矢掛町の山城と言えば「猿掛城(さるかけじょう)跡」が知られていますが、猿掛城跡以外にもまだあまり知られていない山城がいくつかあるそうです。
矢掛町小林にある「小林山城(おばやしやまじょう)」もそのうちの一つ。
一体どのような山城で、どのような歴史があったのか興味がかき立てられたので、史跡探索ウォーキング「小林山城を探検しよう」に参加してみました
記載されている内容は、2025年3月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
目次
史跡探索ウォーキング「小林山城を探検しよう」とは
史跡探索ウォーキング「小林山城を探検しよう」は、2025年3月1日(土)に美川公民館探索クラブとやまびこ学級の共催で開催されました。

参加者は子どもからシニアまで21名。
地元の地理や歴史に関心の高い町内のかたが、美川公民館に集合しました。
ここから矢掛町小林の能仁寺(のうにんじ)地区に移動して、小林山に登ります。
スタート地点
スタートは、元は池だった広場です。
ここには金毘羅様(こんぴらさま)と木野山神社が祀(まつ)られています。金毘羅様の灯籠の穴を覗くと小林山が見えました。

そばには、「小林山城跡・木野山神社跡・能仁寺跡案内図」の看板もあります。
史跡がわかりやすく書かれており、地域で大切に管理されていることがわかります。

この日は2月の厳しい寒さが緩んで穏やかな天候でした。
のどかな風景を楽しみながら、小林山に向かって緩やかに登っていきます。
地域と関わりの深い能仁寺

山道に入りしばらく進むと「能仁寺」と書かれた標識。
「こんなところにお寺が?」と不思議に思いながら立ち寄ってみると、そこには竹林に囲まれた廃屋がありました。
現在は廃寺になっていますが、古い五輪塔や石碑がいくつもありました。能仁寺という地区名の由来は、このお寺なのだそうです。
能仁寺と地区の人々との深い結びつきが感じられます。
小林山城跡と木野山神社
能仁寺から再び小林山城登山道に戻ります。
登山道は驚くほどきれいに整備されていました。
地元のかたが、このイベントのためにきれいにしてくださったそうです。
100mほど登ると鳥居が現れました。
そこからさらに登るとほどなく小林山山頂に到着。標高約190m。

山頂はなだらかで開けており、以前はここに木野山神社が祀られていました。
この山頂で祭事がおこなわれていたそうです。

一段高くなったところが小林山城本丸跡です。東側には小林家の石碑があります。
小林山城は毛利輝元に仕えた、小林又三郎の居城だったそうです。
堀切や井戸もあり、防御機能を備えた山城だったことがうかがえます。
おわりに

小林山城跡は中世の歴史ロマンが感じられる魅力的な山でした。
同時に木野山神社をお祀りしていることで、地域の人々が愛着を持ち、大切にしていることが伝わりました。猿掛城跡とともに、ぜひ訪れたい山です。
小林山城は、矢掛町小林、能仁寺地区の木野山神社から徒歩約30分。
登山道は整備されており、危険な場所はありませんが、滑りやすいのでトレッキングシューズで行くのがおすすめです。
駐車場は地域のかたのご厚意で木野山神社の広場を利用できます。
情報提供者:柚木雅子
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