多くの人が新生活を迎える4月は、期待と緊張が入り混じった顔で通勤通学する人を多く見かける時季です。
倉敷市では、毎年4月に学校を卒業し新たに倉敷地区内の事業所へ就職した人を対象としたイベント「新規学校卒業就職者歓迎大会」が開催されています。
いったいどのようなことがおこなわれているのでしょうか。
令和7年度新規学校卒業就職者歓迎大会のようすをレポートします。
記載されている内容は、2025年5月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
目次
新規学校卒業就職者歓迎大会とは

新規学校卒業就職者歓迎大会は、倉敷地区内(倉敷市・早島町)の事業所へ就職した新規学校卒業者を対象に、1973年から毎年4月に開催されています。目的は、以下の三つです。
- 新規学校卒業就職者の歓迎
- 新規学校卒業就職者の倉敷市への愛着形成
- 新規学校卒業就職者の職場定着
2025年は、4月8日(火)午後2時から午後4時15分に倉敷市民会館でおこなわれました。
主催は新規学校卒業就職者歓迎大会実行委員会。
倉敷市、倉敷中央雇用開発協会、倉敷市内の商工会議所、倉敷市商店街連合会、倉敷中央公共職業安定所と多くの組織が関わっています。
2025年は全体で62社、総勢432名もの新規学校卒業就職者が参加しました。
当日のようす
大会は、式典の部とくらしき魅力発見交流の部の二部構成です。
式典の部
まずは式典の部です。

市歌が流れると、ステージの幕が上がり式が始まります。市民憲章を参加者全体で唱和。元気な声が会場全体に響きます。
唱和が終わると、主催者を代表して伊東香織(いとう かおり)市長が「倉敷は江戸時代からものづくりの気風がある場所。ものづくりを支える人、働く人を支える人、倉敷で過ごす多くの人を支える人として頑張ってほしい」とエールを送りました。
また、先輩社員を代表して倉敷運輸株式会社の松村颯良(まつむら そら)さんが参加者を歓迎します。
「うまくいかないときは一人で抱え込まず、先輩を頼ってほしい」とアドバイスをするとともに、「次の夢は、働いたお金で家族のために家を買うことです」と働く一人の人としての等身大な夢を掲げている姿が印象的でした。
その後、参加者を代表して、三菱自動車工業株式会社水島製作所の大和悠真(やまと はるま)さんが「世界から多くの人が訪れる倉敷から、世界へ発信していきたい」と抱負を述べました。
くらしき魅力発見交流の部
くらしき魅力発見交流の部では、「実は私○○なんです」「クイズ!倉敷王」という二つの企画を開催。

この部では、岡山を中心に活躍するフリーアナウンサーの中島千晶(なかしま ちあき)さん、タレントの坂本大輔(さかもと だいすけ)さんが進行を担当します。
企画は、実際に参加者が体を動かしながら参加します。途中、中島さんや坂本さんが参加者にインタビューをしたり、参加者に対するツッコミを入れたりと、軽快なやりとりで場を盛り上げました。
お互いのことを知るきっかけに「実は私○○なんです」

くらしき魅力発見交流の部の冒頭でおこなわれた企画は、「実は私○○なんです」。
この企画では、「倉敷出身」や「特技がある」などのお題に合わせて、事前に配布された紙を参加者が挙げます。
盛り上がったお題は、「自分が一番遠い出身地である自信がある」。
九州や東北など、遠方から倉敷に就職した参加者が口々に自身の出身地を声に出すと、あちこちから歓声が上がります。もっとも遠い参加者は、なんと海外出身の就職者でした。
入社して間もないときは特に、お互いのことを知らないもの。
企画を通じて知った同期の一面から次の会話につながるきっかけとなるレクリエーションでした。
倉敷の魅力を知る「クイズ!倉敷王」

くらしき魅力発見の部のメインである「クイズ!倉敷王」。
この企画では、倉敷にまつわる祭りや製品、人物などの名称を早押しで解答します。
入場時に渡された番号で、AからHの8チームに分かれてクイズに挑戦。一問ごとに参加者が交代します。一つの事業所でチームのこともあれば、違う事業所同士のチームになることも。
ルールのポイントは、正式名称で解答すること。
特にこのルールに参加者が苦戦していたのが第三問です。
児島の祭りである「鴻八幡宮例大祭」の映像が流れ、祭りの名称を答える問題でした。「鴻八幡宮」まではすぐに解答があったものの、「鴻八幡宮祭り」や「鴻八幡宮だんじり祭り」など、なかなか正答が出ませんでした。
よく知っているものほど、なかなか正式名称では覚えていないもの。
クイズからまた一つ、倉敷を再発見できました。
倉敷に関連した賞品や参加賞をゲット

クイズ!倉敷王に正解したチームの賞品や参加賞は、倉敷にまつわるもの。そのほとんどが出題されたクイズに関連した景品です。
ベティスミスのデニムトートバッグや、のだ初のあっぱれたまご製品のセットなど、倉敷のさまざまなエリアから多様な景品が用意されていました。
クイズに正解できなかった場合の参加賞も、ふるいちのぶっかけうどん二人前など大変豪華です。
筆者も欲しいと思うものばかりでした。

それだけではありません。参加者には記念品として、髙田織物のオリジナル小物入れと畳縁コースターのプレゼントも。この小物入れは、大会限定のものです。
使うたびにこの大会のことを思い出し、初心に帰れる素敵な記念品でした。
これから働く倉敷のことをさらに知ってほしい

新規学校卒業就職者歓迎大会で感じたのは、交流企画を通して参加者の親睦を深めてもらうだけでなく、これから働く倉敷市のことをさらに知ってほしいという主催者の思いです。
筆者は、取材するまでこのような会が開かれていることを知りませんでしたし、来賓のかたがたや代表者のスピーチを聞くようなフォーマルな会を想像していました。
しかし、実際には参加者が同じ会社の同期だけでなく、別の会社から来た参加者ともクイズを楽しみ、休憩中もにぎわっているようすが見られたり、クイズでこれまで知らなかった倉敷のことを知ることができたりして、取材していた筆者も会を楽しめました。
この会の参加者のかたがたが、倉敷で活躍することが楽しみです。
令和7年新規学校卒業就職者歓迎大会のデータ

名前 | 令和7年新規学校卒業就職者歓迎大会 |
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期日 | 午後2時から午後4時15分 |
場所 | 岡山県倉敷市本町17‐1 倉敷市市民会館ホール |
参加費用(税込) | 1人1,500円 送迎バス利用の場合2,500円 |