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一般社団法人岡山こども食堂支援センターの代表直島さんにインタビュー
一般社団法人岡山こども食堂支援センターの代表 直島克樹さんに、ネットワークの取り組みのきっかけやこども食堂の現状について聞きました。

地域に根ざしたネットワーク作りへ
市域ネットワークを立ち上げようと思ったきっかけを教えてください。
直島(敬称略)
もともと2017年から岡山県全体のネットワークを立ち上げていて、2022年度からは県民局単位でのネットワーク作りに関わっていました。
ですが岡山県は広く、もっと顔の見える関係性や相談しやすい環境が必要であると判断し、山口県の取り組みを参考にしながら、市域ごとのネットワークの立ち上げに至りました。
増え続けるこども食堂と見えてきた課題
岡山県内のこども食堂の現状について、どのような課題を感じていますか?
直島
こども食堂の数は増えてきていますが、小学校区ごとの充足率で見ると、まだまだ足りていないのが現状です。
ただどの地域も活動は活発で、立場や世代を超えたつながりが生まれていることは、とても大きな変化です。こども食堂が地域の社会的インフラとして、地域を動かす力になり始めていると感じます。

一方で、こども食堂が地域に存在し続けるためには、学校など、より多くの子どもが関わる機関と制度の垣根を超えた連携体制が、さらに必要だと考えています。
また、こども食堂が広く知られるようになる一方で、本来の目的を超えた期待が寄せられることも少なくありません。あくまでも地域の自発的で主体的な民間活動ですので、本来公的な責任ですべきこととの線引きは必要です。
こども食堂があることで地域社会とつながる入り口になることもありますが、こども食堂だけで地域の課題が解決できるという「過剰な期待」には注意する必要があります。
誰もが関われる、身近な支援の仕組み
ネットワークを通して、何を一番伝えたいですか?
直島
ネットワークを通じて一番伝えたいことは、「こども食堂が地域のすぐそばにある、身近な取り組みだ」ということです。
また、「子どもや地域のために何かしたい」と思ったときに、気軽に相談できる場として活用してもらえたらと考えています。
ネットワークが、子どもや地域の皆さんにとって「自分たちのことを考えてくれる人がいる」と感じていただけるきっかけになればうれしいです。
地域でこども食堂に関わってみたいと思っているかたへのメッセージをお願いします。
直島
一つひとつのこども食堂の活動を見ていると、子どもたちや地域のことを考え活動されている人たちばかりです。
また企業・行政も加わり、地域みんなの共有財産になっていると感じています。この共有財産のことを「コモンズ」と呼びますが、これからの地域社会にとって、なくてはならないものです。
コモンズ
地域や社会のなかで、特定の誰かのものではなく、みんなで支え、守り、育てていく共有の財産のこと
子どもをはじめ、より多くの人が関わることで、社会とのつながりが自然に生まれるような場、そして子どもたちや地域の声がきちんと社会に届くような仕組みを、みんなで作っていきましょう。
こども食堂発足会&交流会に参加して

子ども食堂を取り巻く現場には、運営の悩みや資金確保の問題など、まだまだ課題も多くあります。
しかしこの発足会&交流会で、人と人とが顔を合わせ語り合い、ゆるやかにつながっていくなかで、少しずつ「安心できる関係」が生まれていることを実感しました。
地域のなかで無理なく、そして長く続けていける仕組みが、今後も広がっていくことを願っています。
子ども食堂市域エリアネットワーク発足会&交流会のデータ

名前 | 子ども食堂市域エリアネットワーク発足会&交流会 |
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開催日 | 2025年8月23日(土) |
場所 | 総社市中央3丁目1-102 総社中央公民館 第1会議室 |
参加費用(税込) | 無料 |