朝晩はまだ冷え込みますが、日中は少しずつ春の訪れを感じる季節になりました。
倉敷市玉島では今年(2026年)も桃の節句に合わせ、旧柚木家住宅「西爽亭」で雛祭りを開催。歴史ある建物に多くのかわいらしいおひなさまが飾られ、館内は春らしい華やかな雰囲気に包まれていました。
西爽亭の雛祭りのようすを紹介します。
記載されている内容は、2026年3月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
西爽亭の雛祭りとは

「西爽亭の雛祭り」は、倉敷市玉島の旧柚木家住宅(西爽亭)で、毎年桃の節句に合わせて開催される恒例イベントです。「第23回倉敷雛めぐり」に合わせて、2026年2月21日から3月8日まで開催されました。
西爽亭は、玉島を幕末の戦禍から救った「玉島の恩人」と称えられる熊田恰(くまだ あたか)が自害した場所としても知られています。
普段は武家屋敷風の凜とした雰囲気の屋敷ですが、「西爽亭の雛祭り」期間は多くのおひなさまが飾られ、館内は春らしい華やかでやわらかな空気に包まれていました。
御成門をくぐって、雛祭りの世界へ

お屋敷の外には、御成門と呼ばれる立派な門があります。
普段は身分の高い人しか通れない門のため、閉ざされていますが、イベント期間中はこの御成門から入ることができ、殿様気分を味わえます。
門をくぐると、まず目に入るのが立派な御殿飾りのおひなさま。取次の間が外に向けて開放されていて、華やかなおひなさまが訪れた人を出迎えてくれます。

玄関から座敷に上がると、入口の台の上には姫だるまや手まり、お手玉などのかわいらしい飾りが所狭しと並んでいます。おひなさまのタペストリーも飾られ、春を喜んでいるかのような雰囲気です。
お座敷には多くのおひなさまが並び、まるでみんなで桃の節句をお祝いしているかのよう。訪れた人たちは、一つひとつの人形や小物をじっくり眺めながら鑑賞していました。
昔懐かしいおひなさまが勢ぞろい

お屋敷に上がると、赤いもうせんが敷かれた段の上におひなさまがずらりと並びます。
今年飾られている人形は、おもに昭和の時代のものだそうです。
数あるおひなさまのなかでも特に目を引くのが、御殿飾りのおひなさま。立派な御殿のなかに、気品あふれる人形が静かに鎮座しています。上品な雰囲気が漂い、今にも笙(しょう)やひちりきの音が聞こえてきそうです。

普段、床の間には熊田恰に関する書などが飾られていますが、雛祭りの期間はここにもおひなさまが飾られています。掛け軸もおひなさまの絵です。
この掛け軸は大正時代のもの。落ち着いた色合いながら、登場人物には動きがあり、それぞれがどのような関係なのか想像をかき立てられます。
茶室で楽しむお抹茶体験

おひなさまを楽しんだ後は、茶室でお抹茶をいただくこともできます。
お菓子付きで500円です。

お盆の上には、抹茶の入った茶碗とお菓子、そして茶筅。自分で茶筅を使って抹茶を点てる体験ができます。
この「お抹茶体験」は2026年から始まりました。
2025年に開催された「日本遺産フェスティバル in 倉敷」のエクスカーションで試みられたところ好評だったため、今回の雛祭りでも実施されることになったそうです。
お菓子は「高瀬舟羊羹」と色とりどりのかわいい金平糖。玉島港から高梁川を行き交った高瀬舟に思いをはせながら、自分で点てたお抹茶をゆっくり味わいました。
おわりに

歴史ある屋敷で開催される「西爽亭の雛祭り」は、玉島に春の訪れを感じさせてくれる行事のひとつです。
座敷いっぱいに並ぶ昔懐かしい雛人形や、華やかな御殿飾りを眺めていると、どこか温かな気持ちになります。普段は凜とした雰囲気の西爽亭も、この時季ばかりはやわらかな春の空気に包まれ、訪れる人たちの表情も自然とほころんでいるようでした。
雛人形を楽しんだあとは、茶室で自分で点てるお抹茶体験もでき、ゆったりとした時間を過ごせます。
玉島の歴史と季節の風情を感じられる「西爽亭の雛祭り」。来年の春には、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
















































