香りを作ろうとしているのでしょうか。
香りについて学ぶ
作品を選んで、作りたい香りのイメージが固まったところで、部屋を移動します。
講師の川田里実さんより、説明がありました。
このワークショップでは、3つのエッセンシャルオイルを選び、ブレンドしてオイルフレグランスを作ります。
エッセンシャルオイルは、植物から採取した、香り成分が凝縮されたもの。
嗅覚は、視覚や聴覚よりも、より本能に直接作用するそうです。
「『なんかこの絵に合う気がする』で大丈夫です。直感を大切に選んでみましょう」とアドバイスがありました。
作品そのものから考えるだけでなく、“作品を感じている自分”から香りをひっぱってきてもいいとのこと。
「好きで選んだ香りによって、心の深い部分のメッセージをキャッチできるかもしれません。
香りと感情はリンクするので、今の気持ちで作品をどうとらえたかを見つめて、インスピレーションを大切にしてください」
と、言われていました。
香りを選ぶ
まずは、15種類のエッセンシャルオイルを、オイルの名前を伏せた状態で嗅ぎます。
みずみずしい、すーっとする、スッキリなど、どんな印象かメモしていきました。
作りたいイメージと合う香りはどれか、考えながら真剣に選んでいましたよ。
ひととおり15種類の香りを確かめたら、香りの説明を読みます。
香りだけで決めてもいいですし、説明を読んで考えてもOK。
香りの名前だけでなく、効能や「清めの香り」「静かな祝福」「自己実現」といったキーワードが書かれていました。
選んだ香りから、自分の心に目を向けることもできます。
「『転換の香り』に惹かれたということは、何かを変えてみようかな」なんて考えられるかもしれません。
あたたかい雰囲気のワークショップで、笑い声も聞こえてきました。
3つの香りが決まったら、適切な配合でブレンドしてもらい、シールを貼って完成です。
ロールオンタイプのボトルに入れるため、くるくるっと塗るだけで手軽に日常的に使えます。
手首や耳の後ろに塗るのが定番ですが、胸元に塗っても自分が香りを楽しめるそうです。
直射日光を避けて保管すれば、半年ほど香りを楽しめるとのこと。
参加者の作った香りを、いくつか嗅がせてもらいました。
モネの『睡蓮』をモチーフにして香りを作った女性は、迷わず3種を選べたそうです。
著者には、清らかな爽やかさと華やかさを感じる香りだと感じました。
フォートリエ・ジャンの『人質』で香りを作った大学生は、どこかクールでかっこいい香り。
ボナールの『欄干の猫』で香りを作った女性は、「猫の香りにしたい」と話してくれました。
同じ作品をモチーフにした人でも、異なる香りができあがります。
できあがったフレグランスを「どんな香り?」と参加者同士でも確かめあい、「いい香り」「どのオイルを選んだの?」と盛り上がっていました。
じっくり考えて作った香りに、みなさん満足そう!
講師の川田さんにインタビュー
講師の川田里実さんに話を聞きました。
川田
作品に描かれたものだけにとらわれることなく、自由な発想で楽しんでもらいたいと思いました。
「こう感じた」という、自分の感覚を大切に、してもらえたら。
持ち帰った香りで、今日を思い返してもらえたらと思います。
川田
作った香りを気に入ってもらえて、楽しい時間を過ごしてもらえたようで嬉しいです。
参加者の感想
参加者にも感想を聞くと、次のような声が挙がりましたよ。
- なかなかない機会なので楽しかったです
- 香りをブレンドしたのは初めてだったので、作れてよかったと思います
- 選んだ香りを混ぜたらどうなるのか心配だったけど、素敵な香りになりました
- 嗅覚を使うことで、ふだん見るのと違う感覚で面白かったです
著者も体験してみました
ワークショップがとても楽しそうだったので、著者も体験してみました。
「まとっていると”いい女”な気分になれそうな香り」にしたいなあと、方向性を絞って作品を選ぶことに。
気品があって、幸せそうでもあり、いい香りがしていそうで、心惹かれる作品を探しました。
モディリアーニもいいしマティスもいいなあ、と悩みながら、選んだのは、アマン=ジャンの『髪』。
楕円形のキャンバスに、髪を束ねているところが描かれています。
身支度を整えて、これから、さらに美しくなるのでしょうか。
香りを想像しながら眺めていると、むわん、と甘く華やかな香りが漂ってくような気がしました。
選んだ香りをブレンドすると、甘さの中に少し若さを感じる香りに。
ときどき、耳の後ろにくるっと塗っています。作品の優雅さを思い出してはリッチな気持ちになれるので、香りの力ってすごいなあと感じました。
思い出になる香りを作ろう
香りは記憶を呼び起こしやすい、といわれます。
日常的に楽しめるオイルフレグランスで、作品を思い出せたら素敵ですね。
あなただったら、どんな作品を選び、何を感じ、どんな香りを作るでしょうか。
ぜひ、嗅覚を使って作品を鑑賞して、イメージを膨らませた香りをつくってみませんか。
いこうdeオオハラ 静かに香る鑑賞会のデータ
名前 | いこうdeオオハラ 静かに香る鑑賞会 |
---|---|
所在地 | 岡山県倉敷市中央1-1-15 |
電話番号 | 086-422-0005 |
駐車場 | なし |
開館時間 | 2019年11月10日(日)、2019年12月8日(日)、2020年1月11日(土) それぞれ午後2時~午後3時半 事前予約制 |
休館日 | |
入館料(税込) | 2,000円(税込) ※会場となる大原美術館各館の入館料を含む |
支払い方法 |
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予約について | 可 メールにて事前予約制 申込み方法は公式ページを参照 |
タバコ | 禁煙(指定エリアのみ喫煙可能) |
トイレ | 洋式トイレ 和式トイレ バリアフリートイレ |
子育て | ベビーカー貸出 授乳室 オムツ替えシート 授乳室は工芸館にあり オムツ替えシートは本館2階および工芸館にあり |
バリアフリー | エレベーター 車いす貸出 スロープ バリアフリートイレ |
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