記載されている内容は、2025年5月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
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ダンスパフォーマンス集団「ズンチャチャ」
「ズンチャチャ」は倉敷市にスタジオを構え、「一生青春ダンシング!」をモットーに岡山・倉敷を拠点に活躍するダンスパフォーマンス集団です。

主宰の須原由光(すはら よしみ)さん(倉敷市出身)は、幼少期からモダンバレエ・ジャズバレエを学び、1995年に単身渡米。そこで、モダンダンスの指導者(ホセ・リモンカンパニー元プリンシパル ベティ・ジョーンズ氏)と出会い、「あなたのありのままが素晴らしいのよ」と言葉をかけられたことが、須原さんの価値観を大きく変えるきっかけとなりました。
ダンサーとして身体的条件に立ちはだかる壁を感じていた須原さんにとって、“ありのまま”を肯定されたその経験は、衝撃であり、同時に解放感をもたらしました。さらに渡米中にはコンテンポラリーダンスにも触れたことで、その“自分らしさを生かす自由なダンス表現”に感銘を受け、「私はこういうのがやりたいんだ」と須原さんは強く確信します。
帰国後の1996年、ダンスグループ「ズンチャチャ」を結成します。メンバーそれぞれが本業を持ちアフター5に集い、“昼は仕事、夜はダンサー”の二足のわらじスタイルで活動を続けてきました。
メンバーの入れ替わりは若干ありつつも、今なお結成当時からのメンバーも多く在籍し、継続力こそがズンチャチャの原動力となっています。
アマチュアながら定期的に有観客の公演をおこない、映像作品の制作にも意欲的に取り組んでいるほか、岡山・倉敷を拠点にイベント出演やダンスワークショップなど、地域に根ざした活動にも携わっています。

2021年に25周年を迎え、翌2022年4月には岡山県天神山文化プラザにて、単独記念公演「BIRDS」を開催。同年11月には、公益財団法人福武教育文化振興財団より、長年にわたる活動実績と岡山県におけるコンテンポラリーダンスの普及・啓発、振興への貢献が評価され、「2022年度福武教育文化賞」を受賞しました。
さらに、25周年のタイミングに重なるかたちで、アルスくらしき(公益財団法人倉敷市文化振興財団)とタッグを組むことに。それまで自主公演を中心に活動してきたズンチャチャにとって、地域の文化事業との連携は新たなチャレンジとなっています。
コンテンポラリーダンスとは
コンテンポラリーダンスと聞くと、どこか難しそうな印象を持たれるかもしれません。
というのも、コンテンポラリーダンスにはバレエのように決まった型やルールがなく、ダンサー一人ひとりの身体や感覚から生まれる、自由でとらえどころのない表現が中心だからです。
一見まとまりがないような展開に、「なぜこの動きを?」「これはダンスなの?」と、戸惑いを覚えるかたもいるでしょう。
しかし、その“不可思議さ”こそが、コンテンポラリーダンスの魅力でありおもしろさだと言われています。観る人の数だけ感じかたがあり、その瞬間にいた人だけが共有できる体験になるのです。


作品紹介 〜正解を探さなくていい、自由に感じよう!〜
“コンテンポラリー”らしさのある見入ってしまう作品から、思わず笑顔になってしまう楽しい作品まで、ズンチャチャの公式YouTubeで観られます。もちろん、ライブで臨場感を味わうのが一番ですが、まずは映像からズンチャチャの世界を気軽に覗いてみてください。
ズンチャチャビギナーである筆者が、現在公開されている作品のなかからタイプの異なる4本を選び、まず観てほしい順に紹介します。
ずんとあるす1「Trip」/ARS KURASHIKI ×ZUNCHACHA
@倉敷市芸文館 2022年度映像作品
倉敷市芸文館の内も外もまるごと舞台にした、カメラワークもダイナミックな作品です。
明るくてカッコ良くて、初心者にも親しみやすく、誰もが自然とズンチャチャの世界に引き込まれるはず。しっとりとした導入から、躍動感あふれるシーンへと展開し、ときにコミカルなBGMにのせてユーモアたっぷりの動きが繰り広げられます。
飽きることなくあっという間に時間がすぎる、ズンチャチャらしさがぎゅっと詰まったエンタメ性の高い一本です。
ずんとあるす1 Nature seriesⅠ 鳴滝森林公園編
@鳴滝森林公園 2022年度作品
森のなかでたった一人で舞う姿は、森と一体化して呼吸しているようにも見えてきます。
普段の筆者は、仕事柄パソコン画面は文字だらけ、YouTubeで情報を求めては常に誰かの声を聞いているような生活なので、この作品に触れたときの感覚は非常に新鮮でした。
読まなくていい、声を聞かなくていい、考えなくていい。映像と音楽だけに身をゆだね、ぼんやりと受け取っている時間が、とにかく心地良かったんです。3分にも満たない時間で、心がすーっと浄化されていく。
このように“ダンス”で癒される体験があることを知った、ヒーリング効果の高い作品です。
備中温羅太鼓と大共演!ズンチャチャ20周年記念公演『 L 』より
@岡山市民文化ホール 2017年公演
コンテンポラリーダンスにどこか距離を感じているかたや、少し抵抗のあるかたにもおすすめなのが、備中温羅太鼓とのコラボレーション作品です。
日本人ならきっと誰もが好きな太鼓の音色とリズムに、現代的なダンスが融合し、懐かしくも新しい感覚を味わえます。展開のなかで、どこか能の要素や、アフリカの民族舞踊っぽさも感じる、その独特な動きと太鼓のリズムに引き込まれ、ずっと見ていたくなります。
ZUNCHACHA「PROCESSION」/ズンチャチャ「プロセッション」
【2023年~24年にかけてズンチャチャ・木村琢磨・松下徹によるダンス映像作品の制作、国際映像コンペ(カンヌ・NYなど)出品に挑戦する創作活動】
助成:公益財団法人 福武教育文化振興財団
ズンチャチャの最新映像作品です。
ここはどこの惑星?と見まごう野生的で美しい自然のなかで、ダンサーたちが、力強くしなやかに躍動します。
モノクロの「PROCESSION」、カラーの「PROCESSION Planeta matris」、そして撮影の裏側を収めたメイキング映像。すべてを通して観ることで、制作者たちの情熱がより深く伝わってきます。
なかでも「PROCESSION」は、モノクロの映像美と場面ごとに切り替わる印象的な旋律で、まるでフランス映画を観ているかのような余韻を感じさせてくれます。身体、自然、映像、音楽。その力が重なりあって生まれる、ズンチャチャの“今”が詰まった一作です。


4つの作品をそれぞれを観終えた後、言葉にできない何かが、ふわりと心に残っていませんか?
わずかな時間でも、どこかへトリップしたような非日常の感覚、味わえませんでしたか? そのような体験をくれるのが「ズンチャチャ」なのです。
ズンチャチャの魅力に迫るべく、主宰の須原さんに活動に対する想いを聞きました。
ダンスパフォーマンス集団 ズンチャチャのデータ

団体名 | ダンスパフォーマンス集団 ズンチャチャ |
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業種 | コンテンポラリーダンス/ダンススタジオ |
代表者名 | 須原由光 |
設立年 | 1996年 |
住所 | 〒710-0046 岡山県倉敷市中央2丁目18-3 CHIMI STUDIO |
電話番号 | 0864250737 |
営業時間 | |
休業日 | |
ホームページ | ZUNCHACHA website |