着物浪漫 ～ 手ぶら訪問OK！上品な浴衣や正絹の着物で美観地区を歩けるレンタル着物店

店長の本郷亜貴子(ほんごう あきこ)さんへインタビュー

モデルさんに体験してもらった後に、店長の本郷さんにお話を聞きました。

本郷
難しかったですね。

お店を始めた2016年当初は、ふつうの着物と浴衣のみを取り扱っていました。

でもやっぱり倉敷のお店なので、「京都や東京ではレンタルできない着物を着られますよ」と言えるほうがいいと思って。

デニム着物を自分で作りはじめましたが、ものすごく大変でした。

本郷
まず、依頼できる人を探すのに苦労しました。

ふつうの着物は、和裁士さんが縫います。
でもデニム生地はミシンで縫わないといけないので、和裁士さんには頼めません。
ミシンで縫ってくれる人は、着物は仕立てたことがない。

なんとか、あるデニム加工会社に依頼できることになり作り始めたんですけど、今度はサイズが難しかったです。

デニムって縮むじゃないですか。
はじめに寸法きっちりに生地を切ったら、洗ったときにものすごく縮んで、子供用くらいの大きさになっちゃって。

どれくらい縮むのか計算して大きめに裁断した上で、洗う工程を経てから販売しています。

また途中から、それまで縫製と加工を請け負ってくれていた会社が対応できなくなったため、別の人に縫ってもらうことになりました。

そのかたは着物を作るのは初めてだったので、最初はすごく苦労をかけてしまいましたね。

今は、ベンガラの産地である岡山県高梁(たかはし)市吹屋地区の作家さんに依頼して、ホワイトデニムをベンガラ染めにしたり、さまざまなデニム着物を用意しています。

本郷
人気ですね。
他の地域で着られないので。

デニム着物の生地は、本当に素敵なんですよ。
すごくしなやかに織り上げられていて、大島紬(着物の女王といわれている、高級絹織物)みたいです。

本郷
すごく張りがあるので、結んだときに形がしっかり作りやすいんです。
普通の半幅帯は「ふにゃん」となりやすいんですけど、児島帯はそうならないから、飾り結びができます。

すごく好評ですね。

本郷
デニムだから本当に合わせやすくて。

「この着物にどんな帯を合わせようかな？」と悩むときに、「児島帯がいい」「児島帯ならおしゃれに決まるね」としっくりくるんです。

本当に重宝しています。

本郷
成人式の着付けでは特別で、「絶対に崩れないように」ときつく締めてしまいがちなんです。

そのため「動きにくくてしんどかった」という印象を持たれるかたはいます。

でも通常の着物なら、そこまで締めなくても大丈夫。

着物浪漫でレンタルしたかたは、「思ったより苦しくないし、楽に動ける」とよくおっしゃいます。

本郷
20年ほど洋服の仕事をしていました。
その後、あるレンタル着物店で働いていましたが、諸事情で辞めざるを得なくなって。

でも着物レンタルって、すごく喜ばれるし、すごく楽しいお仕事で。

「自分でできたら」と2016年にお店をはじめました。

本郷
はい。着物も洋服も似ているところがあるじゃないですか。
コーディネートすることとか、着ると気持ちが変わることとか。

「女の人を素敵にしてあげたい」というのが、洋服の仕事をしていたときからの一貫した気持ちです。

本郷
選ぶところから楽しんでもらって、着付け中も楽しんでもらって、お出かけする時にはテンションマックスでお出かけしてもらえたら。

着物は日本の民族衣装なので、日本人にももっと着てもらえたらいいなと思っています。

本当に楽しいお仕事ですね。
この仕事が大好きです。

おわりに

和服は、洋服では躊躇(ちゅうちょ)しそうなコーディネートが楽しめたり、いつもと違う気分になれたり。

旅行やお散歩で着物を着るのは、とっても楽しい！

「着物はよくわからない」という人でも、アドバイスをもらえるから安心です。

ぜひ着物浪漫で着物を借りて、倉敷の街を散策してみてください。