2026年7月28日に「令和8年熊本地震」が発生しました。
倒壊した住宅を報道などで見て、自分の住んでいる家は大丈夫だろうかと考えた方もいるかもしれません。
現在、行政が地震発生時に倒壊の危険性が高いと見ているのは、とくに1981年(昭和56年)5月以前の「旧耐震基準」で建てられた住宅です。
これらの住宅を対象に、耐震診断や耐震改修に関する補助制度・税制優遇措置が用意されており、その内容を説明する「住宅耐震化セミナー」が2026年6月29日に倉敷市防災危機管理センターで開催されました。
この記事では、その内容を紹介します。
記載されている内容は、2026年8月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
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「住宅耐震化セミナー」とは

「住宅耐震化セミナー」は、岡山県と県内自治体が共催したセミナーで、2026年度に初めて開催されました。日程は以下のとおりです。
- 倉敷会場:2026年6月29日(月)
倉敷市防災危機管理センター 1階 152会議室 - 岡山会場:2026年7月6日(月)
南ふれあいセンター 3階 ふれあいホール - 津山会場:2026年7月13日(月)
津山総合福祉会館 4階 大会議室
セミナーの内容
セミナーは以下の順番で進行しました。
- 開会あいさつ
- 岡山県内の補助制度、税制優遇措置について
- 住宅の耐震化について
- リ・バース60耐震改修利子補給制度について
岡山県内の3会場はいずれも、基本的に同じ内容です。
開会あいさつ

セミナーの冒頭では、岡山県建築指導課の千田さんが、近年の地震(能登半島地震や青森県での地震)に触れ、県民の防災意識の高まりについて述べていました。
岡山県内における耐震診断の申込数は、能登半島地震の影響もあり過去最高レベル(659件)を記録しているものの、実際に改修工事に進むのはそのうちの1〜2割にとどまっているそうです。
この課題を解決するため、県として補助の拡充や低コスト工法の提案に加え、2026年度からは新たに「リ・バース60」を活用した耐震改修利子補給制度を創設し、県民の費用負担軽減に努めていると話していました。
岡山県内の補助制度、税制優遇措置について

続いて岡山県建築指導課 小林さんから、岡山県内の補助制度、税制優遇措置に関する説明がありました。
岡山県でも、南海トラフ地震や断層型地震により県南・県北問わず最大震度6強の揺れが想定されており、とくに1981年(昭和56年)5月以前の「旧耐震基準」で建てられた住宅は倒壊の危険性が高いとのことです。
このため、耐震化を進めるための岡山県内の支援制度として、以下のポイントを紹介しました。
- 耐震診断・補強計画
全市町村で実施されており、自己負担額1万円程度(面積による)で診断が可能。 - 耐震改修工事
全体改修の場合、最大で補助率80%、補助限度額115万円(市町村により異なる)の補助金が用意されている。
全体改修が難しい場合は、寝室など一部のみを補強する「部分改修」や、「耐震シェルター・防災ベッド」の設置に対する補助(一部市町村で実施)もある。
補助金を受けるためには、必ず市町村の補助金交付決定を受けた後に工事事業者と契約する必要があることが、強く注意喚起されました。
また、その他の支援として、所有者が補助金を差し引いた額のみを支払えば済む「代理受領制度」や、一定の要件を満たす場合の所得税・固定資産税の軽減措置(税制優遇)、地震保険料の控除などが紹介されました。
住宅の耐震化について

ここからがセミナーの中心となる内容です。
岡山県木造住宅耐震診断評価委員会 委員長の中桐さんの講演は、「住宅の耐震化」がテーマでした。
専門家の視点から、南海トラフ地震は今後30年以内で高い確率(60〜90%以上)で発生が予測されていることから、耐震化の目的やアドバイスとして以下のような内容が紹介されました。
- 耐震化の真の目的
耐震補強を行っても家が無傷で済むわけではありませんが、「最初の大きな揺れで家が倒壊せず、押し潰されないこと」で、揺れが収まった後に安全に避難できる時間を確保することが最大の目的であると解説されました。 - 新耐震基準(2000年まで)の課題
昭和56年以降の新耐震基準であっても、2000年までの建物は壁の配置バランスなどの規定が明確でなかったため、築40年程度経過している住宅は一度専門家に相談することが推奨されました。 - 工事の実務的なアドバイス
壁や床を壊さずに補強を行う「低コスト工法」は費用や工期を抑えられる反面、補強箇所が増える場合もあるため設計者との相談が必要です。
また、屋根の葺き替えや外壁塗装などのリフォーム時期に合わせて耐震改修を同時に行うと効率的であること、工事は基本的に仮住まいへ引っ越さず「住みながら」実施できることなどが説明されました。
リ・バース60耐震改修利子補給制度について

最後に、「リ・バース60耐震改修利子補給制度」について、住宅金融支援機構の今村さんから説明がありました。
「リ・バース60耐震改修利子補給制度」は岡山県内では2026年度に導入された、高齢者向けの新しい資金調達手段です。制度の仕組みとしては、毎月の支払いが「利息のみ」で、借入金の元金は申込者が亡くなった後に住宅(担保物件)を売却するなどして一括返済する住宅ローンです。
本制度では、毎月の利息部分に対して国から利子補給が行われるため、実質的に毎月の支払いが0円で耐震改修工事を行えます。
ただし、利用には以下の条件があります。
- 申込年齢が70歳以上であること(60歳から申込可能だが、利子補給が始まるのは70歳から)。
- 住宅の「全体耐震改修工事」であること(部分改修やシェルター設置は対象外)。
- 市町村へ補助金の申請を行うこと(※本制度と自治体の補助金を併用する場合、補助金の額は半額になります)。
しかし、注意点もあります。
実質「毎月の支払い0円」だからといって、借入金の返済が免除されるわけではありません。
万が一申込者が亡くなった後、相続人に借入金は引き継がれますが、家の売却額が借入額を下回った場合でも、相続人に残りの借金が請求されない「ノンリコース型」が用意されており、安心して利用できることが強調されました。
万が一融資の審査が通らなかった場合に備え、市町村へ補助金の相談をするのと同時期に、必ず対象の金融機関へ事前相談を行うようアナウンスされました。
岡山県内を対象とする金融機関と、対象エリアは以下のとおりです。
- 日本モーゲージサービス株式会社
岡山県内全市町村 - 株式会社高知銀行
岡山市、倉敷市、玉野市、総社市、備前市、瀬戸内市、赤磐市、和気町、早島町 - 株式会社四国銀行
岡山市
おわりに

現在も熊本地震の被災地では、懸命な災害復旧支援活動が行われています。平成30年7月豪雨時に活動した仲間で支援活動に入っている人もいれば、当時助けていただいた方で被災している人もいます。
「自分に何ができるだろう」ということは、災害が発生する度に思いますが、自身が被災した時に備えて、防災意識を日々高めていくことも重要です。
耐震化工事を検討しようと思った方は、一度問い合わせて耐震診断を実施してみてはいかがでしょうか。
住宅耐震化セミナー(倉敷会場)のデータ

| 名前 | 住宅耐震化セミナー(倉敷会場) |
|---|---|
| 開催日 | 2026年6月29日(月) 午後1時〜3時 |
| 場所 | 倉敷市西中新田640 倉敷市防災危機管理センター 1階 152会議室 |
| 参加費用(税込) | 無料 |
| ホームページ | 倉敷市公式ホームページ - 木造住宅の耐震診断・耐震改修補助制度について |







































