最近の住宅ではフローリングが主流となり、日常生活のなかで畳(たたみ)を見る機会が少なくなったと感じるかたもいるかもしれません。
畳離れが進む今でも、暮らしのなかで畳の心地良さや魅力を感じていただきたい
そのような思いから、伝統的な技法を守りつつ、へりなし畳や和紙製、カラーバリエーション豊かな畳など、現代のニーズにも応えている女性職人が営む「三好たたみ店」が、倉敷水島にあります。
初代が1970年(昭和45年)に「三好たたみ店」を創業した当時のエピソードや、畳づくりに込める三代目店主の想いを紹介します。
記載されている内容は、2025年8月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
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三好たたみ店について
水島の工業地帯にほど近い場所に、三好たたみ店の店舗・作業場があります。
畳の製造や修繕の相談を受けた際は、まず一度自宅などに足を運び、サイズの計測や希望を聞きます。その内容をもとに見積もりを作成し、説明したうえで作業を進めています。
現在、三好たたみ店で提供しているサービスや商品は以下のとおりです。
- 畳の製造、修繕
- へりなし畳の製造
- 和紙畳の製造
- ふすま、障子、網戸の張り替え
- 畳縁商品の製作
畳の製造、修繕
新しい畳の製造はもちろん、メンテナンスもおこなっています。
畳の新調・製造

畳の新調とは、中央にある「畳床(たたみどこ)」と呼ばれる芯材から新しくすることを指します。
新築用の畳や、古くなって床まで傷んでしまった畳は新調します。
畳床(たたみどこ)
畳の芯となる内側のボード部分。
昔ながらの稲わらや最近は軽量である建材ボード(圧縮した木材チップを圧縮や発泡スチロールなどを組み合わせたもの)などがあります。
裏返し、表替え
畳を使っているうちに、どうしても色あせたり傷んだりするのが、畳表(たたみおもて)であるゴザの部分です。
畳表(たたみおもて)
私たちが直接触れる、い草で編まれたゴザ部分。
最近は和紙でできた素材もあります。
状態の良くない畳を使い続けると、見た目が悪くなるだけでなく、汚れやホコリが溜まり、カビや害虫などが発生しやすくなります。
裏返し・表替えの依頼を受けたらまず、畳をお店へ持って帰り、畳縁を取って古いゴザをはがします。
裏返しの場合、畳床はそのまま使い、古いゴザの裏側(きれいな面)を表にして張り替えます。ゴザは表裏両面使えるため、使用から10年以内であれば裏返しが可能です。

表替えは、畳床はそのまま既存のものを使い、畳表であるゴザだけを新品に交換します。裏返しをしてから5年以上経過した畳には、表替えをおすすめしています。

へりなし畳の製造
畳の長辺や短辺に付ける布製の畳縁を使わず、ゴザを折り曲げて仕上げる畳です。
現在はカラーバリエーションも豊富で、洋室のような雰囲気のお部屋にも合うため、とても人気があります。

和紙畳の製造
い草ではなく、こより状にした和紙で作られた畳です。
本物のい草のように加工されているため、通常の畳と見た目はほとんど変わりません。
い草のような香りはありませんが、変色や傷みが少ないため、現在人気の素材です。

畳は一見すべて同じに見えますが、実際は部屋の大きさに合わせて作られているため、サイズが少しずつ異なります。
部屋のなかで畳の配置場所によってもサイズが異なるため、適当に入れ替えることはできません。
ふすま、障子、網戸の張り替え
定期的にメンテナンスが必要な「ふすま」「障子」「網戸」の張り替えの要望にも対応しています。
破れたり、古くなって色が変わった場合などに張り替えをおこないます。
畳縁商品の製作
畳縁を使ったカバンやペンケース、カードケースなどを製作しています。一つひとつ手作りしており、プレゼントにも喜ばれる商品です。
畳縁(たたみべり)
畳の長辺に付けられる布部分。
デザインや色柄が豊富で、部屋の印象も変わります。

お部屋の印象を左右する畳替えは、数年に一度程度しかおこなわないもの。だからこそ、安心して任せられるお店選びが大切です。
三好たたみ店は小さなお店ですが、誠実でていねいな対応により、多くのリピーターが利用しているそうです。
時代のニーズに合わせ、さまざまなサービスと商品を提供している三好たたみ店の店主に話を聞きました。