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ガラス工房aun ~ 自分の生活に合わせたガラスペンを選び育てる体験を

ガラス工房aun ~ 自分の生活に合わせたガラスペンを選び育てる体験を

買っとこ / 2025.05.15

ガラスペン」を知っていますか。

ガラスペンは、日本発祥の筆記用具で、万年筆のインクをペン先に浸してから筆記するペンです。昨今の万年筆ブームも相まって、注目されている高級文具のひとつ。

倉敷美観地区内の築170年木造2階建ての町家をリノベーションした複合施設「クラシキクラフトワークビレッジ」の一角にあるガラス工房aunでは、ガラスペンを中心としたガラス製品の工房兼ショップがあります。

使い手の生活に寄り添ったガラスペンを、倉敷から世界へ発信したいガラス工房aunを取材しました。

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記載されている内容は、2025年5月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。

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「ガラスペン」とは

ガラスペンは、その名のとおりガラスで作られたペンです。

ペン先をインクに浸してから筆記する「つけペン」の一種で、明治時代の風鈴職人によって考案されました。インクには、万年筆インクが多用されますが、書道用の墨汁など多様なインクも使用可能です。

ガラスペン

ガラスペンのペン先に八本の溝が施されているので、そこにインクが入り込むことでペン先の先端にインクが流れ出す仕組み。一般的には、一度インクを浸すとハガキ一枚程度の文字が連続して書けると言われています。

見た目の美しさはもちろん、なめらかな書き心地や水洗いで複数のインクが使用できる機能性も相まって、現在は世界中で注目されています。

「ガラス工房aun」とは

ガラス工房aunは、倉敷美観地区の一角にある「クラシキクラフトワークビレッジ」に工房兼店舗を構える、2017年にオープンしたガラス工房です。

外観

以前はガラスアクセサリーなども積極的に制作していましたが、現在はガラスペンを中心に制作しています。

入店は一組ずつなので、電話で予約してからの来店をお勧めします。もちろん、店内にほかのお客さんがいないときには、ふらっと入店することも可能ですので、気軽に声を掛けてみましょう。

自然光がきれいに降り注ぐ店内

「クラシキクラフトワークビレッジ」があるのは、町家独特の狭い路地を抜けた先。

クラシキクラフトワークビレッジ案内図

中庭を中心に、ガラス張りのクラフトショップが並んでいて、どのお店も外から中が見えるので、ほかのお店も気になってしまいます。

中庭からあたたかな自然光がきれいに降り注ぎ、工房内のガラス作品がキラキラと輝きます。

店内

ガラスペンは光の当たりかたによって色味の見えかたが変化するので、実際に手に取ってくるくるとまわしながら好きな色味のガラスペンを探せますよ。

工房兼ショップ

ガラス工房aunは、工房です。そのため、実際にガラスを制作するようすが見られます。

バーナーでガラスを加工したり、ペン先を研磨したりする姿を実際に見られる機会は貴重ですよね。海外のイベントにも出店するプロの技に、私もつい見入ってしまいました。

工房のようす

入店が一組ずつなので、工房を見学しながら店員とコミュニケーションも取れます。日々の生活のどのような場面にガラスペンを導入しようか、購入後のメンテナンスはどうしようか……など、相談しながら選べるので安心です。

倉敷市内の美術館や文具店とのコラボレーション商品も

店内には色とりどりのガラスペンやインクが並びます。使い手のライフスタイルに合ったガラスペンを選べるように、種類が数多くあるとのこと。

ガラスペンのなかには、大原美術館とコラボレーションしたモネの《睡蓮》やシニャックの《オーヴェルシーの運河》をモチーフにしたガラスペンもあります。

左:モネ《睡蓮》右:シニャック《オーヴェルシーの運河》(写真提供:ガラス工房aun)
左:モネ《睡蓮》右:シニャック《オーヴェルシーの運河》(写真提供:ガラス工房aun)

絵画作品は、大原美術館から持ち出せません。また、館内でのメモは鉛筆のみ。ガラス作家の江田明裕(えだ あきひろ)さんは何度も大原美術館に通っては試作を繰り返したそうです。

バーナーワークを確認する江田さん
ガラスペンを確認する江田さん

インクコーナーを眺めていると、aunオリジナルインクを発見!

