萩原工業株式会社 〜 ござ作りの技術を継承し独自技術「フラットヤーン」で挑むブルーシートの新時代

萩原工業の吉田さんと矢木さん

こころ弾む未来へと 萩原工業

倉敷で暮らす人なら、一度は耳にしたことがあるテレビCMのフレーズかもしれません。

ブルーシートや土木資材で国内外に広く知られる萩原工業株式会社(以下、「萩原工業」と記載)は、耐候性と強度に優れたブルーシートを提供し、国内の災害現場から海外の農業資材市場まで幅広く活用されています。

さらに本社を置く倉敷市水島では、学校や地域団体と連携した清掃活動や環境保護に積極的に取り組み、地域と共に成長を続けています。

萩原工業の歴史と技術、地域との関わり、そして未来への展望について取材しました。

記載されている内容は、2025年9月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。

Ads by Yahoo! JAPAN

萩原工業株式会社のデータ

萩原工業入り口の看板
団体名萩原工業株式会社
業種ポリエチレン・ポリプロピレンを主原料とした合成樹脂繊維「フラットヤーン」を用いた関連製品、およびフラットヤーン技術を応用したスリッター等、産業機械の製造・販売。
代表者名浅野和志
設立年1962年(昭和37年)11月29日
住所岡山県倉敷市水島中通一丁目4番地
電話番号086-440-0860
ホームページ萩原工業株式会社

萩原工業とは

1962年に倉敷市水島で創業した萩原工業は、合成繊維の加工技術をベースに事業を展開してきた企業です。

もともと「ござ」の問屋である、萩原商店をルーツに、時代の変化に合わせてブルーシートをはじめとした合成樹脂製品や産業資材、土木資材などの製造を手がけています

萩原工業エントランス

現在、世界14か国に生産・販売拠点を展開。本社と主要工場を置く倉敷市水島では、研究開発から製造までの中枢機能を担っています

従業員はおよそ1,300名で、地域に根ざしながら、グローバルな視点で事業を展開する「倉敷発」のメーカーです

「ござ」から始まった挑戦

イ草製品
イ草製品

倉敷市や早島町を含む岡山県南部は、かつて全国のイ草生産の中心地でした。
1960年代(昭和30年代)には全国の約8割を岡山県が占め、その大部分が倉敷周辺で作られていました。

萩原工業のルーツは、このイ草文化にあります。
倉敷市西阿知で花ござの問屋であった「萩原商店」が、1961年(昭和36年)に花ござ用のタテ糸として使われていた綿糸の代替として、ポリエチレンで糸を作るために水島工場を建設しました。

萩原工業創業時の植樹
萩原工業創業時の植樹

そして、翌年の1962年(昭和37年)に水島工場が独立する形で、「萩原工業」が設立されました。

ブルーシートが守る暮らし

萩原工業の代表製品といえば「ブルーシート」です。
軽量で防水性が高く、物を覆ったり包んだりと多用途に使えるため、日常生活や災害現場で欠かせない存在です。

画像提供:萩原工業株式会社
画像提供:萩原工業株式会社

お花見の敷物・地域の運動会やお祭りなど、行事でもよく使われており、生活のさまざまな場面で頼りにされています。

また、雨漏り時の屋根の応急処置はもちろん、災害時には破損した建物の保護や仮設スペースの確保などとしても活躍します。

ブルーシートの製造は1960年代に始まりました。
その原型は、大手運送会社のトラックの荷台にかける幌として誕生したものです。

萩原工業ブルーシート

そのブルーシート、実は「織物」であることはあまり知られていません。
表面をよく見ると、タテ糸とヨコ糸が交差しており、まさに“織られた素材”なのです。

世界へ広がるフラットヤーン技術

フラットヤーン 画像提供:萩原工業株式会社
フラットヤーン 画像提供:萩原工業株式会社

ブルーシートや防音シート、防草シートの基礎となるのが「フラットヤーン」と呼ばれる細長いテープ状の繊維です。

このフラットヤーンを織ることで、軽くて丈夫、耐候性のある製品が生まれます。萩原工業はこの分野で国内トップクラスの技術を持ち、その製品は海外にも輸出されています。

また、フラットヤーンを製造する機械を自製していたことから、その技術を応用した産業機械の製造・販売も行っています。
世界中のさまざまな現場で使われている製品が、倉敷から生まれているのです。

循環型のものづくりへ

萩原工業リサイクル
画像提供:萩原工業株式会社

萩原工業は「作って終わり」ではなく、「使い終わった後」にも責任を持つことを大切にしています。

画像提供:萩原工業株式会社
画像提供:萩原工業株式会社

使用済みブルーシートを回収し、洗浄・粉砕・再資源化して再び原料に戻す水平リサイクル事業もそのひとつです。

限りある資源を有効に活用し、持続可能な社会に貢献しています。

水島に根ざす唯一の上場企業として

萩原工業社内の様子

ブルーシートを国内トップの規模で生産している萩原工業の拠点は、工業地帯として知られる倉敷市水島にあります。

水島臨海工業地帯
水島臨海工業地帯

多くの企業が本社機能を東京や大阪に移すなか、萩原工業は本社機能を含めて倉敷市に根ざしている、唯一の上場企業です

また、協賛や災害支援活動などを通じて、企業としての社会的責任を果たしながら、地元住民とのつながりを大切にしています。

左から吉田淳一(よしだ じゅんいち)さん、矢木健(やぎ たつる)さん
左から吉田淳一さん、矢木建さん

こうした取り組みや、地域に根ざした企業としての考えについて、萩原工業の吉田淳一(よしだ じゅんいち)さんと矢木建(やぎ たつる)さんにお話を聞きました。

萩原工業株式会社のデータ

萩原工業入り口の看板
団体名萩原工業株式会社
業種ポリエチレン・ポリプロピレンを主原料とした合成樹脂繊維「フラットヤーン」を用いた関連製品、およびフラットヤーン技術を応用したスリッター等、産業機械の製造・販売。
代表者名浅野和志
設立年1962年(昭和37年)11月29日
住所岡山県倉敷市水島中通一丁目4番地
電話番号086-440-0860
ホームページ萩原工業株式会社

倉敷とことこの厳選記事を LINEでお届けします

Ads by Google

地域を知る

  • 倉敷
  • 玉島
  • 水島
  • 児島
  • 船穂
  • 真備

はれとこからのお知らせ

一般社団法人はれとこは「とことこシリーズ」を中心に、地域の情報発信を担う「市民ライター」育成などの活動をおこなっています。

FMくらしき「倉敷とことこ」

倉敷とことこの厳選記事を LINEでお届けします