株式会社ベティスミス 川村波音さん ~ 国内初のレディースジーンズ専門ブランドで、倉敷が誇る繊維産業を支えていく(若手が紡ぐ倉敷仕事物語 Vol.13)

ベティスミスアイキャッチ

川村波音さんにインタビュー

ベティスミスで働く若手社員、川村波音(かわむら はのん)さんに話を聞きました。

川村波音(かわむら はのん)さん
川村波音(かわむら はのん)さん

一人でジーンズを1本縫うことからスタート

入社後はどのように縫製の技術を学んでいったのですか?

川村(敬称略)

最初は、先輩に教えてもらいながら、「生地を真っ直ぐに縫う」などの簡単な作業に慣れることから始まりました。

また、全ての工程がまだ縫えない状態で「まずは自分で1本、ジーンズを作ってみる」という実践もありました。裁断も手作業で行い、どのパーツがどう組み合わさってジーンズができあがっているのかを、実践的に覚えていったんです。最初は工業用ミシンに慣れていなかったので難しかったですが、先輩に手伝ってもらいながらなんとか形にできました。

高校時代から服飾に関わられていたそうですが、実際にベティスミスで作ってみて、高校との違いはありましたか?

川村

一番驚いたのは、家庭用ミシンと工業用ミシンの違いです。ベティスミスでは効率を重視して「立ちミシン」を採用しているのですが、立ちながら縫うというスタイルにビックリしたのを覚えています。

それと、ジーンズ作りの各工程にそれぞれの専用ミシンがあるんです。工業用はパワーもスピードもまったく違うので、最初はミシンの操作に慣れるだけで精一杯でした。

縫製する川村さん
縫製する川村さん

仕事の楽しさや、やりがいを感じられる瞬間はどのような時ですか?

川村

やっぱり縫うことが好きです。
扱えなかったミシンが使えるようになったり、2時間かかっていた作業が1時間で終わるようになったり……自分の技術力が上がっていると実感できた瞬間に、一番のやりがいを感じます。

今は指導する時間が多いですが、教えている後輩の成長を感じられた時もうれしいですね。

一人一人の個性を生かした現場作り

指導中の川村さん
指導中の川村さん

働いていて、「ベティスミスの工場ならではだな」と感じる瞬間はありますか?

川村

一人一人の得意分野に合わせて仕事を任せてくれるところです。

例えば、黙々と一つの作業に集中したい人には時間のかかる工程を任せたり、私のようにいろいろな作業に挑戦したいタイプにはさまざまな作業を体験させたりと、個性を伸ばそうとしてくれる環境があると思います

リーダーとして後輩を指導する際、特に意識していることはありますか?

川村

相手に合わせた声掛けです。
制限時間を伝えて集中させた方が伸びる子もいれば、先に丁寧に説明して不安を取り除いてあげた方がスムーズに動ける子もいます。

また、ミスが起きた時はなぜダメなのかという理由をきちんと説明するようにしています。例えば「ここが1mmずれると、次の工程で生地が折れなくなる」といった具体的な理由が分かれば、次を想像しながら仕事ができるようになり、ミスも防げるようになるんです。

縫製を行う川村さん
縫製を行う川村さん

川村さんご自身も、ミスをして落ち込むことはありました?

川村

もちろんです。数えきれないほどあります。でも、ある日ふと「ずっと落ち込んで考え込んでいても、技術力は上がらない」と思ったんです。

大切なのは気持ちを切り替えて、次の作業に集中すること。後輩にも「みんなが通る道だから」「次につながるミスだったんだよ」と声をかけて、前向きに取り組める雰囲気作りを心がけています

完璧ではないからこそ、周りに頼れるリーダーへ

工場でスタッフに声をかける川村さん

リーダーを務める中で、苦労したことはなんでしょうか?

川村

正直、最初は意思疎通がうまくできるか不安になったこともありました。自分とは違うタイプの方たちと、どう接すればいいか悩んだ時期もあります。

ただ、私は前任のリーダーと比べると完璧なリーダーではありません。だからこそ、分からないことは「これ、どうやるの?」と自分から周りのスタッフに聞くようにしました。私がみんなを頼る姿勢を見せることで、自然と会話が増え、コミュニケーションもとりやすくなりました。

10年以上キャリアのあるベテランさんも、私の指示に嫌な顔をせず、優しく協力してくれます。優しくて穏やかな人が多い環境だと思います。

これからの川村さんの目標を教えてください。

川村

いつかは独立して、自分のブランドを持ちたいです。

ベティスミスは独立する人が多く、社長も目標がある人の方が成長すると私たちの夢を後押ししてくれています。ここで企画から製造、販売までの全工程に関われる経験は、独立した際にも必ず生きると思っています。

川村さんの仕事道具
川村さんの仕事道具

最後に、同世代の読者へメッセージをお願いします。

川村

好きなことに携わることが、仕事の一番のモチベーションになると思います。

もちろん仕事で悩むこともあるかもしれませんが、自分の「好き」を大切にして、それに関わる道を選べば、きっと自分らしく生きられるはずです。少しでも楽しみながら働けるように、ぜひ自分の好きなものを探してみてください。

おわりに

筆者は取材をしていて、独立を積極的に応援するベティスミスの方針に驚きました。

ジーンズ作りの全工程に携われる環境は、覚えることや学ぶことが多く、大変な場面もきっとあると思います。しかし、独立という目標があるからこそ、大変さも通過点として捉え、意欲的に取り組める社員が多いのだと思いました。

いつかベティスミスから独立した後も、繊維産業の担い手として、さまざまな場所で活躍していくことでしょう。

倉敷の繊維産業を支えながら、担い手となる後輩も育てている川村さん。目標に向かって頑張る姿を、今後も応援していきたいと思います。

川村波音さん

若手が紡ぐ倉敷仕事物語 バックナンバー

株式会社ベティスミスのデータ

ベティスミス外観
団体名株式会社ベティスミス
業種ジーンズカジュアル企画製造販売
代表者名大島康弘
設立年1962年
住所岡山県倉敷市児島下の町5丁目2−70
連絡先お問い合わせはフォームより連絡をしてください
https://betty.co.jp/contact2/
ホームページベティスミス ホームページ

倉敷とことこの厳選記事を LINEでお届けします

あなたの月500円が、次の取材費になります。

倉敷とことこの取材費はメディア運営とは別の収益事業でやり繰りしていて、寄付・協賛は収入の1割ほどしかありません。

クレジットカード対応・1分で完了

岩佐りつ子
岩佐りつ子
ずっと住んでいた神奈川を離れ、2023年12月に地域おこし協力隊として倉敷に移住しました。

縁もゆかりもなかった倉敷のまちは、見るもの、出会うもの、全てが初めてづくし!毎日の暮らしに居心地の良さを感じています。 移住者目線を忘れずに、倉敷の魅力を伝えていきたいです。

こんにちは、地域おこし協力隊です

県外から倉敷市への移住をより一層進めるため、Webを通じた生活者目線での情報発信や、移住関連イベントへの協力をミッションに活動しています。

倉敷市地域おこし協力隊

連携協定

地域を知る

はれとこでライター活動を希望する方へ

一般社団法人はれとこは、地域の情報発信を担う「市民ライター」育成などの活動をおこなっています。

倉敷市民レポーター教室
高梁川流域ライター塾

「体験」から「本格活動」「スキルアップ」まで、3つのステップで市民ライターの成長を応援します。詳しくは講座・セミナーページをご覧ください。