夕暮れどきに湖面が深い青緑になってゆくようすを表現した「Twilight Teal」。このインクに合わせたガラスペンとペンレストもありますよ。セットで揃えるのも乙ですね。

店内に並ぶ「うさぎや」のインク

また、倉敷市内の大型文具店「うさぎや」のインクも発見。「大手まんぢゅう」や「下津井の蛸」など食べ物や風景とコラボレーションした万年筆インクで有名なうさぎやのバリエーション豊富なインクとお気に入りのガラスペンのコーディネートも楽しめそうです。

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ガラス工房aunで、ガラスペンを来店予約して購入するには?

ガラス工房aunでは、使い手に合わせてガラスペンを一本ずつ制作しています。来店予約の流れは、以下のとおりです。

  1. 予約時に見たいガラスペンを二種類伝える
  2. 来店して、指定した二種類のガラスペンが手に合うかどうか握ってみる
  3. しっくりこなかった場合は、店内のガラスペンのなかから選んだり、次回の来店予約をしたりする
  4. 購入するガラスペンが決まったら、ペン先の太さを決める

私も早速、ガラスペンを選んでみました。

このように、試作と試し書きを重ねながらお気に入りの一本を探します。

ガラスはひとつずつ色味も異なるので、オンラインではなく自分の目で見て探すのがポイント。

太陽光に透かして色味を選ぶのもおすすめ
太陽光に透かして色味を選ぶのもおすすめ

外気温度によって絵柄の変わるストームグラスなども気になりましたが、太陽光に当てた際にキラキラと輝くブルーに惚れてラグーン(上記写真で筆者が太陽光に当てているもの)を選びました。

また、制作されるガラスペンは一本ずつ太さも異なります。使い手のペンの持ちかた握りかたも考え、その人にとって一番使い心地の良いものを一緒に探してくれますよ。

ガラスペンを選ぶ筆者(高石真梨子)
ガラスペンを選ぶ筆者(高石真梨子)

ペン先もガラスでできているため、力を入れすぎたら割れてしまうのではないかとおっかなびっくり試し書きもしましたが、想像以上の書き心地が滑らかで衝撃。「これなら私にも使えそう!」と思い、普段からボールペンなどで使用しているものと似たペン軸「FM」を選択しました。

ペン軸の種類

購入後も、ペン軸にインクが詰まってしまったりペン先の太さを変えたりしたい場合は、メンテナンスにも対応しています。多い人は月に一度ほど、平均年に一回はメンテナンスに出すお客さんが多いそうですよ。

ガラスは扱いが難しそうですが、細やかなアフターケアがあると「日常でも使ってみようかな」と思わせてくれますね。

ガラス工房aunが大切にしていることや今後のビジョンについて、店主でガラス職人の江田明裕さんに話を聞きました。

インタビューを読む

ガラス工房aunのデータ

外観
名前ガラス工房aun
住所岡山県倉敷市本町1-30
電話番号086-489-0988
駐車場なし
営業時間午前10時~午後6時
定休日
支払い方法
  • 現金
  • クレジットカード
  • オーダー時にお支払い
ホームページEda Akihiro Glass Works
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高石真梨子

高石真梨子

東北→九州→近畿→関東を経て、2023年12月に倉敷市地域おこし協力隊になりました。

音の世界と音のない世界の狭間に住んでいる、手話と日本語のバイリンガルです。障がいの有無にかかわらず、倉敷を旅して倉敷に住み続けたくなるような情報を発信していきます。

こんにちは、地域おこし協力隊です

県外から倉敷市への移住をより一層進めるため、Webを通じた生活者目線での情報発信や、移住関連イベントへの協力をミッションに活動しています。

倉敷市地域おこし協力隊

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ガラスペン

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